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☆《長さのスケールで見る“ビッグバンからDNAまで”》(三鷹ネットワーク大学 第4回三鷹草の根バイオカフェ)☆
ここのところ多忙と体調不良でこころも身体も疲れ気味だが、今日は久しぶりの息抜き。三鷹ネットワーク大学の講座「第4回三鷹草の根バイオカフェ~長さのスケールで見る“ビッグバンからDNAまで”~」に行ってきた。いわゆるサイエンスカフェである。
三鷹ネットワーク大学(市民向けの公開講座)は三鷹駅南口のすぐそばにあるが、今日の会場は南口から徒歩5分の洋食店「モダンタイムス」。けっして広くはないが、落ち着いた雰囲気のお店。今日のランチタイムはもちろんバイオカフェで貸し切り。週日の昼間ということもあって、参加者20数名のほとんどが年配の方々で、いままで経験したなかではもっともサイエンスカフェ的ではない感じがした。逆にそこが新鮮でもあり、この2時間がどのように進んでいくのか興味深く見守っていた。
前半はランチを食べながら、まわりの参加者同士やスピーカーの方々と適宜おしゃべりを楽しむ。ランチは前菜に始まり、パン、スープ、メインの生ハムとキノコのパスタ、デザート、ドリンク(コーヒーまたは紅茶)と進む。パンとパスタはお店の手作りで、生パスタというものを初めて食べた。味付けは洋食のわりにはどれもあっさりとしていて、とても上品な味わいだった。あるCMのように「よけいなものが入っていない」といってもいい。パスタのコースにもかかわらず、箸と箸置きが添えてあり、年配者にとっては嬉しい心遣いだったように思う。
コーヒー・紅茶が配られ始めたところで、バイオリン・チェロ・ピアノによるミニコンサートが始まった。奏者の方によると、バイオリンとチェロの音色がDNAの二重らせんのように絡み合い、ピアノはらせんをつなぐ塩基のようなイメージに捉えて選曲したとのこと。そういわれて聴いてみると、飛び跳ねる音符たちが、自分の頭の中でらせん構造を作りはじめるから不思議だ。
生演奏が終わり後半に入ったところで、ようやくサイエンスのお話がスタート。スピーカーはNPO法人「くらしとバイオプラザ21」の佐々義子さんと株式会社「ホットスター」の唐崎健嗣さんのお二人。佐々さんは大学で物理学を専攻された後、再びバイオを学ばれ、記憶にまちがいがなければサイエンスカフェを専門的に研究された方でもある。唐崎さんは天文関係の画像や加工が本職であるとのこと。
お話の元ネタは―参加者にも回されていたが―『POWERS OF TEN』である。自然界のスケールを10の階乗で語ろうというものだ。人間の身長をメートルで表せば、人間を構成する細胞、核、染色体、DNAとミクロコスモスへと下りていくにしたがって、単位はミリ、マイクロ、ナノとマイナスの階乗になっていく。逆に三鷹、東京、日本、地球、太陽系、銀河とマクロコスモスへと上っていくにしたがって、単位はキロから光年へとプラスの階乗で進んでいく。
前半のミクロレベルは佐々さんが、後半のマクロレベルは唐崎さんが担当。個人的には目新しい話ではなかったが、お二人のトークはなかなか楽しかった。とくに唐崎さんはときどき参加者を巻き込みながら話をつなぎ、飽きさせなかった。また唐崎さんは国立天文台が公開している「4次元デジタル宇宙ビューワーMitaka」を使っていた。佐々さんはほぼパワーポイントだけだったのに対して、視覚的なソフトを使うとやはり参加者の目を引く。
三鷹は国立天文台があることで、天文関係の講演会やサイエンスカフェがよく開かれている。最近はとくに天文関係の啓蒙ではメッカのようになってきた。佐々さんによればバイオ関係はどうしても地味なので、今回は天文で有名な三鷹で天文とバイオをつなぐ試みをしたかったのだという。そこで思い付いたのが『POWERS OF TEN』―長さのスケールで宇宙からDNAまでをつなぐことだった。
実際にはどのようなタイムスケジュールだったのか知らないが、現実には食事に時間を取られ、参加者のフリートークがまったくなかったのが残念だった。そのため参加者のバックグラウンドや反応もよくわからない。自分の思いだけでいえば、10の階乗をもっと前面に出して、自然界のスケールにインパクトを与えたほうがよかったのではないだろうか。
今日のサイエンスカフェをサイエンス・コミュニケーションの観点から見ることも重要だが、少々疲れを癒すつもりで参加した者としては、なかなか贅沢な一時を過ごせたように思う。2時間の間にパスタのコース料理で味覚を、生演奏で聴覚を、最先端の映像で視覚を楽しませてもらったのだから。これでたったの2千円! ささやかな贅沢を味わった気分だ。今日の三鷹は北陸の冬を思わせるような鉛色の雲が空を覆い、ときどき小雪が舞っていた。それでも三鷹駅への帰り道は、ほんの少しこころが軽くなったような心地がした。
