イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

ちょっとローマまで行ってきました。ーその2 フェルメール展

2012年11月23日 00時40分14秒 | Mostra(展覧会)in Italia

さて、お約束通りフェルメール展のお話。
10時半に入場したのはいいけど、やっぱりこの時間は駄目ね。
団体がい~ぱい。
結局3時間も居たので、お昼の時間には全然いなくなっていた。
美術館に行くならお昼の時間が一番空いてるし、午後の方がましよね。

で、今回全部で37点しかないフェルメールの作品のうち8点がRomaに集まっていた。
日本に行ったのは1点でしょう?
それを考えたら、やはりすごかったね。
「止まらないで下さい」とうるさく言われることもなく、1メートルも離れていない位置から好きなだけ作品を眺めることが出来るんだから、贅沢だなぁ・・・
例の"真珠の耳飾の少女"あれが東京に来ていると時、私日本にいたのに何で見に行かなかったんだろうと思ったけど、高いお金払って見に言ってもすごい人なんだもん。
まぁ近いうちにオランダ行くだろうって気持ちも有ったしね。

さてさて、この8点ほとんどが現在アメリカ所蔵のものばかりでした。
今日は珍しく作品の紹介などして見ましょう。(食べ物だけじゃなく、たまにはまじめにね)

最初はアムステルダム美術館所蔵の

2点しかない風景画のうちの1枚でとても有名な"小道"
いや~オランダ絵画独特の色使いと光と影の使い方。
1657〜1658年頃の作品

そしてフェルメールの真作であるかどうかについては意見が分かれる。真作とすればもっとも初期(1655年)の作とされる聖プラクセディス

バーバラ・ピアセッカ・ジョンソン・コレクション
今回フェルメールの作品だけバックの壁が濃い紫になっていた。
いつもの展覧会に比べたら照明がかなり暗いのは、やはり光と影を強く意識したオランダ絵画をよりよく見せるため、なんでしょうけど、渡されたパンフレットが読めない。最近特に老眼が始まったか、手元が見づらいってのに・・・

この後に見たのが

ドイツ、ブラウンシュバイク(ってどこ?)のヘルツォーク・アントン・ウルリッヒ美術館所蔵。
日本語題は『2人の紳士と女』とも言われる。1659~1660年頃の作品。
なぜかこれだけガラスでしっかり作品が覆ってありました。
『室内の男女、ワインを飲む女性というテーマは明らかに男性から女性への誘惑を意味している。』そうです

そしてここから会場は上の階へ。
最初に見たのが今回ポスターなどにも使われた

赤い帽子の女
ワシントンのナショナルギャラリー所蔵
これすごく小さな作品でした。
『他のフェルメール作品に比べて例外的にサイズが小さいこと、カンヴァスでなく板に描かれていることなど異色の作品であり、フェルメールの真作であるかどうか疑問視する意見もある。絵の前面には、フェルメールの絵にしばしば登場する、背もたれに獅子頭の飾りの付いた椅子の飾りの部分のみが見えている。絵の各所に見られる、フォーカスがぼけたような表現や点描風の描き方は、カメラ・オブスクーラを利用して作画したためではないかと言われている。エックス線写真によって、この作品は男性の肖像を描いた別の絵を塗りつぶして描かれたことがわかっている。』

そして

リュートを調弦する女
『本作品は保存状態が悪く、画面の傷みが激しい。題名は『窓辺でリュートを弾く女』とされることもあるが、画中の女性はリュートを弾いているのではなく、調弦しているところである。女性は窓の外を見つめ、誰か(おそらくは恋人)のやって来るのを心待ちにしている風情である。画面の暗さと傷みのためにわかりにくいが、画中にはもう1つの楽器(ビオラ・ダ・ガンバ)があり、向かって右には空席の椅子があることも、やがてやって来る来訪者のあることを暗示している。』
この作品が置かれた部屋は"音楽"に関する部屋で楽器を描くことは愛を意味していたということでした。

