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誕生花としてのバラを学ぶ[第四章]文化・文明・宗教的な印象・象徴性

2021-07-11 | 探求:誕生花・花言葉

[写真は2枚]

全七回で学ぶ誕生花としてのバラ。

今回はその第五回目。

 

[第四章]文化・文明・宗教的な印象・象徴性

バラは古代から様々な文化・文明・宗教に影響を与えた。

逸話の多くがそれを物語る。

そしてその数は他の花を圧倒するほど。

それほどバラは人の心を魅了しかつ影響を与えてきた。

 

 

<<文化・文明>>

<古代ペルシャ>

紀元前20世紀ごろのギルガメッシュ叙事詩にバラが登場する。

「お前がこの草を手にするならお前は永遠の命を得る」

このように楔文字で彫られていたが、この草こそバラのこと。

また、愛と豊穣の女神イシュタイルにもまつわる。

「花の香りをかぐ女神」の塑像(そぞう)に描かれた花は薔薇と言われる。

 

<古代ギリシャ>

ローダンテと言う名のコリント出身の美女がいた。

彼女を狙う王侯貴族の付きまといに悩んでいた。

ある日、彼女は純潔の女神アルテミスの神殿へ避難した。

ローダンテを追う者たちは神殿の門を壊す。

アルテミスはその行為に腹を立てローダンテを赤いバラに変えた。


<古代ローマ>

1)ローマに置いてバラは贅沢のシンボル。

酒(ワイン)にバラの香りをまとわせ、浴槽にもバラの香りを漂わせた。

2)暴君で知られるネロが愛した花。

ネロは宴に招いた客をバラでもてなした。

天井にバラをつるし、花びらを降らせた。

寝る時はバラを詰めた枕に寝床にはバラを敷き詰めた。

3)ローマ北方地域

バラは沈黙の象徴。
美の女神ビーナス(※1)が性と愛の神で息子のキューピットにバラの花を上げた。

キューピットはそのバラを沈黙の神ハルポクラテスにあげる。

理由は神々の弱点とりわけビーナスの不倫を黙ってもらうため。

※1:ローマ神話のビーナスはギリシャ神話のアフロディーテ。

キューピットはエロスのこと。

 

<古代エジプト>

クレオパトラ(七世)はバラの香水風呂に入った。

バラ油で体を磨き、香りを身にまとった。

その香りでアントニウスを夢中にさせた。

 

<平安時代の日本>

中国からバラが伝わったとき漢名の「薔薇」を使った。

また呼び名のソウビ・ショウビは「薔薇」の音読み。

それまで日本に自生していた種と区別するためと言われる。

ちなみに自生種は「うまら」「うばら」と呼ばれていた。

万葉集の中で紀貫之が詠んだ歌にバラが登場する。

 

「我はけさうひにぞ見つる花の色をあだなるものといふべかりけり」

 

この中で冒頭の 「・・さ うひ・・・」は薔薇を意味するソウビにかけている。

歌の意味は「今朝見た美しい色の花はなんとなまめかしいのだろう」

ちなみにこの時代のソウビは赤いバラを指す。

 

<イギリス薔薇戦争>

ランカスター家とヨーク家の争い。

(1455年から30年に渡る戦争)

ランカスター家の紋章は赤いバラ、ヨーク家の紋章は白いバラ。

ランカスター家の遠縁とヨーク家王女の結婚で終結した。

終結後両家の赤白のバラが和解の印として組み合わさった。

それが紋章テューダーローズ。

テューダーはヨーク家王女と結婚したランカスター家遠縁者の名前。

また、戦争終結後に見つかった赤白の花びらを持つ薔薇の名前は、

「ヨーク・アンド・ランカスター」と名付けられた。

 

 

<<宗教的印象と象徴性>>

<イスラム教>

赤いバラは唯一伸アッラーを表す。

白いバラは預言者ムハンマドのこと。

ムハンマドが昇天するとき眉から滴った汗からバラが生まれたとされる。

 

<キリスト教>

美の女神アフロディーテの赤いバラは聖母マリアの象徴となった。

赤いバラは「マリアの喜び」を表す。

またマリアのバラは棘が無いとされる。

棘はキリスト教で「罪」の象徴のため。

 

赤いバラはキリストの象徴。

十字架に張り付けになったとき滴り落ちた血。

このときの血が白バラを赤いバラに変えたとされる。

このためシロバラは「殉教」の象徴。

また「マリアの悲しみ」を表す。


<ゾロアスター教>

開祖ゾロアスターの誕生伝説にバラが登場する。

バビロン王が民衆が待望する預言者誕生を聞いた。

その生まれたばかりの赤ん坊を火に入れた時のこと。

炎は全て赤いバラに変わった。

その時の赤ん坊こそ開祖ゾロアスター。

 

<ヒンズー教>

宇宙を創生したブラフマ神と宇宙を維持したビシュヌ神の話し。

ビシュヌが川に浮かんでいるとハスの蕾が開き中からブラフマが現れた。

そしてハスの花こそ至高の美と言った。

するとビシュヌが私の楽園にはハスよりも美しい花があると言い返す。

ならば見せてみろとブラフマが言うのでビシュヌは自らの宮殿へと連れて行く。

そしてバラの木がある一画へと案内した。

そこにはヒマラヤの雪のように白く芳香は祭壇の香に似ていた。

ブラフマはひれ伏し、

 

「貴方の言ったとおりです」

「これ以降ビシュヌこそ最高神となるでしょう」

 

と言った。

 


他にも多数の逸話が存在するがここでは割愛する。

興味がある方は以下の参考図書を求めるとよいでしょう。


<<参考図書>>

神話と伝説にみる 花のシンボル事典 杉原梨江子著 説話社

花の神話伝説事典 C・M・スキナー著 垂水雄二・福屋正修訳 八坂書房

花を愉しむ事典 J・アディソン著 樋口康夫・生田省悟訳 八坂書房

花の神話 秦寛博著 新紀元文庫

 

 

次回予定ではバラの民間療法や薬効について紹介。

 

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カテゴリー 「探求:誕生花・花言葉」

 

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