「支那の夜」のヒットを受けて、2年後の1940年に映画「蘇州夜曲」が製作されました。
「欄」は、映画では「欄干」(らんかん)となっていて、「手すり」とも云い、分かりやすいですね。でも、時代背景から、私たちがイメージする「欄干」とは、随分違うようです。それにしても、歌詞では「らんかん」ではなく「おばしま」としたのはどんな理由が有るのでしょうか。
「おばしま」とは、辞典では「涙などの盛んに流れるさま」となっています。「欄干の雨」と、掛けて有るように思えます。
また、「ジャンク」とは、中国の船舶様式の一つで、映画では小型の木造船ですが、貿易にも使われた大型の木造帆船も有ります。
映画は、上海を舞台とした戦時中、船員(長谷川一夫)が中国娘(李香蘭)と出会い、恋いが芽生えると云うストーリーです。軍需物資の運搬中に、抗日組織の襲撃を受け、死んだと思った相手と、橋の上で出会うシーンでは、雨は降っていません。また、映画では、別れたりせず幸せに終わっています。
歌謡曲「蘇州夜曲」は、劇中歌として、李香蘭が歌っています。嬉しい事に、150曲余り有ると云われる、東京大衆歌謡楽団のレパートリーにも入っています。
(編集~続く)
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先の、5月の野崎観音の「野崎詣」は、大阪府大東市の滋眼寺で行われる「無縁経法要」にお参りすることです。慈眼寺は、所在地と本尊の十一面観音に因み「野崎観音さん」として広く信仰を集めています。「無縁経法要」とは、有縁、無縁、全てのものに感謝の読経をあげる江戸時代から続く仏教行事です。
東京の浅草神社で行われる「奉納演奏」でも感じるのは、楽団の演奏は、この「無縁経法要」に通じるものが有るのではないかという事です。有縁、無縁でも誰でも演奏に身を浸すことができます。きっと、演奏に癒やされ、元気を貰う人々が多い筈です。私たち夫婦もその仲間です。
〔後日談〕 7月14日、お盆のお経(真言宗)を上げて頂いた時、お経の中に「有縁・無縁・一切精霊に回向す」との経文が入っていたので感慨深いものを感じました。
7月4日「浅草神社 夏詣 奉納演奏曲目」
〔1回目〕♪♪ 午前中、風雨が強く、会場整備の都合などで、開演が30分ほど遅くなりました。
1.青い背広で ♪青い背広で 心も軽く 街へあの娘と 行こうじゃないか♪
2.或る雨の午后 ♪雨が降ってた しとしとと 或る日の午后の ことだった♪
3.並木の雨 ♪並木の路に 雨が降る どこの人やら 傘さして♪
4.目ン無い千鳥 ♪目ン無い千鳥の高島田 見えぬ鏡に いたわしや♪
5.憧れのハワイ航路 ♪晴れた空 そよぐ風 港出船の ドラのね楽し ♪♪
〔2回目〕 ♪♪
1.旅の夜風 ♪♪花も嵐も踏み越えて 行くが男の 生きる道♪♪
2.旅姿三人男 ♪清水港の名物は お茶の香りと 男伊達 見たか聞いたか♪
3.波止場気質 ♪別れ惜しむな 銅鑼の音に 沖は希望の 朝ぼらけ♪
4.長崎エレジー ♪波が歌うよ長崎の 港めぐれば石畳 愛の灯ともす♪
5.二人は若い ♪「あなた」と呼べば 「あなた」と答える 山のこだまの♪
6.東京ラプソディー ♪花咲花散る宵も 銀座の柳の下で 待つは君ひとり♪
7.東京の空青い空 ♪鳩が飛び立つ 可愛い 可愛い鳩が 東京の空 青い空♪
8.東京の花売り娘 ♪青い芽をふく 柳の辻に 花を召しませ 召しませ花を♪
9.夜来香(イエライシャン)♪あわれ春風に 嘆くうぐいすよ 月に切なくも 匂う夜来香♪
10.花ことばの歌 ♪可愛い蕾みよ きれいな夢よ 乙女心に よく似た花よ♪
11.憧れの住む街 ♪丘を越え 山を越え 憧れのすむ町に 夢を抱いてゆくよ♪
(アンコール)
13.東京の椿姫 ♪窓うつ風の ためいきか 更けてネオンの 点る街 その名は♪
〔3回目〕 ♪♪
1.涙の渡り鳥 ♪雨の日も風の日も 泣いて暮らす わたしゃ浮世の 渡り鳥♪
2.涙の三人旅 ♪他国の港は 薄月夜 波の遠音に 啼く千鳥 おまえもわたしも♪
3.流れの旅路 ♪紅いマフラーを いつまで振って 名残り惜しむか あの娘馬車は♪
4.上海帰りのリル ♪船を見つめていた ハマのキャバレーにいた 風の噂は リル♪
5.帰り船 ♪波の背の背に ゆられてゆれて 月の潮路 かえり船 霞む故国よ♪
6.椰子の実 ♪名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ 故郷の岸を♪
7.長崎物語 ♪赤い花なら 曼珠沙華 阿蘭陀屋敷に雨が降る 濡れて泣いてる♪
8.桑港のチャイナタウン ♪桑港のチャイナタウン 夜霧に濡れて 夢紅く誰を待つ♪
9.私の青空 ♪夕暮れに 仰ぎ見る 輝く青空 日が暮れて たどるは♪
10.東京ラプソディー ♪花咲き花散る宵も 銀座の柳の下で 待つは君ひとり♪
11.浅草の歌 ♪つよいばかりが おとこじゃないと いつか教えてくれた人♪
(アンコール)「青い山脈」と「憧れのハワイ航路」を、みんなで斉唱。
12.青春サイクリング ♪みどりの風も さわやかに にぎるハンドル 心も軽く♪
13.青い山脈 ♪若くあかるい歌声に 雪崩は消える 花も咲く 青い山脈 雪割桜♪
14.憧れのハワイ航路 ♪晴れた空 そよぐ風 港出船の ドラの音愉し♪
浅草神社は、日本の新しい習慣として、6月30日~7月7日迄「夏詣」が行われています。場内には「七夕さま」や「故郷」などの童謡や唱歌が流れ、優しい雰囲気に包まれていました。
「露店」や「七夕飾り」や「茅輪くぐり」などもあり、いつもとは違う賑わいを見せています。
今年は初めて楽団が出店しました。各種飲み物の他、楽団オリジナルの手拭いも販売されました。
奉納演奏は、7月2日・4日・5日の3回行われました。4日の演奏日は、雨模様になりました。
一時は、強い風雨で、場内のテントが傾く等の影響で、第1回目の開演が、30分ほど遅れました。
〔1回目〕「青い背広で」他、全5曲。売店の紹介。
〔2回目〕「愛染かつら」他、全12曲。アンコール「東京の椿姫」。
〔3回目〕「涙の渡り鳥」他、全11曲。アンコール「青春サイクリング」他、全3曲」。
※演奏曲目リスト。
演奏終了後は、御朱印を授かったり、いつもの場所で、スマホの演奏を聴いたり、暗くなるまで演奏会の余韻に浸りました。