というわけで、前回の記事「テルペンとわ( ・ω・)」の続きです。
今回はイソプレンの生合成(動植物内での合成)について。
実はイソプレンの生合成には“メバロン酸経路”と“非メバロン酸経路”の2つの経路があります。
…が、今回はメジャー(?)なメバロン酸経路の方でいきます∠(`・ω・)/
メバロン酸経路でイソプレンを生合成するときの出発物質は“アセチルCoA”というもの。
CoAというのは「補酵素(コエンザイム)A」の略です。CoAと略したのは、この補酵素Aの構造を描くのがめんどくs(ry
では、こいつはどうやって作られるのか?
それを超大雑把にまとめるとこうだっ!
ここら辺、教科書とか見るとごちゃごちゃ書いてあって見難いので、いろいろはしょりまくったよ!
まず、食べ物から得られる糖(グルコース)は体内で解糖系と呼ばれる経路でなんやかんやいぢられてピルビン酸という化合物に変換されます。
その後、酸素をスーハースーハーする生物(好気的生物)では、このピルビン酸と補酵素Aが反応し、脱炭酸されることでアセチルCoAとなるのです。
そしてようやく、メインのメバロン酸経路!
見やすくるために、諸々の酵素(生体内の触媒)ははしょってます( ・ω・)
大抵は矢印の上に酵素の存在があると思ってくだしあ。
まず、アセチルCoAはチオエステルなので、2分子間でアルドール型の反応が起こり、アセトアセチルCoAができます。
その後、もう1分子のアセチルCoAがケトン部位に反応し、片一方のチオエステル部位が選択的に加水分解されることで、炭素数6の3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoAができます。
そして、残ったチオエステル部位が還元されることで、この経路の名前の由来である「メバロン酸」が合成されます。
メバロン酸も炭素数が6だけど、作りたいイソプレンは炭素数が5
なので、炭素を1個減らさなければなりません。
その炭素を減らす方法が、さっきも少し出てきた脱炭酸。
ここで有機化学だと脱炭酸を行うにはガンガン熱かけて~とか、激しい条件をイメージしがちになります。
けど、生体内では温度(=体温)は決まっているから、温和な条件でも進行するような反応経路にしないといけませぬ。
そのためにこの経路で行っているのが、ヒドロキシ基のリン酸化です。
要は、メバロン酸のカルボン酸部位のβ炭素上のヒドロキシ基を脱離基に変えてやろうっていう方法です。
ラボでの有機合成ではハロゲン、トリフラート、トシラートなどなど、数多くの脱離基を選ぶことができるけど、生体内ではそれも限られてしまいます。
その生体の限られた中で、めっちゃ脱離しやすいものは…というとリン酸なのでした。
というわけで、メバロン酸のアルコール部位がリン酸化されます。
このリン酸の出所は、名前ぐらいなら聞いたことがあるかもしれないATP(アデノシン三リン酸)です。
このATPと酵素が作用することでヒドロキシ基はリン酸化されます。
この場合だと、まず一級アルコール部位が2回リン酸化され、ピロリン酸エステルになるますかね。
そして残った三級アルコールがリン酸化されると、図のように脱炭酸が進行して炭素数5の「イソペンテニル二リン酸」ができあがります。
ここまで来れば、あとはアリル位の水素が酵素とかで引き抜かれ、結合が倒れ、ピロリン酸が脱離するとイソプレンが出来上がるわけです。
ちなみにイソペンテニル二リン酸は二置換オレフィンなのでより安定な三置換オレフィンに異性化してジメチルアリル二リン酸(ピロリン酸ジメチルアリル)にもなります。
実際、炭素数が10以上のテルペノイド化合物は、このイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸が反応することで作られます。
どうでしょう、メバロン酸経路。
ラボで人間が考えて作った経路だとするなら普通な感じではあるけど、動物の生体内で自然に出来上がった合成経路と考えると。これはもう神秘ですね。
ATPでのOH基のリン酸化にしても、脱炭酸を促すためなら三級部位だけでいいのに、一級部位も同じ時にまとめてやってしまうのは別々にやるよりも効率がいいでしょうし、よくまぁこんなのが自然に出来上がったもんだとw
非メバロン酸経路に関しては…イツカソノウチ(ぇ
今回はイソプレンの生合成(動植物内での合成)について。
実はイソプレンの生合成には“メバロン酸経路”と“非メバロン酸経路”の2つの経路があります。
…が、今回はメジャー(?)なメバロン酸経路の方でいきます∠(`・ω・)/
メバロン酸経路でイソプレンを生合成するときの出発物質は“アセチルCoA”というもの。
CoAというのは「補酵素(コエンザイム)A」の略です。CoAと略したのは、この補酵素Aの構造を描くのがめんどくs(ry
では、こいつはどうやって作られるのか?
