自由と平和、生存と共生のために

「誰もが人間らしく生きられるためには」という視点から、さまざまな社会問題についての情報をお届けします。

歌「友よ」「イムジン河」「フランシーヌの場合」など

2020-12-18 18:02:59 | いろいろ
 「歌うこと、自由、平和、生存、抵抗のために」(12月6日の記事)の続きです。

「勝利への讃歌(Here’s to you)」
 映画「死刑台のメロディ」でジョーン・バエズが歌っていました。この映画は前世紀前半にアメリカで起きたサッコ・ヴァンゼッティ事件を描いた作品です。二人のイタリア系移民が強盗殺人事件の冤罪で処刑された事件です。当時は、世界中から抗議の声が上がりました。
 「私たちの心の中でいつまでも安らかに。最後の時はあなたたちのもの。その苦しみはあなたたちの勝利」と歌っています。
「勝利への讃歌(Here’s to you)」

「フランシーヌの場合」(作詞:いまいずみあきら、作曲:郷五郎)
 1969年3月30日、ベトナム戦争に抗議してパリで焼身自死したフランシーヌ・ルコントを歌った作品です。新谷のり子が最初に歌いました。
 日本では、由比忠之進(ゆいちゅうのしん)がやはり首相官邸前で抗議の焼身自死をしています(1967年)。
「フランシーヌの場合」

「Free Nelson Mandela(ネルソン・マンデラを解放せよ)」
 かつてアパルトヘイト体制下の南アフリカ共和国で獄中にあったネルソン・マンデラを歌った曲です。踊りながら歌える曲です。体を動かすのは解放感があっていいことです。
「Free Nelson Mandela(ネルソン・マンデラを解放せよ)」

「友よ」(作詞:岡林信康・鈴木孝雄、作曲:岡林信康)
 こうした曲はもうつくられることはないかもしれません。だからこそ、これからもどこかで歌い継がれてほしい曲です。
「友よ」

「イムジン河」
 映画「パッチギ」(監督:井筒和幸)の題材となった作品です。朝鮮半島での民族分断の悲しみが切々と歌われています。
「イムジン河」

ブレイクダンス、HIPHOP、移民

2020-12-18 18:02:59 | いろいろ
 ブレイクダンス(ブレイキン)が2024年パリオリンピックの競技として採用されました。ブレイクダンスはヒップホップ(HIPHOP)文化の一分野です。ヒップホップは1970年代にニューヨークの貧困地区でアフリカ系、カリブ系、ヒスパニック系の人びとが産み出した文化です。ブレイクダンスのほか、ラップやグラフィティなどが含まれます。
 ブレイクダンスは暴力の代わりにダンスの巧拙で争うところから始まったということです。スポーツは特別な設備や高価な用具を使う種目も多いですが、ブレイクダンスはそのようなことはありません。
 移民やその子孫が多いフランスではヒップホップ文化は大きな位置を占めています。近年、欧米では移民・難民を排斥する風潮、排外的ナショナリズムが高まっています。日本でも移民・難民に対する偏見や拒否的な感情が強いのは残念なことです。しかし、移民によって新しい文化の創造や発展がもたらされるという視点は大切だと思います。

ポストトゥルースの時代に、アメリカの選挙では

2020-11-22 16:48:11 | いろいろ
 今回のアメリカの大統領選挙・議会議員選挙では、ネット上でのフェイク情報や陰謀論の展開が大きな影響を世論に及ぼしています。

 下院では「Qアノン」を支持する候補者が当選しています。「Qアノン」は 「アメリカや世界は小児性愛者たちによる「闇の政府DeepState」に支配されている。トランプ大統領は秘密裏にこの「闇の政府」と闘っている」という陰謀論的運動です。

 大統領選挙が「不正選挙」であるとするフェイク情報が数多く流されています。「ミシガン州で1902年生まれや1850年生まれが投票」、「ネバダ州で3000件以上の不正投票を確認」、「トランプ票を燃やした(動画)」等々。

 「Qアノン」、「不正選挙」情報などは「ポストトゥルースの時代」を実感する現象です。真実、客観的事実よりも、自分の感情や信念にふさわしく感じられる虚偽情報を受け入れてしまう人たちが増えていることがうかがわれます。

「不正選挙」情報などのファクトチェックは下記の記事をご参照ください。
ネット上の情報検証まとめ(Vol.58)〜米大統領選 特別編【大船怜】


「陰謀論信奉集団」Qアノン、ついにアメリカ議会の議席を獲得…!
 中岡望


深刻な大人の「いじめ」

2020-10-27 19:51:19 | いろいろ
 今春、緊急事態宣言下、営業を継続したパチンコ店に対して行政権力、メディア、「自粛警察」と呼ばれる市民から激しい非難、攻撃がなされました。パチンコ店は「感染を拡大させる危険な存在」であるかのように扱われました。しかし、私の知る限りでは、その後もパチンコ店の顧客が集団感染したという事例はありません(従業員が集団感染した事例は報告されています)。客観的事実や科学的認識という根拠を欠いた社会的排除の典型例です。関東大震災後の朝鮮人虐殺事件やナチス支配下のドイツにおけるユダヤ人迫害を連想させる事件でした。
 職場におけるパワハラ(パワーハラスメント)、「いじめ」の問題も深刻です。2019年度には労働局に寄せられた相談のうち「いじめ・嫌がらせ」の問題は9万件近くに達しています。
 生活保護受給者への偏見や非難も大きな問題を起こしています。受給要件を満たしていても「バッシング」を受けることをおそれて申請をためらう人びとが多いと推測されます。
 性暴力、性犯罪の被害者はしばしば「被害者にも責任がある」などと非難されます。そのために、多くの被害者がどこにも相談しない、できないという深刻な現実があります。
 子どものいじめ事件では、加害者と同調者が「被害者に「問題」がある」と言い立てて、加害行為を正当化するケースがしばしば見られます。学術会議委員任命拒否事件のその後の展開でも同様の構図が浮かび上がっています。
 小中学校では道徳が教科として指導されるようになりました。しかし、子どもたちは道徳教育の中で語られる言葉よりも、大人社会のリアルな実態により大きく影響されるのではないでしょうか。
 文科省の調査によると2019年度の学校での「いじめ」の重大事態案件は723件で、前年より121件増加しています。

施設コンフリクト問題

2020-10-17 19:17:17 | いろいろ
 社会福祉施設などを設置しようとしたとき、地域住民から反対の声が上がる事例が数多く報告されています。障害者施設、高齢者施設、保育園、児童養護施設などの例があります。
 施設利用者への誤解や偏見が要因の一つとして指摘されています。
障害者施設の場合、「障害者は凶悪な犯罪を起こしやすい」と思い込んでいる方からの反対が起きています。児童養護施設の場合は、虐待を受けた子どもへの偏見などがあるようです。
 障害者の特性への理解、施設利用者と地域住民との接触や交流の機会の確保などが必要だと思います。
 ノーマライゼーションの理念の理解も重要です。障害者基本法は「全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する」と規定しています。

障害者施設が近隣住民の猛反発で建たない問題  障害者.com

南青山の児童相談所建設に反対の声。各地で続く建設断念に子どもたちへの偏見  島沢優子