どうも、マクロス30はなかなかの良作だと思ってるボクです。
突然ですが、ボクやっていた不斉臭素化の論文にとうとうページ番号がついたようです。
というわけで、改めてこんな感じでさらしてみましょう。
J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 3964-3970.
すごく、論文ぽい…!
というわけで、4回目となる今回は絶対立体配置の想い出話などをしてみようかと。
本編にはないけど、サポーティングインフォに不斉臭素化で得た生成物の絶対立体配置の決定について載っています。
X線結晶構造解析で絶対立体配置を決定するわけで、じゃあ生成物を結晶化させないといけない。
最初は「生成物にブロモついてるし、対称性が崩れてるとはいえなんとかなるだろ」と軽い気持ちで挑戦しいますた。
オルト位にメトキシ基とメトキシメチル基を持つスタンダードな基質から高エナンチオ選択的な臭素化体を合成し、いざ! とやったところ…
あ、あれ…? 結晶にならない…(´・ω・)?
およそ一般的に再結晶で使われそうな溶媒は一通り試したけど、ピュアだった化合物がどんどんヨゴれていくだけでした。比例してボクもソウルジェムもヨゴれてきt(ry
ならば誘導化だ!
ということで、2ヵ所のフリーなヒドロキシ基を官能基変換することに。
こういう誘導化によってX線の取れる結晶を作ろうとするときに、神代(?)から使われている方法と言えば……そう、p-ブロモベンゾイル化です。
だからもう生成物にブロモついてるし、普通のベンゾイル化でいいじゃん、と思いつつも、ここは古来からのしきたりに従わねば…
というわけではないけど、単純にやってみたかったからという理由でp-ブロモベンゾイル化に挑戦したのです。
その結果、結晶化できず。
贅沢にも3つもブロモが付いてるくせに! ナマイキな!
じゃあ大人しく普通のベンゾイルも試してみるか…と思ったけど、なんとここで原料切れ。
すたんだーどの せいせいぶつは なくなってしまった!
1から作ると時間かかるしメンドクサイ…
何かいいものはないか、とあれこれ漁ったところ、オルト位にメチル基とメトキシメチル基を持つ基質をたんまりと発見。
ただこいつ、固体じゃなくてオイルだったのです。
なので臭素化してからの結晶化はおろか、生成物の臭素化体自体が固体になるとは思っていなかったわけだけで。
まぁでもせっかくだし、とりあえずお試し実験で普通のベンゾイル化をしたわけです。
その結果、なんか結晶出てきた!
見た目はさほど綺麗な感じではなかったけど、ボスにX線の依頼をしたところ…
何故かX線取れず…
そんなこんなで報告会の日がやってきて、大ボスに上記の報告をしたところ、
「フェニルイソシアネートとかでウレタンにすればいいじゃない」
とのお答えが。
だがここで反骨精神が炸裂した!
報告会後、実際にやったのはナフトイル化であった。
何で言う通りにイソシアネートを使わなかったって?
いろいろあるんすよ…(ぇ
で、ナフトイル化した結果、見事結晶化。
そしてX線も取れた!
絶対立体配置決定!
と相成ったのでした。
どうやらナフトイル化したことで、ナフチル部分が他の分子と上手くπスタッキンしたらしい。
そしてこの時の再結晶条件がメタノール/エタノール/ベンゼンという、よくわからない3種類の混合溶媒という…
いや再結晶やるときにドラフトでやっていたわけだけど、そのドラフトにあった溶媒で一番近いところにあったのがメタノールだったのだ…
そして全然溶けなかったから、ならばメチルが一個増えたエタノールならどうだ! と、勢いでメタノールの次に近いところにあったエタノールを投入。
当然と言えば当然だけど、芳香環たっぷりのモノちゃんはビクともしなかったので、3番目に近いところに置いてあったベンゼンを入れたわけです。
そして加熱したら溶けて…
しばらく室温で放置プレイしたところ結晶が出たのでした。
うん、我ながら何も考えてないな…
絶対メタかエタいらんだろ…
まぁボクの卒業後、ボスや後輩君がもっとスマートな再結晶条件を見つけてくれるだろうと思っていたわけですが、いざサポーティングインフォを見てみたら何も変わっていなかった。
あれでよかったのか…
ま、実験なんてこんなもんですね( =ω=) (ぇ
ちなみに実はもう1つ別の基質を使った臭素化体でも結晶化に成功してX線もとれていたんだけど、論文を見る限り、どうやらそっちは闇に葬られたらしい。
あっちはナフトイル化とかベンゾイル化みたいな誘導化しなくても再結晶できたやつなのに。
そんなX線結晶構造解析による絶対立体配置の決定の想い出話なのでした。
突然ですが、ボクやっていた不斉臭素化の論文にとうとうページ番号がついたようです。
というわけで、改めてこんな感じでさらしてみましょう。
J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 3964-3970.
