えびみそのタイ冒険

2020年末にタイに移住し、自分と向き合う毎日を送る45歳の青年"えびみそ"の物語。

#26 人は夢を糧に生きる

2021-11-19 08:04:00 | 日記
今朝、通勤の車の中から、路上に腰を下ろし、必死でロッテリ(宝くじ)の当選を確認する路上生活者を見かけた。

タイでは、このロッテリが非常に人気で、多くの人が買っている。
一口100バーツ(350円)。
決して現地の人には安くない値段だ。
しかも、1番確率が高い下二桁を当てるのでさえ、たった1パターンしかない。確率はわずか100分の1。

僕も何度か友人の勧めで買ったことがある。
しかし、
当然当たったことは一度もない。
会社の社員たちもよく買っているが、当たったのをほとんど聞いたことがない。
でも、みんな買う。

今朝の路上生活者を見て、ロッテリの馬鹿馬鹿しさを思うより、別のことを思った。

汚れたTシャツと短パン。
髪もボサボサ。
日々の食べ物にも困っているだろう。
しかし、

人は、パンで生きるにあらず。

人は、夢を糧に生きるのだ。

路上の人混みの中、しゃがみ込んで必死で自分の2枚のくじと、当選発表の紙を見比べる真剣な目。

彼のゆうに5食分のお金だ。

人は、夢を見て生きる。

僕が今日思ったこと。
ロッテリに多くのお金を消費する国民。
ロッテリがこの国にあって、人々は救われているのかもしれない。

#25 今日もタイでの生活が続く

2021-11-18 09:16:00 | タイ
今日もタイでの生活が続く。

昨日から、恋人がうちに泊まりに来ている。
LINEでは毎日話しているが、また随分間が空いた。
でも、お互い大人であり、自由を愛し、束縛を嫌う性格なので、関係は崩れない。

久しぶりに会うと、
やはり可愛いなと思う。
そう思われていることは、きっと彼女は知らない。
7つも年下だが、彼女だってもうアラフォーなのだ。

忙しい僕のそばに、そっと寄り添う。
仕事から戻り、フィットネスで汗を流す。
彼女は隣りのプール沿いで寝そべり、新しく買ったiPhoneをいじっている。
僕はランニングマシンで、音楽を聴きながらひたすら走る。

先週の南部出張中に食べすぎたので、帰宅した日曜日から夕食は抜いている。
体内に残された脂肪を使って筋肉を動かしている音が聴こえる。
彼女はそのストイックさに苦笑するが、レモン水を美味しそうに飲む僕を尻目に、肉団子をすする。
遠慮はない。

年末の休暇には、3泊4日でプーケットに2人で旅行する予定だ。
僕はプーケットは初めてであり、
また、彼女と2人で旅行をするのも初めてだ。

僕は彼女の12歳の一人娘を心配する。
「ピンク(娘の名前)は大丈夫かな?」
「彼女はどこにも行かないよ」
彼女はこともなげに言う。
ピンクは外に出るのが嫌いなのだ。
いつものように、祖母の家で、祖母や、叔母や、それ以外の多くの家族と、新しくて大きな一戸建ての家でオンラインゲームをして過ごすのだ。

