今年に入ってから、なにやら偶然も重なって
石井桃子さんの書かれたご本や関連する書籍を、
折りにふれて読んでいます。
長年、子どもの本や絵本に、関わっていらした「大きな存在」
という印象の強い石井桃子さんですけれど
80歳を前に書き始め、八年の歳月をかけて
お若い頃のご自分と友人との交流をモチーフにした
「幻の朱い実」という小説を出版されています。
ちょうど昭和の初期、石井桃子さんが、
出版社でのお仕事を始めて
「プー横丁にたった家」の原作に、
出会った前後のことになるのでしょうか。
先日、石井桃子さんの評伝「ひみつの王国」を
出版された尾崎真理子さんにとっても
評伝執筆のひとつのきっかけになった作品、とのこと。
(「新潮」 2013年1月号 立ち読みより
「石井桃子と戦争(前篇)」尾崎真理子 )
石井桃子さんが、小説というかたちで
どうしても・・・書き残しておきたかったこと
言葉にせずにはいられなかった想いとは???
そして、語られることもなく
「ひみつ」は、ひみつとして守られるものとは・・・
その時代を生きていらした、女性の言葉として
自ら示された「姿勢とその生き方」に
私も、つよい興味を感じています。