・鉛Lead なまり
元素記号Pb、原子番号82、原子量207.2、比重11.34、融点327.3℃、沸点1,620℃の銀ぱくの金属元素だが化学的にはスズとともに非金属性がある。
鉛は、加工のしやすさ、コスト面から鉛蓄電池の電極、美術工芸品、防音・制振シート、銃弾、電子材料(チタン酸鉛)など金属の中では比較的比重が大きいので放射線遮蔽材(ほうしゃせんしゃへいざい)として用いられ需要が多い。
人体の鉛は90~400mg程度で90%は骨に存在する。血中鉛の正常値は2μg~40μg/dLとしている。一日平均で食物・大気中より合計330μgの鉛を摂取しているといわれる。
摂取量があるレベルを超えると蓄積し中毒症状が見られ人では1mg/日で有毒、10g~50g/日で致死量としている。紀元前より鉛の精錬、加工の従事者に口渇、腹痛、貧血、ヘモグロビン尿、食欲不振、神経症状などを呈し死亡例もある。鉛は自然な状態の食物にも僅かながら含まれ常時摂取され一定量0.03mg/L程度ならば尿中などで排泄している。
急性中毒は、まれで、慢性中毒としての出現が多い。2010年1月の専門誌『分析化学』の電子版で魔よけの意味があるとしていた古代エジプトのアイメイクは、鉛と鉛塩を混ぜ合わせた顔料で極めて少量の鉛であれば一酸化窒素分子が生成され、目が細菌に侵されるのを防ぐ効果があるとの報告がある。
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