自分はこれまで、ずっとアウェイで戦って来た。
18年間という長い間。
気を休める場所もなく、
理解してくれる人もなく、
常に上を目指して努力するしかなかった。
能力を身に付けないと、次々に起こる新しい変化に対応できなかった。
そこに安らぎはなかった。
18年間もだ。
何のための努力なのだろうかと苦しんだ。
だから、今、実力値は大きく上がっているはずなのだ。
何も残らなかったのではない。
この為の18年だったのだ。
英語を身に付けた。
ロシア語も分かる。
ヨーロッパでの滞在経験。
仕事の経験。世界中の経験。
海外での夜の街の安全な楽しみ方も知っているし、異文化の外国人との信頼関係の作り方も心得ている。
交渉のしかた、安全の保ち方、お酒の嗜み方、料理の美味しいお店の見つけ方、ヨーロッパ女性のエスコートのしかた。
誰よりも世界情勢に明るく、自分の考えもしっかり持っている。
そして今の自分があるではないか。
それが明らかな事実だ。
昔の自分は何もできなかった。
能力や経験がなかったからだ。
それが18年を経て、能力と経験が身に付いた自分がいる。
それは、あの時どうしようもなく欲しかったものだったはずだ。
あの時では絶対無理だった自分が今ここにいる。
あの頃、
23歳だったあの頃、
自分の未来への可能性と白いキャンパスだけを胸に、自分は大きな自信と生きる希望を持つことができた。
そして今、あの時心から欲したものが自分の中にあるというのに、人生に悲観的な自分がいる。
今、ここにあるのだ。
手に入れたのだ。
さあ、何をやるかは自分次第ではないか。
前へ踏み出すのだ。
18年越しに手に入れたものを信じて。