見出し画像

英語なんて怖くない ダリちゃんの居酒屋英語教室

Wearing Surgical Masks(風邪をひいていないのにマスク)

 「ねえダリちゃん。最近マスクをしている人が目立つけどどう思う?」


ダリちゃん 「わしはこのことについてとても言いたいことがある。わしはマスクをした人を見ると、馬鹿馬鹿しくて、不合理、滑稽、とっても変と感じる。マスクは大嫌い。普通はね、マスクをした人を見ると、外科医を想像するんだよ。『あなたは外科医ですか? あなたの患者は何処ですか?』ってね。よく、日本のテレビのニュースで街頭の映像が出たりするんだけど、マスクをしている人が多いのを見ると、日本の文化に馴染みのないアメリカ人は、どうして彼らはマスクをしているんだろう? て絶対思う。そして彼らはみんな誤解をするんだ。おそらく日本の空気は無茶苦茶悪いってね。それ以外にもっともな理由が思いつかないんだもの。勝手な想像だけども。アメリカ人にとっては、もっともな理由だね」
I have a very strong opinion about this. If I see somebody with a mask, I feel he is foolish, silly, utterly ridiculous, and very strange. I intensely hate surgical masks. It reminds me of a surgeon. “Hello, are you a surgeon? Where’s your patient?” Americans sometimes see, on television, street scenes in Japan with many people wearing masks. Americans who are not familiar with Japanese culture definitely wonder why they are wearing masks. There became a widespread misconception―Japanese air is so bad. They couldn’t see any other reason. That was the assumption. This seemed to Americans the most plausible reason.


 「風邪をひいているから、マスクをしているんじゃないの?」


ダリちゃん 「何で風邪をひくとマスクをしなきゃいけないのさ? アメリカでは風邪をひいたときにマスクはしないよ。だって効果ないもん。息が凝結して顔が濡れるしね。そんな習慣ないもん。マスクをしないのが普通じゃないの?マスクをして生まれてきたわけじゃないでしょ。アメリカではね、スーパーにも薬屋にも売ってないよ。あのね、アメリカでは第一、誰もマスクはしていないよ。アメリカで住んでいる日本人でさえもしていないよ。もししていたら、とっても危険な病気を持っていると思われる。そんな人は外に出てはダメ。入院隔離しなきゃいけない」
Why do you have to wear a mask because you have a cold? Americans don’t wear a mask when they have a cold. It has no useful benefit. My breath condenses, and my face gets wet. It’s not our custom. It’s not the nature of man to wear a mask. We were born without masks. In the U.S., you can find no masks in supermarkets or drug stores. In the U.S., no one wears a mask. Even Japanese people living in the U.S. don’t wear masks. If they did, it is very likely that they must have a dangerous communicable disease. In such a case, they should not be in public! They should be hospitalized and quarantined.


 「それと、日本でマスクは顔を隠したい人がするかもね」


ダリちゃん 「反対集会で集まって、大通りをプラカードをもって、行進なんかするとき。これは、自分とわからないため。理にかなっているね。強盗なんかもマスクは必須だろうね」
When protesters hold rallies, carrying placards, parading the main streets, wearing masks would be useful to hide their identities. It’s logical. Burglars would also be well advised to wear masks.


 「それはありか……」


ダリちゃん 「それにね、マスクをした人を相手にするときは困ることもしばしばあるね。この前、宅急便の人と道で会ったんだけど『こんちわ』って挨拶するんだよね。向こうはわしを知っていたみたいだけど、わしは男がマスクをしていたので誰かわからなかった。それで、ちょっと考えて『あ、ケンちゃんだ』ってわかったんだ。チョット怒りを覚えたね。マスクを降ろせ」
And we may have a specific problem when communicating with people wearing a mask. The other day, I came across a parcel delivery man, and he greeted me. It seemed that we are familiar with each other. At first, I didn’t know who he was, because he was wearing a mask. Then I recognized that he was Ken-chan. I was furious! Take off the mask!


 「これ、よくある。よくマスクをした人に挨拶されても、誰かわからないことよくあるね」


ダリちゃん 「あ、そうそう先週ね、わしが恵比寿の大学で教えているクラスで学年末試験があってね、40人ほど生徒がいるけど9人ほど試験中マスクをしていた。驚きだね。名前と顔を照合しなければならなかったんだけど、とても態度の悪い生徒がいてね。照合の時マスクを外さないんだ。ムカッとした。信じられないね」
Oh, last week, in my college class in Ebisu, I was proctoring a final exam. Among 40 students, 9 were wearing a mask during the test. So many! And I had to collate face and name of the students during the test. But there was one student with a very bad attitude. She didn’t take a mask off! It was very irritating. It’s unbelievable.


