「支那の夜」のヒットを受けて、2年後の1940年に映画「蘇州夜曲」が製作されました。
「欄」は、映画では「欄干」(らんかん)となっていて、「手すり」とも云い、分かりやすいですね。でも、時代背景から、私たちがイメージする「欄干」とは、随分違うようです。それにしても、歌詞では「らんかん」ではなく「おばしま」としたのはどんな理由が有るのでしょうか。
「おばしま」とは、辞典では「涙などの盛んに流れるさま」となっています。「欄干の雨」と、掛けて有るように思えます。
また、「ジャンク」とは、中国の船舶様式の一つで、映画では小型の木造船ですが、貿易にも使われた大型の木造帆船も有ります。
映画は、上海を舞台とした戦時中、船員(長谷川一夫)が中国娘(李香蘭)と出会い、恋いが芽生えると云うストーリーです。軍需物資の運搬中に、抗日組織の襲撃を受け、死んだと思った相手と、橋の上で出会うシーンでは、雨は降っていません。また、映画では、別れたりせず幸せに終わっています。
歌謡曲「蘇州夜曲」は、劇中歌として、李香蘭が歌っています。嬉しい事に、150曲余り有ると云われる、東京大衆歌謡楽団のレパートリーにも入っています。
(編集~続く)