イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

一年に一度

2013年06月19日 21時19分56秒 | 近況報告

暑いです。
昨晩は午前0時で29度もあったって・・・暑いです。
今日はこちらの高校卒業試験が実施されました。
初日はどの学校もイタリア語の試験が実施されるのですが、今年は初めてまだ生きている作家の作品が題材に出たことがかなり話題になっています。(この問題かなり難しかったらしい・・・)

さすがの私も食欲減退。
まぁこれくらいが調度いいか・・・

さて、一年に一度のこのネタですが、前回ちょっとしたトラブルがあったので、半年でまたまたこのネタなのですが、今日次の滞在許可証の申請の為Questura(移民局)に出頭してきました。
そうです、出頭です。
別に悪いことをしているわけではないんです。
しかしあそこに行くとなぜか自分は悪いことをしているような気がしてなりません。
外国人の坩堝・・・子供は泣き叫び、意味の分からない言葉で大声で叫ぶ人たち。
もう地獄絵・・・という感じ。
更にイタリアは他の場所でも窓口の対応は良くない、いや悪いですが、ここほどひどいところもありません。
しかし、これは日本でも同じことなんだそうですよ。
それを聞いたときは結構ショックだったのと、日本がそうなら仕方がないか・・・なんて妙に納得してみたりして。
どこの国でも外国人はお呼びではないってことなんですよね。別に何も悪いことしてないのにさっ。

ここはこの国の底辺。
但し、よく考えてみれば、ここにいる人たちはちゃんと正規で申請をしているのだからまだまし。
そうです、この下には更に不法滞在の人が少なからず存在しているんです。

到着9時少し前。
今日からここの近くではモードのイベントが行われているため、お洒落な人たちが闊歩しているのに・・・
あ~天と地ほどの差があるわ。
番号をもらったらけど80人くらいは待っているなぁ・・・あ~長い道のり。
持っていった日本語の本1冊読み終わった。
で、結局私の番が来たのは11時過ぎ。
約2時間半。
昔よりはましになったけど・・・

窓口は男性。
ということで少し安心。(女性は輪をかけて感じが悪いので)
私の書類を探しに奥に消え・・・なかなか帰ってこない。
まさかトラブルか?
もしや今度こそ「もう滞在許可証はでない。家に帰れ!」と言われるかなぁ・・・とどきどき。
で、戻ってきていわれたのは
「何勉強しているの?」
「美術史です」
この一言で全て終了。
こいついつまで大学通ってんだよ、いい歳なのに。
えっ、いったい何勉強してるんだ・・・美術史ねぇ。
難しいだろうねぇ・・・まぁこいつは日本人だからいいか。
なんて考えたかどうかは分かりませんけどね。
書類は不備もなく、問題なく受理され、指紋を取って終わり。
指紋取るんですよ。もう慣れたけど・・・だから悪いことしたら一発で捕まります。
後は待つだけ・・・ってこれで前回はやられたんだからねぇ。今回も注意せねば。

ということで、もう一年イタリアにいられることになったようです。
お疲れ様~ってことで(?)

ここの近くにあるグラニータ(フラッペではないですよ)でひとり乾杯。(いや飲み物ではありません)
いや~暑い時はこれに限るねぇ・・・なんて思いながらふと昨日友達に聞かれたことを思い出した。

彼女はまだ20代で音楽院卒業間近。秋には彼がいるスウェーデンに行ってしまうのだが、その彼女に
「なんでイタリアで生きて行けるんですか?」と単刀直入に聞かれた。
彼女の質問の意味はよ~く分かります。
日本、スウェーデンと対極にあるイタリア。
彼氏がいたり、結婚しているわけではないし、この国にはホント理不尽なこと多いし・・・
だから彼女も言いたいこと、すごく良く分かるんですよ。
しかし私の答えは「この国にはそれを上回る興味深いことがあるから」と
「10個のうち、9は嫌なこと、腹の立つことでも例えばオペラを見に行って感動したり、普通の人が見られないような作品が見られたりしたらそれで嫌なことは帳消しにできるから」と言ったら
「強いですねぇ・・・」と感心された。
いやいや、強くなったんですよ。

強いかどうかはさておき、嫌なことはなるべく早く忘れ、良かったことはなるべく長く引き伸ばす。
それがこの国で生きてゆく秘訣じゃないかなぁ・・・
1つ言えることは日本にいるときよりも楽しいことを探すのがうまい、ということかな。
誰のことも気にせず、ただ自分が面白いことだけを追求できるのが、ストレスの解消になっているのは確か。

滞在許可書が来年も出る、ということはもう少しこちらにいても良いってことなんだよね。
さぁもう少し頑張るとするかな。



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