来年、またフェルメールが来日するらしい。
2022年1月22日から4月3日まで、東京都美術館で開催される。
写真・詳細:https://www.tobikan.jp/en/exhibition/2021_dresden.html
目玉作品がこのフェルメールの「窓辺で手紙を読む少女」なのだが、これ最近修復が終わったばかり。
修復後初めて海外展示が、この日本での展覧会になる予定。
写真:https://gemaeldegalerie.skd.museum/en/research/vermeer/
こちらは修復前。
実はこの作品1979年のⅩ線調査で、壁面にキューピッドの描かれた画中画が塗り潰されていることが分かった。
窓に向かって手紙を読む少女の右側の壁は白く、光が当たり、影が映っている。
長年に渡って、フェルメール自らこの壁を白く塗りつぶしたと考えられていた。
しかし2017年の調査によってフェルメール以外の人物がこの壁を塗り替えたことが新たに分かり、その翌年から画中画の上塗り層を取り除く修復が始まった。
どおりで2019年12月ドレスデンに行った時はこの「取り持ち女」しかなかったわけだ。
まぁ、あの時は美術館自体が修復中でメインの作品以外はほとんどなかったから、あまり気にしていなかったのだが、そういうことだったのね。
2019年5月、修復途中の「窓辺で手紙を読む少女」の中から画中画のキューピッドが部分的に現れたと記者発表があった。
写真:https://gemaeldegalerie.skd.museum/en/research/vermeer/
その時はキューピッドの上半身が現れていた。
そして今回修復終了後にはみごとなキューピッドが現れた。
写真:https://gemaeldegalerie.skd.museum/en/exhibitions/
画中画のこのミステリアスなキューピッドの出現で、絵の意味がガラッと変わる。
”目の前の地面にふたつの仮面が転がっており、キューピッドはそのひとつを踏みつけている。
構図のなかに愛の神がいることは本作の意味を大きく変え、偽装や偽善を乗り越える誠実な愛の証しとしてとらえることもできるようになった。
同館19世紀以前のオールドマスター絵画・彫刻コレクションのディレクターを務めるステファン・コジャは、「フェルメールはこの絵のなかで、人間の存在についての根本的な疑問を投げかけている」としつつ、「背景のキューピッドの修復によって、デルフトの画家の実際の意図がわかる。この絵は、表向きの愛の文脈を超え、真実の愛の本質についての根本的な主張をしているのだ」と述べている。”(引用:美術手帖)
ドレスデンでは来月9月10日から2022年1月2日まで、この作品に加え35点しかないと言われるフェルメール作品の9点を揃えて特別展を開催する。
Vermeer. Vom Innehalten | 10.09.2021—02.01.2022 | Gemäldegalerie Alte Meister Dresden | Trailer
あ~あ、2019年現地を訪れた時、修復終わったらまた来たいなぁ…と思っていたのになぁ。
こうなったら、来年東京で見る時は、この状態なんとかなっていますように、と思わざるにはいられない。
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"取り持ち女"は2019年に、大阪市立美術館にやってきた時、再会しました。
この展覧会は大阪には2022年7月に巡回してきます。
↓ よかった。(^^)
https://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/dresden-vermeer2022