僕はその家にはまだ行ったことがない。
写真で家の中を見させてもらっただけだ。

大きくて、綺麗なリビングから、裕福で幸せな生活の匂いがした。
ピンク専用の可愛らしい勉強部屋もある。

その家は、最年長の祖母から、叔母、その他みんな女性だと言う。
写真で見てもそうだ。
彼女も時々泊まりに行く。

そこは、彼女の家ではない。
彼女の元夫の実家なのだ。
複雑そうに見えるが、実はそうでもない。
僕が思うほど。
ただ、女性たちが助け合って生きているのだ。

そこにいる時には、彼女はそこからビデオコールで電話してくる。
娘と一緒にリラックスした顔。

今日も僕のタイでの生活は続く。

そうやって、ここで生きているのだ。


#24 あの時の勇気

2021-11-17 19:26:00 | 日記
僕は、時々とても自信がなくなってしまう。

たくさんの人を傷つけ、
たくさんの人の好意を裏切り、
たくさんの人の期待を裏切った。

自分は何をして来たのだろうと、無力感に苛まれる。

しかし、もう少しあの時の自分の勇気を評価してあげても良いのではないだろうか。
一人で暗い街を歩いている時、ふとそう思うこともある。

今から22年前。
よく決心したのだ。

普通の人生を捨てて、
あえて茨の道を選んだ。
小さな世界に満足せず、
より大きな世界に飛び立つことを決めたのだ。

その先にどんな苦労と悲しみが待っているかをもし知っていたなら、
僕はきっと歩み出せなかっただろう。

そう思えるのは、
確かにその道が大変な道だったからではないだろうか。

進めば進むほど、
その世界の果てしなさと、途方もない大きさを知った。

苦労を乗り越えた後も、苦労が何重にも続いた。

悲しかった。
悔しかった。
誰にも理解されず、
誰にも伝わらないだろうということが分かっていた。
それ程辛い。

乗り越えても、
乗り越えても。

孤独だった。
寂しかった。
一緒にいるのに一人だと感じる孤独。

22年経って、
自分をもう少し褒めてあげても良いのではないだろうか。

死にたいと、独り言で愚痴った。
でも、絶対に負けたくなかった。
絶対に死にたくなかった。

僕は頑張った。
誰にも乗り越えられないくらい辛いことを乗り越えた。

誰にも言えない。
誰にも分かってはもらえない。
でも、
自分だけは分かっているはずだ。

僕は、勝ってここまで来たのだ

今でも自己嫌悪と、激しい失望を感じることがある。
でも、
自分を誇りたい。
逃げてこなかったのだから。

そして、
それはどこかで自分が分かっている。

僕は、僕を結局は嫌いになれない。
だって、
逃げてこなかったのだから。

どんなことがあっても、
必ず笑って来たのだから。

#23 世界

2021-11-14 10:08:00 | 日記
世界がどうなっていくかは、
あまり関係がない。

世界は、どうにかなっていくだろう。

変化するだろう。
違ったものになっていくだろう。

過去の繰り返しもあるだろう。
全く新しいものもあるだろう。

しかし、
世界がどうなっていくかは、あまり関係がないのだ。

それよりは、

自分は誰と出会っていくだろう。
自分はどこに行くことになるだろう。
これから、どこに繋がっていくだろう。

どんなふうに感じて、
どうな行動を取るだろう。

どんな人が好きになるだろう。

ちょっと煩わしいと思うだろうか。
愛おしいと思うだろうか。

一緒にいて、なんとなく幸せを感じられるだろうか。

幸せは、些細なところにある。



#22 無理をしない

2021-11-14 09:54:00 | 日記
そういう時は、無理をしない。

今は明らかに状況が違っていて、
どう考えても努力に見合った結果が生まれそうにない。
そういう時がある。

若い時は、
それでも、もがいていた。

それも、自分の貴重な人生経験になるだろう、と。

確かに、そうだったかもしれない。

しかし、
その為に貴重なエネルギーを失ってしまったような時もあった。

今は、
僕は無理をしない。

人生には、
そういう時期もあるのだ。

そういう時には、
じっとしていれば良い。

周りは僕を悪く言うだろう。
全く期待外れだった、と。
何をやっているのか、と。

気付かないふりをすれば良い。

今は、
動けないのだ。

そういう時もある。

コロナが蔓延して、
自宅に篭るしかない。
家でじっと本を読んでいるしかない。
街をただ、じっと黙々と歩いているしかない。

自分のやるべき本分を放棄して、
今はただ、
山の中で冬眠する熊のように、
ただただじっとしているしかない、
そういう時があるのだ。

そして、
その長い長い、
いつか本当に終わるのか想像さえできない長い冬が、
終わる時が来る。

その時にもまた、
同じようにじっと自然の音に耳を澄ませて、
ただ自分らしく、
自分を信じて、
心のままに動いていくしかないのだ。

結果は、関係ないのだ。

何かが、動き出す時があるのだ。

そう、
何かがそっと動き出す時が来るのだ。