ビルゲイツ氏はTEDで、「世界にとっての次の脅威は核ではなくコロナウイルスだ」と数年前に警告していますが、SARSやMERSは空気感染がなく、感染地が限定していたことを指摘したものです。
今回の新型コロナウイルスはどうやら空気感染するタイプに変異して世界的なパンデミックになってしまいました。
SARSの集団発生は2002年11月16日の中国の症例に始まり、台湾の症例を最後に、2003年7月5日にWHOによって終息宣言が出されました。32の地域と国にわたり、WTOの報告では8000人を超える症例が報告され、774人の死者を出し、致死率は9.6%とされています。
この数字だけを見ると、SARSは5月10日現在のフィリピン一国のみの数字と大差ありません。
5月10日現在の全世界の新型コロナウイルスの感染者数は約400万人、死者の数は約27万人に達してしまいました。
◼近年の世界の感染症の変遷
近年のウイルスや細菌による感染症規模をみてみると、
2018年に最も大きな被害を出したのは結核といわれ、世界人口の4人に1人が結核菌に感染し、約1千万人が発症、約150万人が死亡したと推計されています。
同年、エイズウイルス(HIV)によって170万人が新たに感染し、77万人が死亡。
同年、麻疹の患者が約976万人で、乳幼児を中心に14万人が死亡。
インフルエンザでは毎年、世界全体で25万~50万人、日本で1万人の死者が出ていると推計されていますが、インフルエンザでの死亡はインフルエンザウイルスによっていきなり肺炎を発症するというよりも、持病の悪化などによって亡くなる「インフルエンザ関連死」だともいわれています。
100年前の世界的パンデミックとなった「スペインかぜ」は「スペインインフルエンザ」とも呼ばれ、第一次世界大戦中の1918年に始まり、世界全体の患者数、死亡者数についての推定で、患者数は世界人口の25-30%(WHO)、あるいは約5億人で、致死率(感染して病気になった場合に死亡する確率)は2.5%以上、死亡者数は全世界で4000万人~5000万人、一説には1億人だったともいわれています。
日本の内務省統計では日本では約2300万人の患者と約38万人の死者が出たと報告され、歴史人口学的手法を用いた死亡45万人という推計もあるそうです。
◼観光日本という戦略のコストは?
安倍政権は観光を成長戦略の柱に位置付け訪日外国人の増加をアピールしてきました。昨年1年間の訪日外国人の数は3188万人(+2.2%)、観光消費金額は4.8兆円だったそうです。
しかし、海外から様々な外国人が入ってくれば、当然ながら人間を宿主(乗り物)として様々な病原体も日本にやってくることになるわけです。
ここで 以下の記事をご紹介させていただきます。
3月7日付の東京新聞より
「国立感染研 現場は悲鳴 歴代政権下で人員・予算減」
新型コロナウイルスの感染に関する検査や終息に向けた活動を行う国立感染症研究所(東京都)の人員や研究費の減少傾向が続いている。
外部の有識者は十年前から今回のような感染症流行時に支障を来すとして増員、増額を要望していたが、歴代政権は聞く耳を持たなかった。
研究者らは感染拡大への対応に追われ、専門家からは「政府は対策を軽視していた」という声も。
「国民に不安を与えるから『新型コロナウイルスの対応が大変』と研究者たちは言わなかったが、人や予算があった方が良いのは明らか」
「もともと研究者が少ない中で現場は悲鳴を上げている」
旅行者が持ち込む感染症対策の重要性は増すはずだが、国家公務員の定員合理化の影響で感染研の新規採用を抑制。2019年度の研究者数は307で2010年度より18人減った。
研究などで自由に使える「裁量的経費」は約20億円で、国の財政健全化目標により毎年削減を要求されている。研究者個人が応募して獲得する国の「競争的研究資金」と合わせた研究費の総額は低迷が続く。
大学教授らで構成される感染研の研究評価委員会は2010年度の報告書で、感染研の役割を踏まえ「国家公務員削減計画の除外対象にすべきだ」と指摘した。2013年度には「予算上の問題で、感染症の集団発生時にタイムリーなアクションが取れなければ大問題となりうる」とし、2016年度にも「財政的・人的支援が伴わなければ全体が疲弊する」と警鐘を鳴らし続けた。
安倍総理はクルーズ船対応でおおわらわのときに、「日本にも米国疾病予防管理センター(CDC)のような組織をつくりたい」と仰られたそうですが、新しい組織をつくるよりも既存の研究所を拡充するべきでは。
核よりも人類にとって驚異となり得るウイルスとの戦いを戦うための人材を増やすべく、多すぎる国会議員定数こそ削減して予算をおつくり頂くのがよろしいかと。
ビルゲイツ氏に関して、彼がTEDで大勢の人々の前で話している「ものの例え」や「可能性の話」「言葉尻」をとらえ、彼の財団がワクチン開発に多額の投資していることで陰謀論などを信じる人々もいるようです。
ゲイツ氏はもっと以前にはマラリアの感染地域の偏りや乳幼児の死亡率の差についてグローバルな視点で懸念を示して、これまで米国の次に多額の出資金をWHOに提供しておられます。ワクチン開発に出資するのは同じ文脈だと思ってます。
参考動画:
「もし次の疫病大流行が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない」
引用:
議員定数削減は大賛成です。五輪後の時期に施行と言うことで決めてほしいです。
国家公務員の定員合理化の影響で国家公務員と連動して地方公務員も一律人員整理していますね。リストラさせられる部門は技術・研究などの実務部門の現場が人員も予算もカットされる幅が大きいようです。
研究、保健医療もしかりです。
三重県で財政部門を廃止した例があるように、総務・文化・企画・環境等の現場実務がほとんどないところを大胆に人員カットして国民に直接サービスする部門を手厚くすべきと思います。
国会議員や県市町村議員は資質に欠ける人物が相当数いますし、なり手がないところもありますから半減ぐらいさせても民意を反映できるでしょう。例えば衆議院は東京23区各一人の割合で全県に割り振り、参議院は各県2人にすれば確実に半減できます。地域間格差うんぬんや比例区などはやめてこれくらい思い切ってやってほしいです。一票の重みで地域間格差を言うなら男女間格差や年代間格差もいうべきですから奇妙な論理と思います。
国会議員はご指摘の通り各都道府県で2名くらいでいいように私も思います。比例代表を人口規模で、50万人ごとに地区分けすれば国会議員の定数は47x2+240=334名程度で、参議院も各都道県2名で94名でも。国会議員には国民生活や経済、安全保障、外交分野よりも、政党間の政争のようなものにのみ意識があって、極めて些末なことに終始している無駄な人材が多すぎます。森加計桜でうんざりした国民は多かったと思います。次の選挙で退場願いたいですね。