なんとも不思議で見た者を圧倒する花「オオツルボ」。学名のシラー・ペルビアナで呼ばれることが多いらしい。スペインやイタリアでは道端に野生で生えているという。こんな花が道端に開いていたら、日本人ならびっくりするかも。
(2020-04 川崎市 花壇)
シラー・ペルビアナ
学名…Scilla peruviana
和名…オオツルボ(大蔓穂)
科名…キジカクシ科
属名…ツルボ属(シラー属)
原産国…ヨーロッパ、北アフリカ
花色…青紫、白
草丈…20㎝~50㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:7 to 10
シラー・ペルビアナは、地中海沿岸部に分布するキジカクシ科シラー属(ツルボ属)の球根植物です。
分布域はイベリア半島、イタリア、北西アフリカ広がっており、道ばたや草原、牧草地や森林の開けた場所などに自生しています。
「ペルビアナ」とはペルー原産という意味ですが、ペルーに自生はありません。
ペルビアナの名前は、17世紀スペイン南部で発見された本種がイギリスに持ち帰られた際に、「The Peru」という名の船に乗っていたため、その船名に因んで付けられたものです。
シラー・ペルビアナの花期は5月頃。
花期になると、葉の中心部から花茎を真っ直ぐに伸ばして花序を出し、星形の花を20~100輪ほど、まとまって咲かせます。
花は花径2㎝程度で、ゆるく反り返った6枚の花弁を持ち、真っ直ぐに伸びた6本の雄しべの葯が目立ちます。
花序は傘状で、花は花序の下から上(外側から内側)へと咲き進みます。
基本種の花色は青紫ですが、白花品種も近年流通するようになっています。
葉は幅のある線形の根生葉で、長さ20~30㎝程度に伸びます。
耐寒性があり、丈夫な性質で、数年は植えっぱなしでもよく花を咲かせ、よく増えます。
梅雨ごろになると地上部を枯らせて休眠し、秋に再び芽吹きます。