すごく、論文ぽい…!
というわけで、4回目となる今回は絶対立体配置の想い出話などをしてみようかと。
本編にはないけど、サポーティングインフォに不斉臭素化で得た生成物の絶対立体配置の決定について載っています。
X線結晶構造解析で絶対立体配置を決定するわけで、じゃあ生成物を結晶化させないといけない。
最初は「生成物にブロモついてるし、対称性が崩れてるとはいえなんとかなるだろ」と軽い気持ちで挑戦しいますた。
オルト位にメトキシ基とメトキシメチル基を持つスタンダードな基質から高エナンチオ選択的な臭素化体を合成し、いざ! とやったところ…
あ、あれ…? 結晶にならない…(´・ω・)?
およそ一般的に再結晶で使われそうな溶媒は一通り試したけど、ピュアだった化合物がどんどんヨゴれていくだけでした。比例してボクもソウルジェムもヨゴれてきt(ry
ならば誘導化だ!
ということで、2ヵ所のフリーなヒドロキシ基を官能基変換することに。
こういう誘導化によってX線の取れる結晶を作ろうとするときに、神代(?)から使われている方法と言えば……そう、p-ブロモベンゾイル化です。
だからもう生成物にブロモついてるし、普通のベンゾイル化でいいじゃん、と思いつつも、ここは古来からのしきたりに従わねば…
というわけではないけど、単純にやってみたかったからという理由でp-ブロモベンゾイル化に挑戦したのです。
その結果、結晶化できず。
贅沢にも3つもブロモが付いてるくせに! ナマイキな!
じゃあ大人しく普通のベンゾイルも試してみるか…と思ったけど、なんとここで原料切れ。
すたんだーどの せいせいぶつは なくなってしまった!
1から作ると時間かかるしメンドクサイ…
何かいいものはないか、とあれこれ漁ったところ、オルト位にメチル基とメトキシメチル基を持つ基質をたんまりと発見。
ただこいつ、固体じゃなくてオイルだったのです。
なので臭素化してからの結晶化はおろか、生成物の臭素化体自体が固体になるとは思っていなかったわけだけで。
まぁでもせっかくだし、とりあえずお試し実験で普通のベンゾイル化をしたわけです。
その結果、なんか結晶出てきた!
見た目はさほど綺麗な感じではなかったけど、ボスにX線の依頼をしたところ…
何故かX線取れず…
そんなこんなで報告会の日がやってきて、大ボスに上記の報告をしたところ、
「フェニルイソシアネートとかでウレタンにすればいいじゃない」
とのお答えが。
だがここで反骨精神が炸裂した!
報告会後、実際にやったのはナフトイル化であった。
何で言う通りにイソシアネートを使わなかったって?
いろいろあるんすよ…(ぇ
で、ナフトイル化した結果、見事結晶化。
そしてX線も取れた!
絶対立体配置決定!
と相成ったのでした。
どうやらナフトイル化したことで、ナフチル部分が他の分子と上手くπスタッキンしたらしい。
そしてこの時の再結晶条件がメタノール/エタノール/ベンゼンという、よくわからない3種類の混合溶媒という…
いや再結晶やるときにドラフトでやっていたわけだけど、そのドラフトにあった溶媒で一番近いところにあったのがメタノールだったのだ…
そして全然溶けなかったから、ならばメチルが一個増えたエタノールならどうだ! と、勢いでメタノールの次に近いところにあったエタノールを投入。
当然と言えば当然だけど、芳香環たっぷりのモノちゃんはビクともしなかったので、3番目に近いところに置いてあったベンゼンを入れたわけです。
そして加熱したら溶けて…
しばらく室温で放置プレイしたところ結晶が出たのでした。
うん、我ながら何も考えてないな…
絶対メタかエタいらんだろ…
まぁボクの卒業後、ボスや後輩君がもっとスマートな再結晶条件を見つけてくれるだろうと思っていたわけですが、いざサポーティングインフォを見てみたら何も変わっていなかった。
あれでよかったのか…
ま、実験なんてこんなもんですね( =ω=) (ぇ
ちなみに実はもう1つ別の基質を使った臭素化体でも結晶化に成功してX線もとれていたんだけど、論文を見る限り、どうやらそっちは闇に葬られたらしい。
あっちはナフトイル化とかベンゾイル化みたいな誘導化しなくても再結晶できたやつなのに。
そんなX線結晶構造解析による絶対立体配置の決定の想い出話なのでした。
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