Ponta de Lança Africano...Umbabarauma performed by Jorge Benjor and Brown
ジョルジ・ベン(現ジョルジ・ベンジョ―ル)のアルバム「アフリカ・ブラジル」が日本で発売された1978年当時、洋楽シーンは映画Saturday Night Feverで火が付いた大ディスコブームで、Earth Wind & FireやChic、シェリル・リンなどがヒットチャートを賑わせていた。勿論ディスコに行けば最新のヒット曲を堪能することが出来た。そして「アフリカ・ブラジル」もディスコシーンで大いに歓迎されていた。
当時、音楽評論家の皆さんはサンバとロックを融合させた画期的なアルバムと口をそろえて絶賛した。当時、私はサンバとファンクを融合させて、少しだけブルース風味を味付けした音楽と表現する方がしっくりくるな、とひそかに考えながらフロアで踊っていた。
このアルバムのタイトルの、アフリカとブラジルという二つの国名を並べたセンスの良さときたら。これだけで聴こえてくる音を想像させるではないか。実際にレコードに針を落とすと、"Umbabarauma"から最後の"Taj Mahal"まで、75年リリースのハービー・ハンコック”Hangup Your Hang Ups"のうねりにも似た音の洪水にすっぽり浸る事ができる。
ロッド・ステュアートが"Taj Mahal"パクりたくなったのも理解できるほど、ジョルジ・ベンの新たな試みはミュージシャンをも魅了し、彼のパフォーマンスも彼の楽曲も70年代の音楽シーンの中心で輝いていた。そしてクリエイティブな楽曲を作れるミュージシャンが少なくなった今、ジョルジの"Umbabarauma"の素晴らしさや美意識こそが、今の言葉で言うDopeなのだと彼のメッセージ受け取った。