今回のレコーディングで活躍してくれた、ほぼ100年前の西川オルガン。。。
たまたま、縁があってというかなんというか…リードオルガンに惹かれることになってから…この"100年モノ"というキーワードの下に、実に四台!もの、ほとんどお目にかかることすら稀なはずのレアな西川オルガンに遭遇しているのですよ。
西川オルガンというのは…明治時代、日本で最初のオルガンを作ったと云われているメーカー。これにはいろんな説があるみたいだけれども…明治になって文明開化とともに西洋の音楽や音楽理論?とともにやってきた、ピアノより安価なオルガンを、横浜で西洋人の知識を学びながら作り出したメーカーだったそうな。
この時期、他にもいろんなメーカーがオルガンを同時多発的に作り出してるのよね。
現在のヤマハも、そのひとつだったわけだ。
西川のオルガンは、とても発声がはっきりしていて、ダイレクトな反応を示してくれる精度の高いもので…当時すでに、国の学校教育と手を組んで拡大路線で成功し始めていた日本楽器製造株式会社(ヤマハ)などのメーカーにとっても、欲しい技術だったんだろうね。。
対して西川は、教会などを主な販売先にしていたようで…学校の設立、教育の発展とともに大きくなっていく需要とはちがって、頭打ちだったのかもしれないね。
大正10年、ついに西川は、日本楽器に合併吸収されてしまうのね。。。
日本楽器製造(ヤマハ)の拠点は浜松、西川は横浜で、そこのしばらくは、西川オルガンに、日本楽器のロゴが並んで記載されるということになっていたようなのです。。
このロゴを初めて見たのは、ウクレレのトップブランド〜セイレンの高橋家所有のオルガンだったの。
ひとめみて、?、て、思うよね、これは。
現在も馴染みのある音叉が三つ絡んだヤマハのマークが付いている…のに、名前は西川ってかいてある。。。今はなんでもすぐ調べられるからね😂ちょっと調べて、その歴史をお勉強してみたわけ。。
はじめのうちはきっと、敬意を示したり、力関係もそれなりにバランスよくやってたのかもしれないけれど、吸収されたがわだからね、西川は。そのうちに"西川"という名前を使うことができなくなってきたのでしょうね、それでも、西川の職人たちは誇りを持ってつくってたんだろうね、西川、とは書かなくても"エンパイア"というブランド名?で、完全にヤマハ化されるまでの最後の時期は作っていたみたいなのよね。
このあと程なくして、エンパイアの名前もきえてゆくことになるんだよね。。。
今ウチにあるのは、まさしくこのエンパイア〜西川オルガンの歴史の中でも最期の時期(1927年製らしい)のものなんだけど…レコーディングでは100年前の楽器とは思えない、現役感バリバリの活躍をしてくれたよ!音色を聴いてもらったらわかると思うけれど…各鍵盤に、リードが2本つけてあって、とてもくっきりした明るくて大きな音がするの。
が。
実はこのエンパイア、買い換えた二台目なのよね😂💦
去年、渋谷の七面鳥や、阿佐ヶ谷のプロットに持ち込んで舞台公演で使ったオルガンは…61鍵盤のひとまわり大柄な、そして、このエンパイアの前の時代〜ヤマハと西川の両方のロゴが入った時期のものだったのね。。
ストップ、と呼ばれる音を変化させることができるカラクリつきのとても立派なモノで…とても素人に取り回せるモノではなかったんだわ。
運搬はいつも業者さんにお願いしてましたよ💦
中をあけると…もうからくり細工のように複雑な仕組みになっていて、うちわが回ってビブラート効果をつける、とかね😂💦
どうしてもレコーディングに使いたかったのと、自分らで辛うじて運べるサイズがやはり欲しくて…とても悩んだんだけれど、買い換えたの、ほんとにたまたま、狙いのものが出てきてさ。。
今回レコーディングで、このオルガンを引き取ってもらう直前になんとか一人で弾いた、ぼくの曲"そらいろ"の音色を、クロージングに収録してるのよね。ハンドレコーダーでとったので、音は良くないけれど…貴重な貴重な音色。。。
とっても拙いけれど…録っておいてよかったと、ほんと思ってる。
そして…
これね。
こちらは、日本楽器製造に吸収される前の、ほんまもんの"西川オルガン"。
ウチにあるのとおなじ49鍵盤なんだけれど…こちらは、先述したようにリードが2本づつついているタイプではなくて、シングルリードの西川なの!
当時の記録を見ると…シングルリードのモデルと、
ダブルリードのもでるとが発売されていたみたいね。
シングルリードの方は、とっても素朴で優しい音色。ダブルリードのものとはだいぶ趣も変わるみたいで…いや、これもさ、こんなオルガンに出会わなければ、知ることがなかったかもしれないような、貴重な知識になりました。。。
セイレンのオルガンも、ダブルリードのタイプだったから。。
このシングルリードの西川は…オークションで出会った方の所有だったもの。
…そしてこれが、正真正銘の、西川ブランドの、ロゴマーク!!!
初めてお目にかかったよ。。。
ふぅ。。
日本の近代音楽教育の発展とともに、主に学校で広く普及した足踏み〜リードオルガン。
ぼくはさぁ。
大好きな童話作家〜宮沢賢治さんがね、チェロやオルガンをたしなんで、作曲もしていたってことだったから、ずっと憧れがあって…ココロのどこかにひっかかっていたのよね、この、リードオルガンって楽器がさ。
ちょうど100年前、まだ、賢治さんは生きていて…ひょっとしたらこんなオルガンをさ、弾いていてさ…ほしめぐりのうたとか、作ったのかしら、なんて思うとさ。
たまらないのよね😊✨
今回のアルバムを作ろうと思ったキッカケの大きな理由のひとつは、このオルガンとの出会いだったわけだ。。。
奥が、深いね。。。
ほんとうに、興味は尽きないよ!
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