イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

外国人館長を迎えることは・・・

2015年08月18日 20時24分56秒 | イタリア・美術

さっきニュースを見ていたらちょっと気になるお話し。
今日はイタリア国内の20の国立の美術館、博物館の新しい館長が発表になったとか。
ふ~ん、と聞き流そうと思ったのですが、ちょっと気になった。
20名中男性10名、女性10名というのはよい。
なんと30代のの人までいるというのも良い。
しかし、ニュースでも特に強調していたのは、
20名中7名が外国人であること。 
他にもイタリア人4人が外国帰りなんだとか・・・

う~んさすがにこれは私でも気になるなぁ。
最後に政治活動もしているVittorio Sgarbiという美術評論家が猛烈批判していたけど、
分かるなぁ・・・

美術の世界ではどの人も素晴らしい経歴の持ち主だし、
もしかしたらイタリアのカビの生えた古臭い因習を変えてくれるかもしれない。
でもねぇ…
まずはこの就職難の現在、わざわざ外国人を雇うことを非難されても仕方がない。
Sgarbiも言ってたけど、コツコツ頑張って来たイタリア人が報われない。
確かに今のイタリアは人材不足なのかもしれない。
美術史では最高峰と言われるうちの大学の教授たちだって、昔に比べたら冴えない(失礼!)感じだもんね。
でも私は「フィレンツェで美術史を勉強したということは、世界中どこへ行っても誇れることだ」と言われたからここに来たわけだし、
同じ大学でも他の学科とは違うと思っている。
しかしねぇ・・・これはなんなんでしょう?
こういう分野だからこそ、外国人ではなくイタリア人を据えて欲しいとイタリアで勉強したからこそ思うし、
やはりいくら日本美術のエキスパートですと言われても、東京の国立博物館の館長が外国人だったら私も嫌だなぁ・・・

今の文部大臣、やっぱり駄目だと思う。
先日も文化省がコロッセオの床を直すのに約26億の予算を承諾したという日本語の記事を読んで(こちら
FBに「他に優先することだるでしょう」とコメントを出したばかり。
だって、ポンペイの遺産は崩れたい放題なんだよ。
いくらこれはマフィアが絡んでいたりとか、他にも原因があるとは思うけど・・・
こういうちゃんとした知識がなく、目先の事しか考えない大臣(だけではないけど)が国をダメにするんだと思う次第です。
(まぁこればかりは他の国の事ばかり言えないとは思うけどね)

今日久しぶりに日本に帰ってた友人とお茶をした時、
「外に出るとこの国のダメなところが余計わかる。」「色冷めている」という話をしたばかりだけど、
他の国と比較してはいかん!
しかしそれを省いても、この国が一体どういう方向に向かっているのか…ダメだ、全然わからない。 

なんか悲しくなってきたよ・・・
あっ、でも頑張れば私でもウフィツィ美術館の館長になれるってことじゃん・・・ってやはりあまりうれしくない。 

P.S 今朝になったらニュースでは「イタリアを文化を外国に売る」という話になっていた。
ちゃんと試験をやった結果で学術的な発展を考えて、と 文部大臣は言っているとか・・・

参考記事(イタリア語)



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