イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

いとしのPerugia

2007年11月11日 00時42分35秒 | Weblog
今朝(日本時間では既に昨日)の番組で
「Firenzeは釧路とほぼ同じ位置」と言っていたと
母から聞き、そこまでは寒くないなぁ・・・と思いながらも
自転車に乗ると、風が痛い今日この頃です。

いや~実はここの所、ここに書こうかどうしようか迷っている事がありましたが
友人が日本の友人に話したと聞いたので書くことにしました。
正直、非常にショックなことなので・・・
ここからはかなり長くなると思いますがご了承ください

実は先週Perugiaでイギリス人の学生が殺されたんですよ。
殺された彼女の家が以前私が住んでいた所の近くだったもので
テレビで見て、ちょっと怖くなっていました。
ここまではまだ良かった(何も良くないけど)のですが・・・
それが今週の火曜日、調度私がPerugiaに遊びに行った時に
容疑者が捕まったと友人から聞きました。

それがなんと知っている人だったんです。
知っていると言っても、私は直接面識があったわけではなく
でもいつも大学の校門のところでビラを配っていたし
感じもいい人だったので知っていた、というくらいなのですが
Perugia外国人大学に通っていて彼を知らない人はいないと思います。
アフリカ人の彼と同居人のアメリカ人、その恋人のイタリア人の3人が
容疑者として現在、取調べ中です。
更に今日は4人目の容疑者が逮捕されたとか・・・

彼のことを知っている人は口々に「信じられない」と言っています。
昨日の夜は特番が組まれ、この事件がかなり掘り下げられていたのですが
そこでもやはり・・・
どうやら同居人のアメリカ人が全ての鍵を握っているようです。

しかしなぜこの事件がここまで大きくなったのか?
それはここのところ多発していた"外国人"による犯罪ということが
最大の要因かと思われます。(あくまでも私見ですが)
10月、Roma郊外でイタリア人女性が性的暴行と窃盗を目的とした
ルーマニア人に殺害されたことで
イタリア政府はルーマニアに勧告を出しました。
ルーマニア人による犯罪がこれだけではなかったもので・・・
恐れていた通り、翌日には何も関係のないルーマニア人が
イタリア人の若者に襲われる事件が発生しています。

これは今年からルーマニアがEUに加盟し
パスポートもなくEU圏に入れるようになったことが一番の問題です。
もちろんルーマニアだけではないですが、
ルーマニアをEUに加盟させることには最後まで反対が有ったようです。
更に友人曰く、本国で犯罪を犯した人が
国外追放という形で野放しにされているとか、
そういう犯罪者がイタリアにたくさん流れてきているとのことです。
でもロムと呼ばれる、所謂社会の底辺で生活している人たちと
(町で派手な格好でお金を求めてきたり、スリを働くのはほとんど彼ら。
バラックに住んでいる人たち)
そうでない、例えばまじめな学生のルーマニア人を
一緒にして一掃しようとしている
イタリア人の安易な考えには納得は行かないのですが
実際この人たちが多くの犯罪に関与していることは否めません・・・

そんな矢先に起きたこの事件は
イタリアの治安という点でも大きな波紋を投げかけています。

昨日の特番ではまるでPerugiaにいる学生の全員が
麻薬、飲酒をして、夜中街中を徘徊してるような報道がなされていました。
確かに最近Perugiaではいつでも簡単に麻薬が手に入るといわれているし
夜中のCentroは確かに治安が良くないです。
でもそれはPerugiaだけのことではないし
まして全ての学生がそんなことをしているわけではないんです。
まじめに勉強してる生徒がどれだけいることか・・・
確かにPerugiaは遊ぶところは少ないです。
若い子には多少退屈かもしれません、
でもゆっくり勉強するには本当にいい街です。
私の愛するPerugiaがかわいそう・・・

この事件はこの先どう発展していくか分かりませんが
様々な波紋を残しそうです。
実際、この事件はたまたまPerugiaで起こったというだけで
今のイタリアではどこで起きてもおかしくない事件なんです。

若者の精神面をコメンテーターは
テレビやインターネットのせいとしていましたが
問題はそうさせてしまった親に有るのではないでしょうか?
容疑者のイタリア人が彼のブログに「vuoto」(空っぽ)という
言葉を何度も書き綴っていたようですが
経済的には満たされていても、精神的には満たされない
そんな若者の心の奥底に潜んだ悪魔が
このような犯罪を犯してしまったのではないでしょうか?

一日も早い事件の解決と
Perugiaの街に一日も早くもとの静寂が戻ることを
祈って止みません・・・


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2 コメント

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Unknown (maruco)
2007-11-11 18:00:56
私もこのことをブログに書こうか、迷っていて、そしてまだ気持ちの整理がつかないままです。というのも、私は今回事件を起こしてしまった彼と、かなり近い関係にあったもので、やっぱりここ数年会っていないとはいえ、毎日考えるものがあります。お茶をしたこともあったし、気軽に声をかけてもらったし、そして何よりも演奏会を一緒にやったし。早くこの事件が解決してほしいよね。
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本当に・・・ (fontana)
2007-11-12 16:54:36
私もかなり迷いました。私は直接面識があったわけではないですが、私の周りでも信じられないという人ばかりで・・・でももちろん日本語が分かるわけではないのですが、こうして多くの日本人も彼の無実を信じていること、Perugiaが"悪の巣窟"(そこまでは言ってない?)のように言われていることに一言言ってやりたかったんだよねぇ・・・今日あたりから動きがあると思います。ニュースでも釈放されるのではと言っていましたから・・・久々に新聞まじめに読んだよ!(これから無料新聞をもらいに行くけど、今日のメインはサッカーの方だろうなぁ)
ニュースも毎回梯子してチェックしています。
何かいいニュースをお伝えできればと思います
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