フィッシャー中将の艦隊運用の達人

かつては艦隊運営の天才と言われたフィッシャー中将が・・・白兵戦に勤しむ物語

宇宙をまたに駆けて

2007-04-12 17:23:59 | Weblog
先週は航海士としてのスキルアップの為、1級船舶の免許を取りにいった。
この種の資格は普通に生きていくうえでは全く無縁のものである。
私も艦隊戦の専門家として2級の資格は有しているが、1級にはさらに
いくつかの専門の知識がもとめられる。
さて前置きはこれぐらいにしてこの資格の説明をすることにしよう。
気象・海図・エンジンの三長官 もとい3項目から編成されており、
将来海軍若しくは宇宙艦隊に従事しようとする若者であれば欠かすことが
出来ないものである。
 おそらく宇宙で戦闘の経験があるかたならおわかりだろうが、
宇宙に無数に存在する宇宙気流・宇宙潮流は決して侮ることは出来ない。
また地球では台風と呼ばれるブラックホールの存在も忘れてはならない。
シュタインメッツ提督の有名な著書『スイングバイ』では提督自身も語って
いる通り、安全に艦隊を航行させるならブラックホールに近づいてはいけな
いと記している。また作中に何回も出てくるようにシュバルツシュルト半径
(可航半径)とよばれるエリアはあるが、これに頼るようであれば、既に
戦略が大きく間違っており、この戦術を使用したときには死すら覚悟するべきだ
とも記している。
 しかし彼は自分の過ちを冷静に分析し、また貴重な脱出経験を記している
ことなどから、宇宙兵士訓練学校のテキストとしてもっとも愛用され、多くの
学生達に影響を与えているのである。次に(宇宙航海図)海図であるが、
これは航行不能な宙域や海域をさけたり、潮流や気流により船体が流されて
いる時に、自分の現在地を正確に把握するのに非常に約に立つ。
 現在GPSとよばれる装置が普及しているがこれに頼りすぎてはならない。
かつてファーレンハイト提督が通常航路を外れて未開の航路を進んだ時も、
通常航路からの座標を正確にプロットし、無事イゼルローン要塞に
帰艦した際も、彼の有能な部下の宇宙航海士達が片手にコンパス、
片手に三角定規をもって、数百万回という座標の計算を繰り返したと
伝えられている。
(ファーレンハイト著書:我々は同士であって主従ではないより)
 彼らは宇宙兵士訓練学校では航海学の父もしくは航海学の双璧と
よばれる偉大な先人たちである。さて最後の一つエンジンについてだが、
これは、エンジン・冷却水・バッテリー等の技術的部門を学ぶことになる。
テキストの本編では過去にあったエンジン等の誤った使用方法について
そのほとんどがさかれている。
 例えばエンジンを連結して出力を上げる違法改良や燃料に誤って気体爆薬
を注入し大爆発したというものである。
私もこれをみて絶対に彼のような整備はしてはいけないと感じた。
授業がおわり、よく表紙を見ると著者は不明となっており
『技術大将シャフトの誤った整備と点検』
と書いてあった。

こ、これが戦い!!

