ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

05年のツアーから グレッグ・レイク "From The Beginning"

2020-09-05 22:00:00 | Male Vocal
From The Beginning performed by Greg Lake


この曲が収録されているEmerson Lake & Palmer(ELP)のアルバム"Trilogy"の発売が1972年、当時の日本に世界の音楽事情がリアルタイムに入ってくるはずもなく、田舎でイギリス音楽シーンの妄想に明け暮れていた私は当然プログレッシヴ・ロックの文脈で当アルバム、そしてこの曲を愛聴していたのだけど、時代が回ると作者のグレッグ・レイクはアメリカの音楽シーンから多大な影響を受けていたことが分かる。

この72年というと、英国のアメリカンスクールで知り合った若者3名が作ったアコースティックバンドAmericaがヒットさせたA Horse with no nameあたりが同時期で、共に乾いた空気感とペシミスティックな心情を綴った歌詞が、今の時代にも新鮮に聴こえてくるから面白い。

1960年代から1970前半にかけ、アメリカは泥沼化していたベトナム戦争による国民の疲弊と経済的停滞、一方のイギリスは労使紛争の多さと経済成長不振のため「ヨーロッパの病人」と呼ばれていた時代。当時のミュージシャンが感じていたことを、政治的混乱と倫理の不在とでも言うべき現代の我々が同じように感じているのかも知れない。




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