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郁離子 千里馬篇(元末明初)劉基

2021-09-17 17:30:47 | 日記
郁離子 千里馬篇(元末明初)劉基

蜀賈三人,皆賣藥於市。其一人專取良,計入以為出,不虛價亦不過取贏。
  一人良不良皆取焉,其價之賤貴,惟買者之欲,而隨以其良不良應之。
  一人不取良,惟其多賣,則賤其價,請益則益之不較,
  於是爭趨之,其門之限月一易,歲餘而大富。
  其兼取者趨稍緩,再期亦富。
  其專取良者,肆日中如宵,旦食而昏不足。
  郁離子見而嘆曰:「今之為士者亦若是夫!昔楚鄙三縣之尹三,
  其一廉而不獲於上官,其支也無以僦(音就)舟,人皆笑以為癡。
  其一擇可而取之,人不尤其取而稱其能賢。
  其一無所不取以交於上官,子吏卒,而實富民,
  則不待三年,舉而任諸綱紀之司,雖百姓亦稱其善,不亦怪哉!」


原文と譯文(現代中国語訳)のあるサイト

  
現代中国語訳から日本語にしてみました。
(拙訳)
四川に三人の商人がいて、皆、市場で薬を売っている。その中の1人は優れた質の薬材を専門に仕入れ、購入価格に応じて販売価格を決定する。価格を偽って知らせない。利益を多く取りすぎない。1人は優れた質と悪い質の薬を全部仕入れ、販売価格の高い低いを、ただ購入者の求める度合いを見て決定する。それから、優れた質の品または不良品を購入者に合わせて売る。他の1人は優れた質の品を仕入れず、ただ多く買い求め、販売価格も安く、多く買えばもう少し多く渡し、細かいことを気にしない。こういうわけで、人々はそこで薬を買うために争って行き、その店舗の敷居は毎月一回換える。1年が過ぎ、非常な大金持ちになった。あの、優れた質の品と劣った品、同時に気を配る商人は、そこに出向いて薬を買う人は少し少なめだが、2年過ぎると、またも金持ちになった。あの専門に優れた品を仕入れる商人は、昼の店舗は夜なのと同じようで、朝食べると夜ご飯が足らなくなる。郁離子は見て嘆いた。まさに今の士たる者もまた、このようであるなあ。昔、楚の国の辺遠の3県の3人の官吏、その中の1人は、私欲がなく、行いが正しいのだが、上司の抜擢を得られなかった。彼は離任するとき乗る船を借りるお金がなかった。人々は皆、間抜けな奴だとお笑い草にした。その中の1人は都合よく獲得できる利益を取ることを選択した。人々は彼が掠め取ることを咎めないで、逆に彼は賢くて才能があると称賛した。その中の1人は、搾取しない利益はなく、獲得する利益は上級官吏に渡すために使った。彼は下級官吏、士官、兵卒であり、子どものようになった。金持ちには賓客のような対応だった。3年未満で長官法紀の職務に任命され栄転すると、庶民は、またも彼のことを善良だと称賛した。これは奇妙なことではないか!