イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Ultima lezione

2010年05月13日 01時35分57秒 | イタリア・大学
お~い、いつになったら雨やむんだよ
地面が乾く暇がございません。
今もまた降って来た・・・

今週で後期の授業は終了です。
「早い!」って言った???
恐怖の試験期間に突入・・・い、胃、が痛い。
毎年この夏の時期の試験ってやる気が起きないんですよねぇ。
ってそんなこと悠長に言ってる場合じゃなないんですけどねぇ・・・

ところでそれはさておき(さておくな!)
今日Letteratura italiana(イタリア文学)の授業が最後だったんです。
最後・・・Ultima lezione
実は、私たち生徒にとってというだけでなく、教授の最後の授業でもあったんです。
そう彼は今年で退職します。

Letteratura italiana
面白くないんだよねぇ・・・とず~と思っていた。
わたくし、こう見えても(見えないって)国は違えど文学畑の出身
なんて、自慢は出来ないです。
日本文学だって、原本で読んだことのある作品は少ないもんねぇ・・・自慢するな!
だって"古典"て難しいよ。外国語と同じだモン。
イタリア文学だって同じです。
ラテン語よりはましだけどねぇ・・・厳しい!
ってこの教授の授業を受けるまでは思っていたんだよねぇ。
それが「D教授の授業はすごく面白い!」の評判どおり
私でも笑えました。

題材は全60時間(それしかないの?と突っ込まないでくださいよ)
Boccaccio
メインはもちろんDecameron(デカメロン)なんですが
もちろん3大古典作家(っていうのかな?)DanteやPetrarcaも絡んできます。
イタリア文学の最盛期ですからねぇ。

ところで、こちら和訳もされていますが、読んだ事あります?
私の意志ではなく、うちには2種類の和訳があるんですけど・・・
つまりイタリアを去った人たちが置いていってくれたってこと。
2種類も有るということは
「イタリアに来たんだからデカメロンくらいは読んでおこう」と思った人が
最低でも2人はいたということよねぇ・・・

ほぼ全編が訳されている岩波文庫は最悪・・・
って仕方ないね初版1957年だもんね
日本語が分からん、漢字読めん!

もう1つ・・・あれ?これ私が持ってきたのか?
講談社文庫は1989年だけど、欠けてる
それも一番重要(と教授が言っていた)3日目と4日目がないじゃん!
まぁいい、翻訳に頼るな!(自分に言い聞かせてるだけです・・・)

試験勉強をする過程で、内容についてはここでも紹介しようと思っております。
もちろんSpero(自分で自分に期待してるだけ)ですけどね。

そうそう、で、最後の授業だったわけですが
以前ここで「教授の品格」と題して文句を言ったことがありますが、
こういう人こそ教授の鏡ではないだろうか・・・

Professore("教授"と訳しますが・・・)という職業は、イタリアでもちょっと特別なニュアンスがある。(気がする)
イタリアではCattedraと呼ばれる教壇。
教皇が座る場所の意味もあるこの言葉。
もちろん神聖なんでしょうねぇ。
服装にあまり厳しくないイタリアでも
教授は、スーツにネクタイが義務!
と言われている。
またこれがすごく不思議なのだが、教授たちは学生たちにも"Lei"(敬語)を使って話す。
学生が教授に敬語で話すのは当然だが・・・
未だにこれ、慣れないなぁ・・・
なぜだったか、一度外国人大学に通っている頃聞いていた生徒がいたが
忘れた…
イタリアでもまだまだお堅い職業。
もちろんここはイタリア、イレギュラーな人の方がい多いけどね。

さてさてこの教授に関しては、最初一番驚いたのは
中高生が持っているあのイタリア特有のリュックを持っていた。
ご子息のものか本人のものかは定かではないが、とても使い込んだ感じ。
このリュック、使い勝手いいのか何なのか、結構年齢がいっても使っている人がいるのは確かだけど・・・
ちなみに日本人友人(女性)でこれを購入したって人がいますが(読んでたらごめんね~!)
そこから毎回本や資料が出てくる。
本が重いので重宝しているのだろうが・・・
更に驚きなのは、なんでも自転車で大学に来るらしい
定年退職だから、齢60歳!?

そして最終週の今週はなぜかジーンズで登場。
親近感を否めない・・・くくく
ジーンズ姿でリュックをしょって、自転車通学する大学教授。
ここはイタリアだった

そんな教授の口から語られるデカメロンのあらすじは、
まるでそこいらのイタリア人の立ち話みたい。
おいおい、と思うような話からえ~と思うようなことまで。
もちろん、ここではかけないようなすご~い話もあります。
なんと言ってもデカメロンと言えば、そちらの話、多いですからねぇ。(どちらか分かった方は・・・内緒でね)
本当に面白かった。(覚えているか否かは別問題)
思わず拍手モンだ・・・と思っていたのは私だけではなかった。
授業の終わりを告げる最後の言葉の後、自然と全生徒が拍手
こんな授業今まで見たことがない!
感動

ここ最近自分の興味以外の科目に翻弄され
大学に留まることに疑問すら覚えていたけど
こういう出会いもあるからもう少し頑張ることにしますわ。
そう、興味の対象は美術でも、文学も歴史も知らないでは済まされないのでございます。

Tanti auguri prof.!
試験はお手柔らかにお願いします
こういう偉大な教授たちが、今期を最後に大学を去るのが非常に残念だ。
全く、政府は・・・とまたそこに戻ってしまうのでありました。
さ、勉強するか
あれ?


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