イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

新教皇誕生

2013年03月13日 22時01分42秒 | イタリアのテレビ・ニュースから

19時頃、家路を急いでいると、どこからともなくものすごい鐘の音が聞こえてきた。
「何?」と思ったのは一瞬。
「あ~決まったな」と
空を見上げたら、きれいな三日月が浮かんでいた。

中世史の授業の時、教授が「中世の頃から鐘の音は凶事や慶事を伝える一番的確で早い手段だった」という話があり、とても興味深く聞いていた。(その割りにテストの点数が良くなかったのよねぇ・・・)

家に帰ってテレビをつけると当りだった。
システィーナ礼拝堂から白い煙が上がったのは19時を少し過ぎたころ。
19時に煙が上がるはずなのに、遅れていたことで、次は”白”とみんなが思っていた矢先だった。

私は、この煙を見るのは2回目なのだが(もちろんテレビでだが)、前回の2005年4月はイタリアのことも、キリスト教のこともあまりよくわかっていなかった。
今は教皇が話していることも直接分かるようになったし、いろいろ勉強もしたので、何もかもが興味深い。

そして1時間後、20時過ぎ
Habemus papam
新しい教皇が誕生したことが告げられた。
コンクラーベの責務はVescovo di Roma(ローマの司教)を選出すること。
Pietro(初代ローマ司教ペテロ。イタリア語:ピエートロ)の266代目の後継者。
Vicario di Cristo,キリストの代理人。
La chiesa ha il nuovo Papa.
教会は新しい教皇を迎えました。

新しいPapa(教皇)は自分でも言っていたが、世界の果てからやって来た。
そう新世界から。
教会史上初、ヨーロッパ大陸以外出身(但し、イタリア人移民の家系。ピエモンテ出身)アルゼンチン人。
そしてこれも教会史上初のイエズス会出身。

新しいPapaの演説(?)を聞いていたら、信者ではない私も感動して涙が出た。
Papaの第一声はFratelli e sorelle,buona sera.と始まった。
私が知っている3人の教皇の中でもこれほどsimpatico(親しみ深い)Papaはいなかった。
まず始めに「前教皇(il vescovo emerito:名誉司教となっていた)の為に祈りましょう」と。
そして
Pregiamo per tutti.
全ての人の為に祈りましょう。
Pregiamo per il mondo.
世界の為に祈りましょう。
そして信者に「まず私たち枢機卿の為に黙祷して下さい」と。
そして信者と共に祈りましょう、と。

今教会は数々の大きな問題を抱えている。
この”過去”の教会を変えるのにふさわしい新世界からやって来たPapaはこれも初めてFrancescoの名で呼ばれる。
当然第2のFrancesco d'Assisiを彷彿とさせる。
Povertà(清貧)
Carità(慈愛)
Umiltà(敬虔)
そう、教会を建て直すことに一役を買った彼のように。

Buona notte e buon riposo
新しいPapaの演説はこうして締めくくられた。
教会の新しい時代は今日開かれた。



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