Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

言葉にすること・・・その2

2008-10-08 00:07:37 | 表現すること
午後になって雲が広がってきましたが、まだ雨雲ではなさそうですね。

家の外に出てみたところ、不意に金木犀の香りが飛び込んできました。

先ほど、先生からお電話を頂いて
kirikouは、版画の最後の仕上げをしているとのこと。

ブドウとバナナとリンゴを彫ったそうですが
色分けをしているらしく、どんな仕上がりになっているのでしょうか?

最初、何を作るかというイメージがなかなか湧かなくって
苦労したと言っていましたっけ。


最近は(確かに以前も、そうでしたが)
何かあったらしい時も都合の悪いことはなおさら、
自分から口にすることは滅多になくって

コチラからそれとなく聞き出したり…他の人に聞いたりすることの方が多いんですけれど。

時おり、自分のしゃべりたいことがあると、ボソボソとながら
その時の様子などを話してくれたり

逆に、コチラの都合にお構いなしに
お気に入りのアニメについて、夢中になってしゃべることもあります。

これって、この年頃の特徴なのでしょうか?

それともkirikou自身が、自分の言葉で何かしら表現することが
少しは、できるようになったのでしょうか?


それから、だいぶ以前にもご紹介した「相鉄瓦版」と言う小冊子の10月号の特集の

「子どもと楽しむゲイジュツの秋」も、なかなかオモシロいですよ。

(朝、読み直したら…タイトルを書き間違えていました。ゴメンナサイ!)

タイトルは、少々ありきたりにも思えますけれど

ウォールペイントアーティストのロコ・サトシさんの
「そのエネルギーを絵にぶつけよう!」というお話から感じたことは、


先生から褒められるような絵が良いのかどうか?

作品の評価って、ほんとうに難しいことなんだなぁということと

子どもの中にある、えもいえぬ…(えもいわれぬ?)
コトバにもならないようなモノ達が、絵というカタチを得て
表現されることもあるのだろうなぁと想いました。

そういえば、「横浜トリエンナーレ」も開催中ですね!!


そうそう今朝のことですけれど、(先週録画しそこなって観ていなかった)
姜尚中(カンサンジュン)さんの出演している「爆問学問」の再放送を観ながら
アレコレ考えていました。

「政治学」などと言われると、私にはどうにも取り付く島がなさそうにも思えますけれど
太田さんを相手にお話しをする様子から、
とても聴き上手な方なんだなぁ…という印象を持ちました。

以前にも、テレビの番組で夏目漱石やレンブラントの自画像について
お話になっていらした様子を思い出して
きっと、これまでのどこかの時点から
ご自分のことを、ある面で素に近い形で(いろいろな役割を担った顔を持っているとしても)
お話することができるようになったのではないだろうか?と想いました。

「言葉化する」と言うキーワードも、おっしゃっていましたね。

そんな、画面から読み取れる「人となり」に注目するほうが
ドチラかというと、私には解りやすいこともあって
(いわゆる主義主張には、あまり関わりのない)

その人の醸し出す奥深さのようなものを、感じることができました。


お話は、少しだけ飛びますけれど…

秋葉原での事件についての姜さんのお話を聴きながら
井上俊・船津衛編「自己と他者の社会学」という本のことを思い出しました。

これまた、私にはあまり馴染みのない分野の本ですけれど
教科書のように、基本的な内容を取上げていて

比較的その説明もわかりやすくて
「はじめに」の中でも触れられていましたように
「私という社会現象」についての本であるとのこと。

「微視(ミクロ)社会学」という領域とのことですが、
マクロな視点(?)への橋渡しも意識して書かれているそうで

目次の項目を並べただけでも、その扱おうとしているところが見えてくるような気がします。

第Ⅰ部 「私」を社会学する

第1章「認識する私」第2章「期待される私」第3章「演じる私」

第4章「感じる私」感情の社会学

第5章「物語る私」第6章「意味を求める私」第7章「私を変える」

第Ⅱ部 「他者」とのかかわり

第8章「親密なかかわり」第9章「電子メディア上のかかわり」

第10章「ヴァーチャルな他者とのかかわり」模倣という快楽と自己承認

第11章「〈視線〉としての他者」ファッションをめぐって

第12章「かかわりの病理」ひきこもりという「自分の地獄」

第13章『「異質な他者」とのかかわり』第14章「ボランティアというかかわり」

返却の都合があって、全体にひとおおり眼を通したくらいですけれど
(つい、1年ほど前に知ったジンメルの名前が出てきたりして)

「私」と「他者」を見つめる中で、その間をつなぐ関係を
様々な角度から観ていくことのオモシロさを感じました。

また、なるべくそれらを普遍的な(?)コトバとして記述しようとしているのでしょうか?

