Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

宮澤賢治の世界にまつわる想い出・・・

2012-04-06 12:06:05 | お気に入り
先日、「宮沢賢治の詩と絵の宇宙 雨ニモマケズの心」展を観てまいりました。







「雨ニモマケズ」の詩には、ささやかながら私自身も想うところもありましたので


会場に入ってすぐのところに展示されていた「手帳」とその詩を見たとたん

思わず、涙がこみ上げてしまいました。



こんなにも、ヒトの心を揺さぶる力を持った言葉というモノと


その言葉を発した宮澤賢治という人の、奥深さを感じずにはいられませんでした。



生きている間に本になったのは、「注文の多い料理店」と「春と修羅」の2冊だけとのことですが


賢治の描いた水彩画の展示もありました。


その後、ほんとうにたくさんの作家や画家の手によって、様々な賢治の世界が表現されていることが

今回の展覧会で観ることができました。


どの作品も、その方の感じた「賢治の世界」だと思いますけれど


目を引いたのは・・・伊勢英子さんの「水仙月の四日」や黒井健さんの「よだかの星」などなど


やはり、自分のこころに響く色合いや雰囲気を持っている作品でしょうか…



(偶然、昨日伺った「こどもの本のみせ ともだち」さんで見つけて、思わず購入しました。)


                   




実は、この「水仙月の四日」をモチーフにした「賢治讃え」という演劇を、2006年に観たことがあります。


それは、人が身体と声…そして、言葉で表現することの力強さを感じたお芝居でした。



その際の催しで、生命科学者の中村桂子氏と横浜ボートシアター主宰の遠藤啄郎氏の対談を聴いて


宮澤賢治という方の持っている様々な面…

科学者であり、また物語を作る人であることを、知りました。



その際に購入して、本棚の奥にしまいこんでいたのが

賢治の遺した手紙を集めた「あたまの底のさびしい歌」(港の人 発行)という本です。


いま、あらためて読み返してみると

その書簡には、賢治のこころの中に湧きあがった不安や


体調もすぐれず、想うように働けない自分へのやるせない気持ちが綴られていました。



そんな、自分を見つめつつも


「雨ニモマケズ」の詩に、賢治が自らの願いや希望を託していたように想えてなりません。



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