すべてだもの。
聞こえづらい片耳も、額の傷も、悲しかった経験も。
幸福とか不幸とかではなく、ぜんぶ、あたしの堂々とした生涯。
何かを持ったことなんて一度もないし、これからだって何も持つ気はないわ。
【月曜日の抹茶カフェ】から
クラゲ
ただ フワンフワンと泳いでいるだけ
それだけが 彼らのやること
そこに
どんな意味があるか とか、
どんな価値があるか とか、
どんな役割があるか とか、
何もなく、いまを全身全霊かけて ただ泳ぐ
人は頭で色々考えてしまう
意味付け 理由付け 判断して 比較して自分を上げ下げ
値踏みをする
そうして生きるのが疲れる時
きっと素に戻りたくなり クラゲを観にくるのかな
ニンゲンの時間の流れと クラゲの時間の流れは真逆だから
ないものに憧れを抱き、クラゲを観にくるのかな
大人に大人気のクラゲたち
そうだ、クラゲたち！
敢えて言うなら
あなた方の存在価値は 観られるほどに その価値が高まるのかも知れないよ
本を読んでいる時のニンゲンの姿って、好きだなと思う。
美しいって思う。
確かにそこにいるのに、どこかを旅しているのがわかる。
体は止まっているのに。何かが動き出しているのが伝わる。
【月曜日の抹茶カフェ】から
「あんたがたの大学では、知能や教育や知識が、偉大な偶像になっている。
でもぼくは知ったんです。
あんたがたが見逃しているものを。
人間的な愛情の裏打ちのない知能や教育なんて なんの値打ちもないってことをです」
【アルジャーノンに花束を】から