イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Madridの美術館その1ーゲルニカ

2012年06月03日 10時33分54秒 | 他の国

ようやくマドリッドのお話です。
早起きすると時間が有っていいねぇ~

さて、今回マドリッドに行ったのは、食べるため・・・ではなくて、いくつかどうしても見ておきたいものがあったから。
1番の目的ははもちろんプラド美術館!!
そしてピカソのゲルニカで有名なソフィア王妃芸術センター

このエレベータの感じがパリのポンピドゥーを彷彿とさせた・・・私だけかな?
こちらは珍しく火曜日がお休みで10時から21時まで(日曜日は14:30まで)
いや、スペインはホント夜型。
観光客的にはせめて9時には開館して欲しいんですけど・・・

私がこちらに到着したのは6時過ぎ。
それまではプラド美術館三昧。さすがに足も頭も限界に近かった。
まず入り口で、とりあえず学生証を出してみたすると「無料です」と。
スペインでは唯一ここだけでしたが・・・大抵年齢制限で引っかかります。どう見ても26歳以下にはねぇ。

入り口脇のロッカーに荷物を預け(有料1€)身軽になったらちょっと元気に。
いやいや、ここに来る前に飲んだこれが元気の源では?

一杯1.7€、だっていうからチップ入れて2€おいて来ました。

芸術センターの向かいにあるバルです。

さて、芸術センターの方ですが、私は修道院か何かかと思っていたのですがもともとは
かつての国王カルロス3世が建築家サバティーニに建てさせた病院を美術館にしたもの、
 
ということで、普通の美術館とちょっと変わっていて、小部屋に分かれている。
会場は現在4階と2階。メインのゲルニカは2階に展示されている。
この2階のメイン会場(?)以外はフラッシュなしの撮影OK。

私は4階からスタートしたのだが、現代アート・・・よく分からん。
名前も知らない人ばっかり・・・とか思っていたらいきなりピカソがあったり。

とにかく会場は広いんです。

こちらは廊下においてあったMan Ray(マン・レイ)の作品。

しかし、どこに有るんだ「ゲルニカ」は???
と思いながら2階に下りると、すぐ分かりました。
そこだけすごい人・・・更に警備員が絵のそばに。

個人的には期待しすぎたのかな?
実はもっと感動するかと思っていたんだよねぇ・・・もっと大きな作品だと思っていたし。
ただ、話はここで終わりではなく、最近現代史を勉強していて、この絵ではなく、史実、実は歴史に大きな影響を与えていたことを知ってから、自分の印象がまた変わってきた。

ゲルニカが市民戦争中の1937年4月26日ドイツ軍によって爆撃され、1000人以上死者が出た。
(最近の調査では300名くらいというのが主流)
その惨事がピカソの作品のテーマになっているということはあまりにも有名。
ただ、このスペインの市民戦争が実は第2次世界大戦の引き金になったこと、ドイツ、イタリアがこの市民戦に大きく関与していたということは全然知らなかった。
知らなかったの、私だけ???

詳しく知りたい方はこちらのサイトが非常に分かりやすく説明しています。
http://stanza-citta.com/bun/2009/02/11/307
ちなみに、私が試験勉強用に読んでいるイタリア語の本には「ドイツがゲルニカを襲撃したのは、最新爆撃機の実験という目的も有った。」ということが明記されていました。

自国同士で戦い合う。
ヨーロッパでは結構当たり前のことなのですが、私たち日本人には幸いそういう悲劇がなかったは本当に幸せなことだと思う。
ちなみに今私の頭を悩ましているのはNazionalismo(ナショナリズム)という概念。
領土、言語、民族・・・島国日本には本当にピンと来ない概念です。
統一国家・・・これが昨日のFesta della Repubblica(共和国記念日)への思いにもつながるというわけです。
そんなこんなであっちこっちに引っかかりなかなか試験勉強が進まない昨今です。

ちょっとテーマが重くなってしまいましたね。
ちなみにこの美術館、9時閉館だけど、閉館10分くらい前から追い出し作戦が・・・
ミュージアムショップで絵葉書くらい・・・と思ったのに、10分前で既にしまったいました。
是非ゲルニカを見る方は、スペインの歴史もちょっと勉強してみてくださいね。



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