Earth Spiral

Survival&Creative life. 
大地と魂の声を聴き、自分の道を歩め

インテグラル理論実践 統合編 その1(基礎編の復習)

2015-06-28 | ホリスティック医学・インテグラル理論
インテグラル理論実践 統合編

日本ホリスティック医学協会 ホリスティックライフスタイルネットワーク主催
インテグラル理論実践 統合編
講師:安珠(Earth Spiral主宰)、鈴木規夫(インテグラルジャパン代表)


【鈴木氏・レクチャー】
基礎編の復習から
*(  )は私の解釈や感想など。

●クロストレーニング

自己成長の実践にはクロストレーニングが必要。
それはbody,mind/heart,soul/spirit,shadwの4つの領域の実践を網羅すること。

(これは、フェルデンクライスメソッドでも言われているし、学習理論の中では知られていると思うのですが、ピアノが上手になりたいと思ったら、そればかりやるのではなく、他のことをやった方が上達する、ということ。野球選手がゴルフやったり他のスポーツやるのように)

とりあえず3か月は実践してみる。効果がないからと言ってすぐにあきらめない。また、関係性の中で実践する(師匠や仲間など)。孤独に実践していると自分の盲点が強化される可能性があることを認識する必要がある。

●師匠について
どのように良い師匠を見つけ、どのように師匠から離れていくのかも大事なポイント。師弟関係とはライバル関係になるようなことも多い。

参考書籍『グルと弟子の心理学~魂の道を求めて~』、『教えること、裏切られること』

(師匠とは、明示的にじゃなくても、ある時期に影響を受けたり信奉する人物なども師匠ととらえるようです。弟子とは常に師匠を越えようとするもんなのだろうな。弟子と師匠の関係は闘いでもある、というようなことも言っていたと思います)

●成長
成長とは二人でできたことが1人でできるようになること(ヴィゴツキー)。

急いで成長しようとしない。高い発達段階が良い、というわけではない。広く深く世界を見ることが出来たら幸福なのか?そうともいえない。どの発達段階で生きるかはその人の自由。

(ある一定時間を経れば~一定時間というのは何度も転生するというような時間のスパンかもしれない~望もうが望むまいが発達、進化せざるを得ないという事だと思う。そして物事が見えることが”現世的な”幸せを得られるかというと、イコールではないという意味だと思う)

●対極性の管理
インテグラルプラクティスの条件として大事なことは、対極性を意識すること。同じことをずっとやり続けない。例えば、1人での実践⇔関係性の中での実践、筋トレ⇔瞑想、とか。たくさんあります。中庸とは、真ん中ではなく、自分の中で対極性をどうマネージメントするか。

●自分はどういう世界・時代に生きているか?
世界はsimple,complicated,complex,chaoticの4つの段階がある。現代は、離れたところで起きる関係なさそうな現象が、自分の生活に影響するというcomplexな状況にある。そこではパノラマ的に見る意識の発達レベルが要求される。


(それをウィルバーは「合理性段階」の次の「ヴィジョンロジック段階」と呼んでいる。世界のさまざまな問題に対処するべく、人類は今、この段階への成長が求められている。地球の状態は人類の意識発達のペースを待てるのかなぁ。どうなんでしょ。)

(60年代の人間潜在能力を開発するムーヴメントは、個人の自己成長に力点が置かれていたが、個人の実践だけでは、世界はよくならないというのを、ここ数十年が証明している。自己成長とは超越的な人間になることではなく、エゴをいかに少なくしていくかということ)

(今や自己啓発や「こうしたらビジネスうまくいく!」みたいなのにスピリチュアリティが消費されている感がありますが、いくら自己啓発、自己成長を願い実践しても、核爆弾一つ落ちたら、そんなものは吹っ飛んでしまう。どういう世界に自分は生きているかを認識する必要がある)

