「アカデミー賞2大女優競演」という売り文句で借りてしまったDVD。
原題は Wild Oats。
いえいえ、コロラドから始まったオーガニック食材のスーパーではありません。スーパーとしての Wild Oats は日本人に人気のWhole Foods Marketとの合併とかの話題もあったようですが、Whole Foods の方が合併によって値段を上げるんじゃないかってことで裁判所が合併を認めなかったみたいです。
って、そういうことじゃなくて、映画の Wild Oats。
邦題は『素敵な遺産相続』です。この邦題にもだまされたと言えます!
だって、邦題が全面に出ていて、原題を見たのはDVD見始めてからですもん。
Wild oatは日本語にすると「からす麦」なんて出てきますが、本当のところどんな麦?って感じです。
で、この wild oat に s がついて複数になるとイディオムに使われます。
sow one's wild oats 結婚前に破茶滅茶に遊ぶ、ってことです。放蕩、ですが、どちらかというとセクシュアルに遊ぶ方。
そう、この映画の中でも、シャーリー・マクレーンとジェシカ・ラングの二人が遊ぶんです。それもまさしく放蕩なやり方で。ありえない・・・。
ハリウッド映画の変なところって、いえ、独特なところと言いましょうか、中高年のご婦人まで色っぽいところをスクリーンに出すんですね~。自分を置いておいてなんですが、若くない二人が絡むのを見てもねえ・・・。若者には受けないでしょうね。
それでですね、邦題。
遺産相続って言ってるじゃないですか! でも、映画の中で転がり込むのは保険金なんですよ。私は思わず、「生命保険金は遺産なのか?」って検索しちゃいましたよ。
検索の結果、自分が自分にかけたものでなければ財産にならない、ってそんなことまで知ってしまって、それはどうでも良いんですが、原題から甚だ外れすぎた訳ですよ。
この映画には、『ゴースト』で一躍有名になったデミー・ムーアも出てるんですが、彼女は声でわかりますね。
ストーリーの展開もありえない冗談で、コメディだから良いんですけど、お金払って見てたら腹が立ちます。案の定、rotten tomatoes の評価は最悪でした。演技は素晴らしいけれど、もっと良い台本じゃないともったいないって。
俳優さんっていうのは、どんな仕事でもちゃんと引き受けるんですね~。
この映画で唯一大笑いした場面があるんですが、それは電話のシーン。
予定していた金額と違う保険金を受け取ってしまい、それを確認するためにマクレーン演じるエヴァと友人のマディ(ラング)が電話をかける場面です。日本でもそうですが、カスタマーサービス(お客様サービスセンター)に電話をかけるとまずは自動録音で対応されますよね。アメリカの場合は、まず英語かスペイン語を選べ、って言われます。この辺り、将来日本も、「日本語でのお問い合わせは1を、中国語は2を、韓国語は3を・・・」な~んてならないことを願います!
さて、そのあとに、問い合わせ先を選ぶのに番号を押すか言葉で選び、その次に用件を話しますが、この用件を話すとかスペルや数字を言う場面になると、機械がてんで理解してくれない。
"I'm sorry, I didn't get that." と繰り返されるのです。
例えば、seven と言っているのに、zero? とか反応されてしまう。
それを何遍も言っているうちに、機械と話しているのについつい
"NO!" とか、"I said seven!" とか興奮してしまうんですね。すると、機械が
"I'm sorry, I didn't get that."
で、また振り出しに戻っていくんですよ。こんなのって車のナビなんかでもありましたよね。
で、この辺りのフラストレーションが溜まる電話のやりとりを二人の女優がコミカルに演じているんです。これがあまりにも身に覚えのあるシーンなんで大笑いしてしまいました。映画の始まりから16~7分ぐらいのところでこれが見られますから、図書館などで借りてきてこの場面を見るのも良いかもしれません。もう後の展開はどうでも良い!(笑)
と言うことで、ネイティブでも同じフラストレーションを溜めてたんだなあ、とそこだけ感心した映画でした。そうそう、カジノの危険な雰囲気も垣間見られますよ。