そしてお次は

ヴァージナルの前に座る若い女
1670年ごろの作品で2004年サザビーズのオークションに出され、現在は個人蔵となっている。
『本作品はベイト・コレクション旧蔵で、文献で初めて紹介されたのは1904年であるが、長年模作または贋作と見なされていた。専門家による鑑定の結果、キャンバスと絵具が17世紀のものであることが明らかとなり、フェルメールの真作と見なされるようになったのは2004年のことであった。そして同年のサザビーズのオークションに出品されて一般に知られるようになった。2008年の東京におけるフェルメール展の監修者であるピーター・C.サットンは、この作品のカンヴァスの組織が『レースを編む女』のカンヴァスとほぼ同一であり、両者は同じ布から裁断されたと推定されること、本作品と『レースを編む女』のモデルの髪型がほぼ同じであること、本作品にはフェルメール特有の画材である、高価なラピスラズリが使用されていることなど、作風、技法の両面から、本作をフェルメールの真作と断定している。一方、小林頼子のように本作を真作と認めるにはなお検討を要するとする立場の研究者もいる。』

音楽バージョンというか楽器バージョンは続きます。

ヴァージナルの前に立つ女、1672~73年ごろの作品
『似た主題の『ヴァージナルの前に座る女』とともに晩年の作品と見なされている。左方の窓から光の入る室内という設定はおなじみのものだが、この作品では、室内全体が明るく照らされていることと、女性が光に背を向けて立っている点が他の作品と異なっている。背景の画中画はトランプの「1」のカードを持つキューピッド像で、女性の愛がただ一人の人にのみ向けられるべきものであることを意味している。同じ画中画は『中断された音楽の稽古』にも見られる。室内の壁の一番下、床との境目の部分には白地に青の模様の入ったデルフト焼きのタイルが貼られている。これは壁のこの部分が掃除の時などに傷むのを防ぐためのものである。』

そして最後の最後が

メトロポリタン・ミュージアム所蔵の信仰の偶像
これでした。
『片足を地球儀の上に乗せ、片手を胸に当てる女性は信仰の寓意像であり、手前の床に転がるリンゴと血を吐く蛇は原罪の象徴である。女性の視線は天井から下がるガラスの球体に向けられているが、この球体は信仰を受け入れる人間の理性の象徴とされている。女性の服装を含め、画中の道具立てはペルージャ出身のチェーザレ・リーパが著した寓意画像集『イコノロギア』に基づくものであることが指摘されている。背景の画中画はキリストの磔刑図で、ヤーコプ・ヨルダーンスの作とされている。オランダでは建国以来プロテスタントが支配的で、フェルメールの住んだデルフトも例外ではなかったが、本作品に見られるキリスト教のモチーフはカトリック的であり、カトリック信者からの注文と思われる(フェルメール自身は、結婚時に新教からカトリックへ改宗したと推定されている)。本作品については、細部はよく描かれているものの、女性の身振りが芝居がかっていて品位に欠ける点、女性の身体把握(特に右脚の位置)に不自然さが見られる点などから、現代の美術界ではあまり高い芸術的評価は与えられていない。しかし、それは画面手前ではなく、画面中央に位置する女性の信仰こそが主題であることが理解される時に、評価が大きく変わることであろう。』

『』の中はwikipediaから

とまぁ早々たるメンバーでしたが、今このWikipediaのページを見ながら1つひらめいた。
すっかり忘れていたけど、2008年東京都美術館で開催された「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」 で
『小路』 (日本初公開)、『ワイングラスを持つ娘』 (日本初公開)、『リュートを調弦する女』、『ヴァージナルの前に座る若い女』(個人蔵) (日本初公開)の4点が公開されていた。
ははは、すっかり忘れてた。

このフェルメールの作品以外に47枚の同時期のオランダ絵画を代表する画家の作品が展示されている。
ということで3時間たっぷり行ったりきたりして何度も見つめてしまった。

そしてなんと言ってもこれ

展覧会場は写真撮れませんが、ここからはこんな絶景が臨めます。
ということで、次回は他の展覧会と・・・ふふふ、お楽しみに。



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