それを超大雑把にまとめるとこうだっ!
ここら辺、教科書とか見るとごちゃごちゃ書いてあって見難いので、いろいろはしょりまくったよ!
まず、食べ物から得られる糖(グルコース)は体内で解糖系と呼ばれる経路でなんやかんやいぢられてピルビン酸という化合物に変換されます。
その後、酸素をスーハースーハーする生物(好気的生物)では、このピルビン酸と補酵素Aが反応し、脱炭酸されることでアセチルCoAとなるのです。
そしてようやく、メインのメバロン酸経路!
見やすくるために、諸々の酵素(生体内の触媒)ははしょってます( ・ω・)
大抵は矢印の上に酵素の存在があると思ってくだしあ。
まず、アセチルCoAはチオエステルなので、2分子間でアルドール型の反応が起こり、アセトアセチルCoAができます。
その後、もう1分子のアセチルCoAがケトン部位に反応し、片一方のチオエステル部位が選択的に加水分解されることで、炭素数6の3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoAができます。
そして、残ったチオエステル部位が還元されることで、この経路の名前の由来である「メバロン酸」が合成されます。
メバロン酸も炭素数が6だけど、作りたいイソプレンは炭素数が5
なので、炭素を1個減らさなければなりません。
その炭素を減らす方法が、さっきも少し出てきた脱炭酸。
ここで有機化学だと脱炭酸を行うにはガンガン熱かけて~とか、激しい条件をイメージしがちになります。
けど、生体内では温度(=体温)は決まっているから、温和な条件でも進行するような反応経路にしないといけませぬ。
そのためにこの経路で行っているのが、ヒドロキシ基のリン酸化です。
要は、メバロン酸のカルボン酸部位のβ炭素上のヒドロキシ基を脱離基に変えてやろうっていう方法です。
ラボでの有機合成ではハロゲン、トリフラート、トシラートなどなど、数多くの脱離基を選ぶことができるけど、生体内ではそれも限られてしまいます。
その生体の限られた中で、めっちゃ脱離しやすいものは…というとリン酸なのでした。
というわけで、メバロン酸のアルコール部位がリン酸化されます。
このリン酸の出所は、名前ぐらいなら聞いたことがあるかもしれないATP(アデノシン三リン酸)です。
このATPと酵素が作用することでヒドロキシ基はリン酸化されます。
この場合だと、まず一級アルコール部位が2回リン酸化され、ピロリン酸エステルになるますかね。
そして残った三級アルコールがリン酸化されると、図のように脱炭酸が進行して炭素数5の「イソペンテニル二リン酸」ができあがります。
ここまで来れば、あとはアリル位の水素が酵素とかで引き抜かれ、結合が倒れ、ピロリン酸が脱離するとイソプレンが出来上がるわけです。
ちなみにイソペンテニル二リン酸は二置換オレフィンなのでより安定な三置換オレフィンに異性化してジメチルアリル二リン酸(ピロリン酸ジメチルアリル)にもなります。
実際、炭素数が10以上のテルペノイド化合物は、このイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸が反応することで作られます。
どうでしょう、メバロン酸経路。
ラボで人間が考えて作った経路だとするなら普通な感じではあるけど、動物の生体内で自然に出来上がった合成経路と考えると。これはもう神秘ですね。
ATPでのOH基のリン酸化にしても、脱炭酸を促すためなら三級部位だけでいいのに、一級部位も同じ時にまとめてやってしまうのは別々にやるよりも効率がいいでしょうし、よくまぁこんなのが自然に出来上がったもんだとw
非メバロン酸経路に関しては…イツカソノウチ(ぇ
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