●社会にどう参画するか?
では、社会への参画は何を頭に入れて実践したらよいのでしょうか?組織、共同体に関わる役割として、特定の範囲の変化を促すChange wizardsと広範な変化のための介入法を構想・実践するSpiral wizardsがある。後者は医者で言うジェネラルプラクティショナー。

(会社組織は比較的、似たような価値観を持つ人が集っているが、それに比べて地域コミュニティは、様々な価値観を持つ人の集い。会社は嫌なら辞められるが、地域コミュニティは、嫌だからと言ってすぐに逃げるわけにはいかない。そこで多様な価値観を受容する態度が必要になってくる)

変化、変革、成長を礼賛する価値観に注意。成長=善、退行=悪とは言えない(ちょっと、説明が難しいですね)。

(言っている内容ではなく、そう言っている「意識構造」がどうか?が大事だと思います。例えば、スピリチュアルなことを知っていたり話したりすることが、意識が高次段階に発達していることを示すかというとそうではない。それを絶対としていたり、独りよがりな在り方では、意識構造が発達しているとは言えない)

(多様な立場で考ることが出来ているか、どれだけの視点を自分の中に持っているか、というと、ちょっとわかりやすいかもしれない。自分の中にはいくつの目ん玉があるか、ということ。例えば、自分の宗教の教義が絶対だと思っているのは、言ってることとやってることが違う…とかね)

●実践の倫理
Basic Moral Intuition"We ought to protect and promote the greatest depth for the greatest span".(by Ken Wilber)

実践の基本的な倫理としてケン・ウィルバーが言っていること。
「最大限の深度を最も広く維持・促進しようとすること」。
一部の人の先走りは良くない。

【質疑応答】

安珠から鈴木氏への質問

「地球環境や社会問題に目を向けて取り組むと、どうにもならない感じに燃え尽きそうになったりする人は多く、自分の中にも近い経験はあるが、社会への取り組みと、個人の実践の関係はどのように持っていったらよいか」

鈴木氏の回答

「グループが健全かどうかを見極めるポイントとして、「世界を救おうとしているかどうか?」をチェックすると良い。我こそは世界を救おうというのは自己肥大であり、ナルシシズムであることの方が多い。救済や使命感は、自分の個人的なシャドーにつながっていることも往々にしてあることも肝に銘じる必要あり。では、その動機がなんであるかの答えを僕は持ち合わせていないけれど、個人レベルでの実践(ボディ、マインド、スピリット、シャドーの領域での実践)は、そのモチベーションを見出すことだと思います」

(震災後特にですが、人々の社会への関わり方を見た時に「社会のことに取り組んで自分は頑張っている感を持っているのかもしれないけれど、自分のことにも取り組めよ、特に自分のシャドーに」って思うことがたびたびあったので、なんだか納得しました。自分の影を社会や、社会的弱者と言われるところに投げていないか、それは常々チェックする必要があるところです。そして、世界を救済しようとか、平和を声高に叫ぶことが殺戮につながるというようなことも、ウィルバーは語っていた記憶があります。オウムだって、イスラム国だってそうだよな。自分の中にそういう種はないかを注意深く見る必要があるのだなと思った)

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補足

今回のインテグラル理論の講座は、『インテグラルライフプラクティス』をテキストとして、
インテグラル理論の机上での理解ではなく、実践について知り、体験するシリーズでした。
昨年2014年初頭に入門編を実施し、その後、秋より基礎編の4回連続講座を開催しました。
そして実践編として今年4回にわたり行ってきました。

●個人領域での実践/4つ領域
実践の肝としては、ボディ、マインド、スピリット、シャドーの4つの領域に関して、
バランスよく実践をプログラムしていく、というものです。
ウィルバーの理論は、実践や体験なくしては、理解しがたい部分もあるので、
頭だけで理解しようとするよりは、自分の実践のバランスをチェックしていくのが、
ホリスティックに理解していく方法ではないかと思います。

インテグラル理論実践 統合編 その2に続く。



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