SSSB 新前橋町壮年ソフトボール

最近は4代目管理人が好き勝手に野球やメジャーのことも書いています。

大谷翔平と500球制限から見た夏の甲子園

2021年09月03日 | スーさんのこじつけコラム
9月になった途端に雨模様で、夏らしさはどこかへ消えてしまいました。
さて、コロナ禍&雨天中止の変則日程で開催された夏の甲子園は史上初の智弁対決で幕を下ろしました。
このブログで高校野球の話題を扱うことは稀なのですが、面白いコラムがあったので筆を執りました。

今年の夏の甲子園から投手の投球数は一週間で500球まで、と奇妙な制限がかかりました。
その影響もあってか、背番号1ではない先発投手が多く見られました。
同様に、先発投手の打順が比較的上位だったように見受けられました。
そんなことが現代ビジネスの堀井憲一郎さんのコラムに書かれていました。

このコラムではもっと具体的に統計数値が示されており、無断拝借すると、
準々決勝までの43試合での先発投手はのべ86人。
その投手の打順は以下のとおり。
1番打者 1人
2番打者 0人
3番打者 8人
4番打者 5人
5番打者 9人
6番打者 9人
7番打者 10人
8番打者 20人
9番打者 24人
8番、9番が51%となっています。
これが22年前の1999年では61%であり、約1割が減少したと言えます。
そして「エースで4番」が主流だった昭和の頃のデータを見てみると、
1968年(昭和43年)の50回記念大会では、「投手が8、9番打者」は31%、「投手で3、4、5番」は43%でした。

このコラムで面白いと思った点の一つが大谷翔平の活躍を絡めていることでした。
大谷は1番、2番での出場がほとんどであり、MLBトップの42本塁打を打つ一方で、
160kmを投げ、8勝しているローテーション投手でもあります。
また、現在21盗塁を記録しています。だって、1人で投げて打って走ってます。

コラムの本文を引用すると
「ピッチャーの盗塁なんかしないほうがいい」というのは、
ピッチャーの仕事はそんなところにはない、ということがもとになっているのだろう。
無理に走って疲れたり、怪我をして、ピッチングに影響があってはいけないということで、
何となく禁止されているようになっている。
とても窮屈な感じがする。
身体性が欠けている。
実際に、盗塁なんかするのは面倒だとおもう選手ならそれはそれでいいが、
何だか走りたいな、とおもってる選手にも規制がかかっている。
(中略)
チームのために、投手の損傷を少なくするために、盗塁なんかするんじゃない、
というのは、どうも「ベースボールの根本精神」と反するようにおもえる。
身体を伸びやかに動かしたいとおもっても、
何パーセントかの危険の可能性をかんがえて、禁止される。
野球の動きが会議室で決められている。
それを、大谷翔平は軽々と超えてくれた。
投手だろうと、盗塁できるときは盗塁する。すばらしい。
とあります。

♪子どもの頃からエースで4番~ とCMにあったように、
最も運動能力の高い選手が投手を担っていたのが、いつからか専属になってましたね。
大谷翔平だったり、女子ソフト代表の藤田倭だったり、SSSBのスーパーエースだったり、
投手だろうがなんだろうが、ホームランは打つし、塁に出れば全力で走るし、
これこそがボールゲームの醍醐味なんじゃないか、と思い直しました。

もう一つは高校野球は苦しいものではなく、楽しいものだと再認識できるのではないでしょうか。
引用すると
甲子園球場から「悲愴さ」を薄くするためにも、「投手の打者性を取り戻すこと」はとても大事だとおもう。
いまのままだと、夏の甲子園の球児たちはまるで「暑さの神に捧げる生け贄」のようである。
白い服で坊主頭が主流であるところもまた生け贄のようで、永年続く祝祭空間だとしても、
やはり21世紀にはあまり似合う風景ではない。
とあります。

松坂大輔のような圧倒的な大エースがドラマをつくることもありますが、
俊足巧打の野手がマウンドに登ることも、また別のドラマとなっていくのではないでしょうか。

ユキちゃんがたくさんの選手に投手体験を勧めているのも、そういう面もあるのかもしれません。
コロナが治まって、リーグが再開したら、
1番 投手 そば平さん
3番 中堅 ユキちゃん
のスタメンが増えるかもしれませんね。