私自身もひょっとして、日々その作業をしようとしているような気もいたしますが
そんな風に想うのは、いかがなものなんでしょうか?

また機会があったら、ぜひ読み直してみたいと想っています。


それから、多田富雄さんのお書きになった「寡黙なる巨人」も、先日借りて読みましたが
やはり、(後書きに当る)「憂きと見し世ぞ」の最後に近い部分で語られた言葉が
強く印象に残りました。(以下引用)

『 こうして私の中に生まれた「巨人」はいつの間にか、政府と渡り合うまで育ってくれた。死ぬことばかり考えて生きるのを恐れていたころとは違う。今は何も恐れるものはない。(中略)
 「巨人」は相変わらず、動作は鈍いし、歩くこともできない。原稿を書くのも人の十倍の時間がかかる。まだ声は数音節しか続かないし、発音は不明瞭だ。日常生活では相変わらず口数の少ない「寡黙なる巨人」に過ぎない。
 でも私は彼を信じている。重度の障害を持ち、声も発せず、社会の中では最弱者となったおかげで、私は強い発言力を持つ「巨人」になったのだ。言葉はしゃべれないが皮肉にも言葉の力を使って生きるのだ。』(引用ここまで)


カタチや使う道具はともあれ、その「言葉の力」に気づいて、できるかぎりの挑戦を続け
さらには、ご家族や知人の方々とのつながりの再確認によって
「日々、新たに生きていく巨人」に強い生命力が宿ることとなったのでしょう。

雑誌「考える人」の中のインタビュー記事を読みながら
心が熱くなってきて、私も大きな勇気を頂いたような気がいたしました。


何か大きな試練に直面することで、
「家族の絆やつながり」が深まることもあるのでしょうね。


山あれば、谷あり…何事も、平坦な道ばかりとは限りませんもの。



とはいえ、全てをコトバにできるとも、到底想えませんけれど…
 

「その時に、ひと言、声をかけてみよう!」

「言わなければ、伝わらないこともあるでしょう!」

「自分のコトバに耳を傾けてくれる人がいるからこそ、浮かぶ瀬もある…のでしょう。」

「格好や見栄えが良いことだけが、全てではないはずです。」

いろいろな価値観が共存する中で、それぞれの違った良いところを見つけて
それらが花開き、いずれ実を結ぶまでゆっくりと育てていけますように~!!


お日さまの光がたくさん当るように整えたり、
多すぎず少なすぎないお水や栄養をあげる事。

そんなことを想いつつ、飛びとびの細切れの時間をつなぎながら
書いて参りましたので、何やらまとまらないままですけれど…


そろそろ、今夜のお話を終えるといたします。


どうやら、静かだった雨音が、一転して激しく鳴り響いているのが聴こえてきました。


皆様のところにも、穏やかな佳き眠りが訪れますように…


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (黒猫rano)
2008-10-09 01:52:28
お元気ですか。
多くの本と色々な出逢い エネルギーをいっぱい使ってらっしゃるので いつも感心します。
私は不器用で 時間だけ過ぎていくので 反省が多いんですですよ。
気持ち・・「楽しさや幸せ」は作りだすものと常に思ってはいます。また うまく言えませんが デリケートに生きること 感情ある人間には必要でしょうね。
日常 色々思うことあります。
返信する
「楽しさや幸せ」は作りだすもの・・・ (風待人)
2008-10-09 09:17:41
黒猫ranoさま

はい!相変わらず…落ち着きなくバタバタしてます。

黒猫ranoさまも、お元気でお過しでいらしゃいましたか?

人それぞれのペースのようなもの、おそらく体内時計の進み方は
一様ではないような気がします。

「じっくり、ゆっくり・・・」
きっと、ひとつひとつを大切になさっているんだと想います。

周りの動きがあまりに早かったりすると、

「デリケートに生きている 感情の豊かな人」には
時には、違和感や緊張感が感じられるかもしれませんね・・・

私自身も・・・元々は、ほんとうにゆっくりタイプだと思うので
場面場面で、何とかそのスピードを調整して自分を合わせて行くような
練習をしているところかもしれません。

どちらにしても「無理は禁物」です。

エネルギーは、たぶんいろいろなところ(人や本などの様々な出逢い)から取り入れて
それを使って、何かをしたら「また、チョッとお休みして・・・」って感じでしょうか?

そんなサイクルの中にいるような気がしています。

黒猫ranoさまとは、共通点もあって
とても不思議なご縁を感じております。

お元気で、お過しくださいネ!!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。