サマラ・ジョイ "No More Blues"

No More Blues performed by Samara Joy at 25th Festival Internacional de Jazz de San Javier in Spain on July 21, 2023

天が授けたヴェルベット・ヴォイスを持つと評されるサマラ・ジョイだが、プロフィールを見て驚いたのは、祖父母がフィラデルフィアをベースに活動するゴスペル・グループ「The Savettes」のメンバー、そして父親が現代ゴスペル界のスーパースター、アンドレ・クラウチのツアー・メンバーという素晴らしい音楽環境の中で育ったという点だろう。声質など先天的に受け付いたものもあろうが、環境が彼女の音楽性を形成したと断言しても良いだろう。

15年 アレサ・フランクリン、第38回ケネディ・センター名誉賞の授賞式での絶唱 "(You Make Me Feel Like) A Natural Woman"

(You Make Me Feel Like) A Natural Woman performed by Aretha Franklin at the Kennedy Center in Washington D.C. in 2015

2018年8月16日、オバマ氏はX（旧ツイッター）でフランクリンを讃える以下の声明を発表した。「アレサはアメリカとその国民が経験した歴史の重みを歌で表現した。民衆の力、生活の苦しみ、社会の闇と光、救済への探求、そして苦労して勝ち得たリスペクト。このソウルの女王に永遠の安らぎを。」（管理人の抄訳）

68年 ブライアン・オーガー・アンド・ザ・トリニティー "Break It Up"

Break It Up performed by Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity

ブリティッシュ・ジャズ・ロックというと、特殊な撮影用フィルムを使って意図的にカラーバランスを崩したキーフのジャケット写真で有名なAffinityがバンドとして筆頭に挙げられると思うが、ジャズやソウルなど多様な音楽を貪欲に取り込みながら自分たちのサウンドを追求したブライアン・オーガー・アンド・ザ・トリニティーというバンドを記憶しておいて欲しい。何といっても女性ボーカルのジュリー・ドリスコールの音楽に対する探求心や実験精神が素晴らしく、彼らのアルバムを時系列で辿って行くと、ジュリーの歌い方の変化で当時の音楽の風景が垣間見えるのだ。サイケデリックからファンク、メロー、そしてアヴァンギャルドまで歌いこなす歌手は稀有だと思う。

71年 女性シンガー、ショーン・ロビンソンを迎えてMellowに向かう時代の空気を表現したピエロ・ピッチオーニの名作 "Once And Again"

Once And Again composed by Piero Piccioni 1971

76年 ウェザーリポート、モントルーでの伝説のパフォーマンス "Black Market"

Black Market performed live by Weather Report at Montreux 1976

ジャコ・パストリアス加入後のステージということで現在でも話題に上がるモントルーでのWRのライブだが、加入直後だったので控えめなのか、サウンドクルーの意図的なミキシングによるものなのかジャコのベースがオフ気味だが、独特の音色とリズムは十分すぎるほど堪能できる。彼の存在そのものが70年代から80年代の音楽界を引っ張っていったと今更ながら感じるパフォーマンスだ。