ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

亡くなった後も常に時代の最先端で輝いているボビー・ジェントリー "Fancy"

2024-10-19 22:00:00 | Jazz Funk
Fancy performed live by Bobbie Gentry

ボビー・ジェントリーはこの曲を通じてフェミニズムを訴えていると言われている。

ボビーのコメント:"Fancy"は、ウーマンリブに対する私の最も強い主張だ。私は女性の権利に関する全ての深刻な問題(平等、同一賃金、託児所の完備、中絶の権利)の解決に立ち向かう運動に心から賛同している。

この曲はファンシーという名の架空の女性の18歳の貧困の夏を振り返ることで、ジェントリー自身のみすぼらしい少女期を描いている。ファンシーの 「平凡な白人のゴミ 」一家(赤ん坊の兄妹とその母親、父親は彼らを捨てた)は、「ニューオーリンズの郊外にある一部屋だけの古ぼけた小屋」という貧困の中で暮らしていた。母親は末期的な病気で、赤ん坊の面倒を見る術がない。

貧困の連鎖からファンシーを救おうと、母親は最後のお金をはたいてファンシーに赤い ダンスドレスと化粧道具と香水、そして"To thine own self be true"と刻まれたロケットを買い与える。彼女はファンシーに「山の手に引っ越しなさい」「紳士に優しくしなさい、そうすればきっと優しくしてくれるわ」と励まし、それがファンシーが経済的に自立する唯一の方法だと言う。

この曲がリリースされた1ヵ月後には、ボビーはカジノ王ビル・ハラーと4ヵ月間の結婚生活を送っている。アメリカのHarrah's Hotel and Casinos(現在はCaesars Entertainmentが所有しているようだ)で名を馳せたセレブだ。彼女が一瞬でも幸福を満喫したのかどうか分からないが、ボビーの次作アルバム"パッチワーク"が最後の作品になったことから、この結婚生活が彼女の創作活動に好ましくなかったことは想像に難くない。




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