自由と平和、生存と共生のために

「誰もが人間らしく生きられるためには」という視点から、さまざまな社会問題についての情報をお届けします。

「難民鎖国」の酷い現実

2020-10-17 17:46:32 | いろいろ
 UNHCRの報告書によると、2019年末現在、世界の難民は2600万人、国内避難民は4570万人。地球規模の大きな社会的課題です。

 日本でも毎年、約1万人の人びとが難民としての認定を申請していますが、認定されるのはわずかです。昨年も10375人が申請しましたが、認定されたのは44人でした。
 出身国で迫害されるおそれがある人の滞在を認めるのが難民認定です。迫害を裏付ける客観的な証拠のハードルが高過ぎるなどの問題点が指摘されています。
 多くの難民申請者が刑事施設のような入国管理局施設に収容されます。認定されなかった人たちは、迫害が待ち受ける出身国へ送還されることにおびえながら暮らさなければなりません。

 日本国憲法は前文で「全世界の国民」が「恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と宣言しています。憲法の理念からも、難民を積極的に受け入れ、生存権などを保障する態勢をつくることが求められます。


なぜ日本は難民をほとんど受け入れないのか
 BBC News Japan

NPO法人難民支援協会

『難民鎖国ニッポンのゆくえ』 根本かおる ポプラ社(ポプラ新書)


増えつつある自死者

2020-10-14 21:32:44 | いろいろ
 9月の自死者(自殺者)は1805人(速報値)で前年同月比8.6%の増加です。ここ3カ月、女性と子どもの自死が顕著に増えているのが気になります。
 失業者・失職者が増えていること、生活苦やメンタルヘルスの悪化、社会的孤立などが背景にあると推測されます。
 適切な相談支援の拡大、充実が必要だと思います。電話・メール・SNSによる相談対応、屋外での相談会の実施など。さまざまな支援策や生活保護制度の使い方についての援助も必要です。

いのちと暮らしの相談ナビ

 NPO法人自殺対策支援センターライフリンクによる相談先検索サイトです。


映画「アイヌモシリ」(福永壮志監督)

2020-10-11 20:09:31 | いろいろ
 北海道阿寒湖畔で暮らす少年カントの成長を中心に、現代のアイヌの人びとを描いた作品です。
 17日(土)から東京で、その後全国で公開されます。

映画「アイヌモシリ」(福永壮志監督)公式サイト

以下、ご参考までに。

『アイヌ神謡集』  知里幸恵訳   岩波書店(岩波文庫)
『知里幸恵物語』  金治直美  PHP研究所
 知里幸恵(1903~1922)は祖母が語るアイヌの叙事詩を聞きながら育ちました。言語学者である金田一京助と出会ったことが契機となって、叙事詩「ユーカラ」の研究に打ち込み、その日本語訳を完成させました。

『大地よ!』 宇梶静江   藤原書店
 アイヌの伝統刺繍の技法を用いてユーカラの世界を表現する活動をしておられる著者の自伝です。

フィンランドで10代の少女が「1日首相」を務める

2020-10-10 19:35:12 | いろいろ
 10月7日、フィンランドではサンナ・マリン首相に代わってアーバ・ムルトさん(16歳)が「1日首相」を務めました。

 彼女はスピーチ(英語)の中で、女性がITスキルを習得するすることの重要性、ネット上での女性に対するハラスメントの問題などを語っています。

 フィンランドでは国会議員の46%は女性です。また、スウェーデンの連立与党の党首は全員女性です(社会民主党首サンナ・マリン、中央党議長アンニカ・サーリッコ、左翼同盟リー・アンダーソン議長、緑の同盟党首マリア・オヒサロ、スウェーデン人民党党首アンナ・マヤ・ヘンリクソン)。


34歳女性首相の代わりは16歳少女。フィンランドの「1日首相」が訴えたことは?
  ハフポスト日本版

フィンランドではなぜ、34歳女性が国のリーダーになれる? 世界最年少首相 誕生の背景とは  選挙ドットコム

「私には家族の物語がない」フィンランド34歳女性首相、驚きの人生 岩竹美加子




アパルトヘイト政策と南ア共和国国歌

2020-10-06 22:09:15 | いろいろ
 テニスの大坂なおみ選手は全米オープンの各試合で、差別的暴力の犠牲となった黒人の名前を記したマスクを着用していました。それを見て、30年以上前に観た映画「遠い夜明け」(リチャード・アッテンボロー監督)を思い出しました。アパルトヘイト(人種差別政策)体制下のかつての南アフリカ共和国を舞台とした作品です。最後の場面で獄中で死亡した黒人の名前が次々と流れていました。

 現在の南ア共和国の国歌は黒人たちが歌っていた「コシ・シケレリ・アフリカ」と白人たちが歌っていた「南アフリカの呼び声」をつないだものになっています。「コシ・シケレリ・アフリカ」はコサ語・ズールー語・ソト語で、「南アフリカの呼び声」はアフリカーンス語(オランダ語系)・英語で歌われています。

映画「遠い夜明け」(Cry Freedom)
 黒人解放運動の活動家スティーブ・ビコと白人記者ドナルド・ウッズとの出会い、警察で虐殺されたビコの真実を世界に知らせようとするウッズ。実話にもとづく作品です。

映画「遠い夜明け」の最後の場面

南アフリカ共和国国歌