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小さき麦の花

2023-04-24 | 映画・TV
中国映画「小さき麦の花」(原題:隠入塵煙) 2022年製作 
映画「小さき麦の花」
(C)2022 Qizi Films Limited,Beijing J.Q. Spring Pictuers Company Limited. All Right Reserved.


【あらすじ】
2011年、中国西北地方の農村。
貧しい農民ヨウティエ(有鉄)は、マー(馬)家の四男。
両親とふたりの兄は他界し、今は三男・ヨウトン(有銅)の家に暮らしているが、息子の結婚を心配するヨウトン夫婦にとって、ヨウティエは家族の厄介者。
一方、内気で体に障がいがあるクイイン(貴英)もまた厄介者だった。
互いに家族から厄介払いされるかのように、ふたりは見合い結婚、夫婦になった。
ぎこちなく、それでも互いを思いやり、作物を育て、日々を重ねていくふたり。
ヨウティエのことをいつも気にかけるクイイン。そんな彼女の気持ちに愛おしさを覚えるヨウティエ。
ある日、家を建てるためにヨウティエが作ったたくさんの日干しレンガが突然の大雨に襲われる。
そんな不運さえもふたりには大切な日々となる。
クイインは初めて会ったその日からヨウティエの優しさに気付いていたと話す。
ロバと、ヨウティエと、クイインと。
力を合わせ、毎日懸命に働き、ついに自分の家をもった。
だが、その幸福は長くは続かなかった——。
(公式サイトより)


刈り取った燕麦を荷車に乗せるのだが、ロバが疲れないように妻の貴英の重さ分軽く燕麦を積み、貴英も荷車に座らせる。有鉄はロバにも優しい
(C)2022 Qizi Films Limited,Beijing J.Q. Spring Pictuers Company Limited. All Right Reserved.
刈り取った燕麦を荷車に乗せるのだが、ロバが疲れないように妻の貴英の重さ分軽く燕麦を積み、貴英も荷車に座らせる。有鉄はロバにも優しい。

産まれたばかりのひよこを見ながら、有鉄は貴英に、おまえを親だと思って懐くだろうよと語る。貴英は障がいがあって子を産めないが、母になれると言ってあげたかったのだろうか。裸電球が映す光と影が美しい
(C)2022 Qizi Films Limited,Beijing J.Q. Spring Pictuers Company Limited. All Right Reserved.
産まれたばかりのひよこを見ながら、有鉄は貴英に、おまえを親だと思って懐くだろうよと語る。
貴英は障がいがあって子を産めないが、母になれると言ってあげたかったのだろうか。
裸電球が映す光と影が美しい。




深い愛情と、足るを知るに繋がる幸せの形を
淡々と流れるストーリーの中に見せてくれる
そんな映画でした。
ラストシーンは、そこだけなんだか腑に落ちない感じでした。
ずっと見てきた監督の意図するところとは
何か違うと感じる気持ちの悪い終わり方。
ベルリン国際映画祭上映時とエンディングが異なるそうなので、
おそらく検閲が入って修正させられたのかな、と。

大ヒット作だったのが突然上映中止になった映画で
ネタバレになるので書きませんが、
そう思って想像すると、納得がいくのです。
なんだか中国の闇をも見てしまったように思います。
でも、心に沁みる良い映画でした。


有鉄が作った日干し煉瓦で、自分たちの家を建てる。すべてが土から生まれ、土から育つ
(C)2022 Qizi Films Limited,Beijing J.Q. Spring Pictuers Company Limited. All Right Reserved.
有鉄が作った日干し煉瓦で、自分たちの家を建てる。すべてが土から生まれ、土から育つ。

燕麦の粒を押し付けて、手に花の模様を作る。お互いを見つける目印なのだ
(C)2022 Qizi Films Limited,Beijing J.Q. Spring Pictuers Company Limited. All Right Reserved.
燕麦の粒を押し付けて、手に花の模様を作る。お互いを見つける目印なのだ。



【おまけ】
さてわたくし、今回もヒアリングに挑戦してきましたが……
中国西北地方の方言を使っていたのだろうと思うのです。
所々、いくつかの単語はなんとか聞けても、文章は聞こえてきませんでした
早口でもいつもは知ってる音が聞こえてくるんですが、今回ほぼ全滅。
主人公有鉄は舞台となった甘粛省の人で、完璧な方言で何言ってるかわかりませんw
妻の貴英役の中国人気女優・海清(ハイ・チン)のほうが、まだ聞きやすかったです。



映画『小さき麦の花』公式サイト


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2 コメント

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コメントありがとうございました (koji)
2024-01-26 10:48:22
たとえ映画といえども、政策の行き届かないところを世界中に発信されるのを見逃すはずはないですね。
そういうことだったんですね。勉強になりました。
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◆kojiさん (eowyn)
2024-01-26 23:56:06
近頃は特に検閲が厳しくなっているようです。
政治方針に左右されることなく、映画が上映されるようになることを願っています。
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