キク科の白い花は識別が難しく、名札だけが頼りになる。これは神代植物公園でシロヨメナと表記のあったものである。高尾山にもたくさん咲いていた。わたしたちの日常に親しい花であるだけに、類似の種が多くなるのだろう。
(2019-10 東京都 神代植物公園)
山に多く、林縁などの半陰地に生える。全体に毛は少なく、まばら。茎は直立~やや斜上し、やや紫色を帯び、下部はほぼ無毛。葉は長さ5~15㎝、幅2~5㎝、先が尖り、長楕円状披針形、3脈が目立ち、下部の葉では粗い鋸歯がある。葉に毛がほとんどないため、葉裏の脈が目立ち、ざらつかない。基部はくさび形で、根元に近いところでくびれてやや翼状になり、柄はほとんどない。花柄は長さ0.5~3㎝。花は普通、白色で、直径1.5~2㎝と小型。総苞は長さ約4㎜、筒形~球形。総苞片は3列。果実は長さ2~3㎜、冠毛の長さ3~4㎜。2n=18,(45),54
分類が難しく、学名には諸説ある。Aster ageratoidesは中国、台湾、朝鮮にも分布する。花が紫色を帯び、日本のシロヨメナとはやや異なるところもある。日本のシロヨメナでも、四国には紫色を帯びるものが多い。
ナガバシロヨメナvar. tenuifolius は渓流型の変種。葉が細いのが特徴。変異が連続的である。
ケシロヨメナ var. intermedius は葉裏に短毛が多く、長軟毛が少ない。ビロード状でなく、手触りがざらつく。4倍体2n=36
アキハギク Aster sugimotoi は明瞭な葉柄がある。
ノコンギクは茎や葉に短毛があってざらつき、葉がやや丸く、葉柄があり、頭花が大きい。ノコンギクの葉の細いもの(変種のホソバコンギクとされる場合もある。)と見間違えやすい。
イナカギク(ヤマシロギク)は茎や葉にビロード状の白毛が密生し、葉の基部がやや茎を抱く。葉裏に長軟毛がある。
[花期] (8)9~11月
[草丈] 30~100㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 山地の林縁、林内
[分布] 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