昨日この映画を観た。
「ヒトラーのための虐殺会議」
史実が元になっている。
1942年1月20日正午、ドイツ・ベルリンのヴァンゼー湖畔にある大邸宅にて、ナチス親衛隊と各事務次官が国家保安部長官のラインハルト・ハイドリヒに招かれ、高官15名と秘書1名による会議が開かれた。
議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」について。
「最終的解決」とはヨーロッパにおける1,100万人ものユダヤ人を計画的に駆除する、つまり抹殺することを意味するコード名。アドルフ・アイヒマンによって記録された会議の議事録は、1部のみが残されたホロコーストに関する重要文書。
この映画は、その議事録に基づき、80年後の2022年にドイツで製作された。
私はこの会議のことを知らなかった。
いや、むしろユダヤ人虐殺はヒトラーの一存で実施されたものだと思っていた。
たった90分の会議で1100万人もの罪なきユダヤ人を抹殺する手段が決められる。
ユダヤ人は自分たちから奪ってきたから、ユダヤ人は悪だからと虐殺を正当化。
この映画の一番の恐怖は、誰もユダヤ人を抹殺することに異を唱えず、己の利益だけを考え淡々と会議が進んで行くこと。
なにより一番怖いのは、音楽が一切ない。
無音で流れるエンドロール。
劇場にいる人が微動だにせず、息を殺している。
久々に”怖い”映画を観た。この後味の悪さ…
そういえば1月27日はイタリア語では”Giorna della memoria”と呼ばれているが「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」だ。
1945年1月27日、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所がソ連軍によって解放されたことによる。
昨日この映画を観て昔アウシュヴィッツに行った時のことを思い出した。
会議で語られていたように、この線路から110万のユダヤ人がヨーロッパ各所から送り込まれた。
ここを訪れた2005年はまさか再度悲惨な戦争が起ろうなどと思ってもみなかった。
なぜ人間は同じ過ちを繰り返すのだろうか。
重いけど、勇気を持って見て欲しい映画だった。
金閣寺の雪景色、遅ればせながら拝見しました。素晴らしいですね。写真からは静寂感が漂っていましたが、観光客は戻ってきているのでしょうか?
既に春の訪れを感じさせる写真も多くなりましたね。