
今日お送りするのは、四国霊場第44番札所「大宝寺(だいほうじ)」です。
久万高原町菅生の山麓にあり、境内は老樹が林立し、幽寂な空気が漂っています。

西予市の第43番札所の「明石寺(めいせきじ)」からは約67km。
峠道が続き、歩き遍路では3日かかる行程で、八十八ヶ所の順路の中で最難関と言われていました。

四国霊場八十八ヶ所のちょうど半分に当たり、「中札所」といわれています。
本堂の屋根は銅版葺きです。

たびたび大火に見舞われ、現在の本堂は明治時代に建てられたものです。

大師堂は昭和59年に再建されました。


縁起は大和朝廷の時代、百済から来た僧侶が、携えてきた十一面観音像をこの山中に安置。
飛鳥時代になって、明神右京、隼人という兄弟の狩人が十一面観音像を見つけ、草庵を結んでこの尊像を祀ったそうです。
この話を聞いたときの文武天皇(在位697〜707)は、さっそく勅命を出して寺院を建立、元号にちなんで「大宝寺」と号し、創建されました。


久万高原町は標高が400m以上あり、夏でも涼しく四国の軽井沢と呼ばれています。
(Shiba)