M: 30年代には成功しなかったが、75年にはゆっくりと成功していったんですね。テクノクラシーは共和党でもなければ民主党でもない、マルクス主義でも資本主義でもない。単なるイデオロギーだが、この点の説明をお願いします。
W: テクノクラシーはアメリカで始まった組織で、会員制によって構成されている。一時はアメリカとカナダに50万以上のカード保持者がいました。そう、カナダも大きなテクノクラシーの本拠地。ヘッドは、スペースXのこの人。
M: テスラの株は上がり続けていますね。全米の自動車メーカーよりも、トヨタよりも価値がある。
W: テクノクラシーに戻ってドイツでも似たような組織ができていた。科学を使って社会を動かすという同じ考えを持っていた。
ヒトラーが出てきた時、彼はテクノクラートが邪魔になると考えたんだね。だから禁じた。カナダでも禁じられた。アメリカはそのままだけどカナダでは禁じられた。
ところが、戦時中もテクノクラート達は非常にアクティブに行動していたらしい。統計学者、数学者、物理学者、などなど。結局はヒトラーの勢力拡大に役立ち独裁を助けた。ヒトラーはそれぞれが接触することを恐れたらしいが、結局はみんな繋がってうまくコミュニケートしていたんだ。
そして戦後、極秘のペーパークリップ作戦により、1200,1600というトップの科学者達をドイツからアメリカに連れてきて身辺をきれいにしてアメリカの高等科学機関に就かせているんだね。ナサなんて一番良い例。ヒトラーを助けていた人物が、ニュルンベルク軍事裁判をスキップして良いポジションについたってわけ。
ところで、30年代、テクノクラート達は政治家を排除したかったということを説明したね。実際ルーズベルトに談判したけれど、ルーズベルトはニューディール政策を行なっただけだった。
73年にTCがテクノクラシーのコンセプトに基づいて作られるわけだけど、デイヴィッド・ロックフェラーが後ろにいて、もう一人の創設者が、この人。コロンビア大学の教授だったけど、彼の著書がロックフェラーの目を引いたんだね。そして最初から新しい世界的な経済秩序を作ることを目的としていた。
新しい世界的な経済秩序。
ところが、TCがジミー・カーター政権を掌握した時、株式と石油市場を封じたんだね。政権のほぼ全員がTCのメンバーだった。だから続く8〜10年は世界銀行総裁をアメリカがつとめている。
こうしてTCは政治構造の中にまで入っていったんだね。レーガン、ブッシュ、クリントンとアル・ゴア、みんなTCのメンバーだ。
続く