 「いやなやつだね」


ダリちゃん 「昨日ね、赤羽の英会話スクールで教えていた時、一人の生徒が授業中マスクをしていたんだよね。今まで見たことのないやつ。黒色のマスクをしていたんだ。たまげたねえ。『次回は赤色のマスクですかそれとも緑色ですか?』って、いやみを言ってやったよ」
Yesterday was my English conversation class in Akabane and a girl in class was wearing a mask, which I have never seen. Wow! Black mask! Mask’s color is black! It’s unbelievable. Then, I sarcastically spoke to her, “Maybe next time, red mask or green mask?”


 「へー、アメリカ人はマスクが嫌いなんだ」


ダリちゃん 「いいえ、別にアメリカ人がマスクが嫌いというわけではなくて、わしが嫌いなだけ。ただ、日本を知らないアメリカ人がマスクを見たとき、とっても変と思う。そして、ドクターのマスクを想像するね」
No, Americans don’t hate masks. I hate masks. When Americans who are not familiar with Japanese culture see a person with a mask, they feel it very weird. They think it looks like a surgeon’s mask.


キーワード
utterly: まったく
ridiculous: 滑稽な
misconception: 思い違い、誤解
assumption: 仮定、想定
plausible: もっともらしい
communicable disease: 伝染病
quarantine: 隔離、検疫
protester: 抗議者
rally: 集結、決起大会
placard: プラカード、はり紙
burglar: 強盗
parcel: 小荷物
proctor: 試験監督をする
collate: 対照する
sarcastically: 皮肉をこめて
weird: 変な、奇妙な

 
コメント
マスクについては日本でもその効能も含め賛否両論がある。ただ言えることは、アメリカでは公共の場ではマスクをするのは普通ではないようだ。それはともあれ、ウイルス感染者がマスクをするのは、まわりの健常者への飛沫感染を低減させるという効果はあるのではなかろうか? ただ微細なミストとなり、マスクを通過してしまったウイルスには無効であろう。一方、健常者がマスクをすることにより、まわりのウイルスをブロックできると考えるのは、ウイルスが自由にマスクを通過できることを考えると科学的ではないかも知れない。(世界保健機関 [WHO]の見解では、マスク着用は感染予防にならないそうだ。米国疾病対策センター [CDC]は、予防目的のマスクの使用は勧めないそうであり、厚生労働省は、自分を守る手段としては推奨していないとしている) ただ、気道の湿度を保つことにより粘膜等の防御機能を良好な状態に保つという点ではいいかも知れない。しかし重要な契約の交渉をするときや、聴衆に向かってプレゼンをするときなどは、マスクは良くないと思う。とくにアメリカにおいては人としゃべる時には必ず顔をみながら、表情をみながら話者の意図を判断する習慣があるため、マスクをすることによりコミュニケーションが著しく阻害される可能性が高い。顔の表情は、話し方、声の抑揚、トーン、滑(かつ)舌(ぜつ)の良さと同様にコミュニケーションをとる上で非常に大切である。マスクをされると表情がわからなくなる。このことが、ある人たちにとって、マスクをした人とコミュニケーションを取る際、不愉快に思う主な原因であろう。
考えてみてほしい。日本は、ほぼ単一民族国家だ。同じ日本人なら、概ね考えていることがわからないでもない。それに対しアメリカでは同じ白人でも、ドイツ、フランス、イタリア、北欧系等様々で、それに加え、アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系、イスラム系等が加わってくる。これだけベースのカルチャーが異なり、ダイバーシティーがはなはだしいコミュニティーにおいてコミュニケーションを図るには、言葉やその抑揚等に加え、顔の表情はとても重要な要素となる。ちょっとした仕草等から相手の真意をくみ取るのである。こういう状況下において、マスクで顔の半分を覆っていることは、ものすごいハンディーになるということは容易に想像できる。そんな相手とはとても真剣な交渉は不可能である。ただし、そういうクリティカルな交渉の場面以外では、私が思うには、マスクは花粉をブロックするには明らかに効果があるので、花粉症の人には手放せないものかも知れない。

追記
※2020年4月頃からアメリカでも猛威を振るった新型コロナウィルスのせいで、マスクの習慣のなかったアメリカ人もマスクをする人が増えてきたようである。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「アメリカ文化」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事