高等中学校の学生の間貫一(はざま かんいち)の
許婚であるお宮(鴫沢宮、しぎさわ みや)は、
結婚を間近にして、
富豪の富山唯継(とみやま ただつぐ)のところへ嫁ぐ。
それに激怒した貫一は、熱海で宮を問い詰めるが、
宮は本心を明かさない。
貫一は宮を蹴り飛ばし、
復讐のために、高利貸しになる。
一方、お宮も幸せに暮らせずにいた。
この、金色夜叉は、
1980年代になって、
硯友社文学全体の再評価の中で、
典拠や構想についての研究が進んだ。
アメリカの小説にヒントを得て構想されたものである
という説が有力になった。
2000年7月、堀啓子北里大学講師がこれをみつけた。
ミネソタ大学の図書館に所蔵されている
バーサ・M・クレー (Bertha M.Clay)、
本名en:Charlotte Mary Brameの
『Weaker than a Woman(女より弱きもの)』
が種本であることを解明した。
初出は、イギリスのen:Family Herald紙に、
1878年8月17日から同年11月23日まで連載されたものである。