20210905
「甘酒屋」と云う酒屋がある。
6階建くらいのビルの1階路面店である。
私は何度か前を通るうち、
ふと頭に閃いたことがあり、
車を停めて店の人に訊いてみた。
私が尋ねたことの要旨は、
「こちらは何代目ですか？」
であった。
ふふふ、5代目です。と。
やはりそうか。
この街道が交差する場所で
100年以上商いをしているんだな。
初代当時はもちろん未舗装道路で、
すぐ近くには玉川上水が流れていて、
店も屋台だったかもしれない。
新宿追分で誰かと別れた旅人が
一旦ここで休憩したのかもしれない。
甘酒と団子で一服か。
いや新宿からでは近過ぎるか。
まあ神田や上野からならいい距離だろう。
タイムマシンに乗ったら過去に行きたい。
息をひそめて現代との違いを比べたい。
武家屋敷を見たいな。
葛飾北斎が歩いてないかな。
樋口一葉が雨に濡れていたら
傘を貸してあげたい。
未来になんか全然行きたくない。
未来への想像力はまったくゼロ。
過去ならあれも見たいこれも見たいが
未来に行っても何がしたいとか、
ひとつも頭に浮かんでこない。
人間性が後ろ向きなんだろうな。
とは言っても、
過去に留まって暮らすのも嫌だな。
寒いのが苦手だからな。
見物でいい。
つまり
後ろ向きかつ、手を汚したくない人間性？
傍観者？
今、甘酒からテキトーな答えに至ったが、
わりと当たっているかもしれない。
少し恥ずかしい気持ち。
がんばれ。
おつかれさまでした。
evolucio