ここのところ多忙と体調不良でこころも身体も疲れ気味だが、今日は久しぶりの息抜き。三鷹ネットワーク大学の講座「第4回三鷹草の根バイオカフェ~長さのスケールで見る“ビッグバンからDNAまで”~」に行ってきた。いわゆるサイエンスカフェである。
三鷹ネットワーク大学(市民向けの公開講座)は三鷹駅南口のすぐそばにあるが、今日の会場は南口から徒歩5分の洋食店「モダンタイムス」。けっして広くはないが、落ち着いた雰囲気のお店。今日のランチタイムはもちろんバイオカフェで貸し切り。週日の昼間ということもあって、参加者20数名のほとんどが年配の方々で、いままで経験したなかではもっともサイエンスカフェ的ではない感じがした。逆にそこが新鮮でもあり、この2時間がどのように進んでいくのか興味深く見守っていた。
前半はランチを食べながら、まわりの参加者同士やスピーカーの方々と適宜おしゃべりを楽しむ。ランチは前菜に始まり、パン、スープ、メインの生ハムとキノコのパスタ、デザート、ドリンク(コーヒーまたは紅茶)と進む。パンとパスタはお店の手作りで、生パスタというものを初めて食べた。味付けは洋食のわりにはどれもあっさりとしていて、とても上品な味わいだった。あるCMのように「よけいなものが入っていない」といってもいい。パスタのコースにもかかわらず、箸と箸置きが添えてあり、年配者にとっては嬉しい心遣いだったように思う。
コーヒー・紅茶が配られ始めたところで、バイオリン・チェロ・ピアノによるミニコンサートが始まった。奏者の方によると、バイオリンとチェロの音色がDNAの二重らせんのように絡み合い、ピアノはらせんをつなぐ塩基のようなイメージに捉えて選曲したとのこと。そういわれて聴いてみると、飛び跳ねる音符たちが、自分の頭の中でらせん構造を作りはじめるから不思議だ。
生演奏が終わり後半に入ったところで、ようやくサイエンスのお話がスタート。スピーカーはNPO法人「くらしとバイオプラザ21」の佐々義子さんと株式会社「ホットスター」の唐崎健嗣さんのお二人。佐々さんは大学で物理学を専攻された後、再びバイオを学ばれ、記憶にまちがいがなければサイエンスカフェを専門的に研究された方でもある。唐崎さんは天文関係の画像や加工が本職であるとのこと。
お話の元ネタは―参加者にも回されていたが―『POWERS OF TEN』である。自然界のスケールを10の階乗で語ろうというものだ。人間の身長をメートルで表せば、人間を構成する細胞、核、染色体、DNAとミクロコスモスへと下りていくにしたがって、単位はミリ、マイクロ、ナノとマイナスの階乗になっていく。逆に三鷹、東京、日本、地球、太陽系、銀河とマクロコスモスへと上っていくにしたがって、単位はキロから光年へとプラスの階乗で進んでいく。
前半のミクロレベルは佐々さんが、後半のマクロレベルは唐崎さんが担当。個人的には目新しい話ではなかったが、お二人のトークはなかなか楽しかった。とくに唐崎さんはときどき参加者を巻き込みながら話をつなぎ、飽きさせなかった。また唐崎さんは国立天文台が公開している「4次元デジタル宇宙ビューワーMitaka」を使っていた。佐々さんはほぼパワーポイントだけだったのに対して、視覚的なソフトを使うとやはり参加者の目を引く。
三鷹は国立天文台があることで、天文関係の講演会やサイエンスカフェがよく開かれている。最近はとくに天文関係の啓蒙ではメッカのようになってきた。佐々さんによればバイオ関係はどうしても地味なので、今回は天文で有名な三鷹で天文とバイオをつなぐ試みをしたかったのだという。そこで思い付いたのが『POWERS OF TEN』―長さのスケールで宇宙からDNAまでをつなぐことだった。
実際にはどのようなタイムスケジュールだったのか知らないが、現実には食事に時間を取られ、参加者のフリートークがまったくなかったのが残念だった。そのため参加者のバックグラウンドや反応もよくわからない。自分の思いだけでいえば、10の階乗をもっと前面に出して、自然界のスケールにインパクトを与えたほうがよかったのではないだろうか。
今日のサイエンスカフェをサイエンス・コミュニケーションの観点から見ることも重要だが、少々疲れを癒すつもりで参加した者としては、なかなか贅沢な一時を過ごせたように思う。2時間の間にパスタのコース料理で味覚を、生演奏で聴覚を、最先端の映像で視覚を楽しませてもらったのだから。これでたったの2千円! ささやかな贅沢を味わった気分だ。今日の三鷹は北陸の冬を思わせるような鉛色の雲が空を覆い、ときどき小雪が舞っていた。それでも三鷹駅への帰り道は、ほんの少しこころが軽くなったような心地がした。
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