2007-04-05 20:01:12 | Weblog
前回の大敗は私の心を腐敗させた。自分の世界に入ってしまいついつい会話を
無視したり、いろいろ愚痴を言ったりする自分に対してオーベルシュタイ(妻)
はゼークト提督と呼ぶようになってしまった。
下級仕官の分際で!!
 しかしこの段階で貴奴まで敵にしてしまっては作戦行動が立てにくくなる
・・・悔しいながらも怒りを抑えて、今日も同盟軍(シーバス)を撃滅するべく
意気込んでダゴン星域(日野川)に向った。
今日は何時になく宇宙気流が激しく、索敵すらままならない。
もちろん見方の友軍(釣り人)もいない。しかし最近の戦いの無様さを考えれば
今日は流石に戦果をあげなくては、シュトックハウゼン(娘)や
オーベルシュタインにばかにされてしまう。
 AM1:00からはじめ戦闘はすでに5時間目に突入しようとしていた、勝敗の行く経は誰の目にも明らかであり、疲労困憊の私はすでに兵士と呼べるような状態ではなかった。そのような時オーベルシュタインから定時連絡が入った。朝ごはんが出来たようだ。戦場を放棄するのは軍人として許されない行為だが、勝敗は既に着いている。内心少しほっとしたのかもしれない。疲れの為か眠気の為か、砂浜に腰をかけながら青く透き通った空を見ながら30分近くうとうとしていたようだ。その時またオーベルシュタインから連絡が入った。
オーべ:『今日も仕事でしょ!!早く帰りなさいよ』
私『!!』
オーべ『どうせ釣れなかったんでしょ!!』
 その言葉だけは・・・許せん。
私『 汝は武人の心を弁えず、われ死して名誉を全うするの道を知る、
生きて汚辱に塗えるの道を知らず』
一方的に通信をきり玉砕覚悟でダゴン星域(日野川)の海水の中に
足を踏み入れた。ウエーダーをつけて腰まで浸かるとさすがに4月の
水温がまだ厳しいことを思い知らされる。
しかし私のお腹の周りの流体金属の層も半端ではない。
レーザー程度の波であれば、全く問題はない。しかし、
この時期の波は気まぐれだ。
三角波となって増徴した波がガイエスハーケンとなって襲ってきた。
一撃で・・・
 全身海水だらけ。髪の先までびしょ濡れだ。
私は完全に戦意を失った。数分前までの心地よいまどろみが嘘のようだ。
おかげで目が覚めたのはいいが、本当に溺れて死ぬところだった。
戦いは常に冷静に、そして謙虚でなくてはならない。

失意

2007-04-02 18:30:11 | Weblog
今日はアムリッツァ星域(境水道方面)にて艦隊戦によるシーバス捕獲作戦
を行なう為、総参謀長と共に、この危険な星域に足を踏み入れている。
私の名前はロボス。この辺りには宇宙海賊(漁師)が派手に荒らしまわり、
かなり危険な宙域である。この辺りでは例年、陸からの白兵戦で多くの
兵士達がかなりの釣果・・・もとい戦果をあげている。しかし白兵と艦隊戦
では雲泥の差が出る。3月の中頃、どうもシーバスの65~75cmが一船艦当たり
30~80匹も揚がったそうである。昨年の暮れなど1隻当たり3桁ということも
あったらしい。私はこの情報に踊らされてこの星域にやってきたのだ。
敵軍を向え打つには、まず敵より早く布陣しなくてはならない。
帝国時AM4:50分に布陣を終え、敵艦隊がこの星域に訪れるのを待った。
総参謀長(妻)は年柄にもなくはしゃいでいる。夜が僅かに白みがかる
6:10分頃、既にしゃべり疲れ、少し酔ったのか口数が少なくなってきた。
だがこれから間違いなく釣れるという期待感が、どうにか精神を保たせて
いるのだろう。それから数十分後異変が起こった。数ヶ月前なら間違いなく
集まってくる貴下の艦隊(プレジャー船)が集まってこない。
やって来たのは悪名高き劣悪遺伝子排除法!!(2艘引き・・・大きな網を2艘の船
で曳く漁法)というその星域に集まる弱い魚たちをすべて排除してしまう強力
な兵器である。数えただけでも10個艦隊はゆうに超えている・・・
私たちは嵌められたのだ。完全に漁師の群れに包まれていたが、多大な犠牲を
払いながらも何とか脱出することが出来た。このままでは終われない!!
私『兵力の再編成を行なう』 
参謀長『閣下!!』 
私『このまま引き下がるわけにはいかんのだ』 
私『全軍アムリットツァに終結!!これは命令である』
・・・だがこの後の展開は史実の通りであり、完膚なきまでに
叩きのめされることとなる。銀河の歴史にまた1ページ