ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

86年 ロマーノ・ムッソリーニがセクステットを率いてシシリー、トラパーニの会場を強烈なグルーヴで包み込んだ "Caravan

2022-12-23 22:00:00 | Jazz Funk
Caravan preformed by Romano Mussolini sextet 1986

イタリアJazz界が誇るピアニスト、ロマーノ・ムッソリーニは「ドイツと同盟を結んだ」ベニート・ムッソリーニの子息であり、ファシズムとJazzは結びつけるのが難しいが、実は素地があった。国家ファシスト党を率いたムッソリーニ氏は未来派を筆頭とするイタリアの芸術家や学者との交流を持っていたが、海外でも当時ムッソリーニを好意的に評価した文化人や学者は多い。ソヴィエト連邦の作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーは「世界で彼を最も尊敬しているのは自分だ」と語っている。オーストリアの心理学者のジークムント・フロイトは自身も含めたユダヤ系ドイツ人への迫害を進めるヒトラーの盟友であるにも関わらず、ムッソリーニを「人類文明の英雄」と讃えているほど、高い評価を与えている。

第二次世界大戦終戦の1945年でロマーノは18歳、多感な青年期に過ごした大戦でムッソリーニ一族の光と影を経験した彼は、アメリカから流れて来たJazzに「自由」な世界観を感じたのではないだろうか。筆者がロマーノに注目しているのは、サンバ、ボサノヴァをレパートリーに加えており、貪欲に新しい世界、新しいリズムを見事に体得し作品になっている点だ。今回のライブ映像も会場を興奮状態に高めていることが分かる。

以前も紹介したページがあったのでリンクを貼っておきます。

イタリア・ジャズピアノの巨匠ロマーノ・ムッソリーニによる "Versiliana Samba"






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