夏、日本でイタリア映画を見た。
2009年、Venezia映画祭に出展されてもいたこの映画、忘れていたのか気付かなかったのか???
”Si puo fare”
邦題は「人生、ここにあり!」
私の周りでもこの映画を見て絶賛している人は多かった。
例えば、これも帰国中に見たのだが、「輝ける青春」にも出てくるように、過去精神病院の状態は劣悪なものであった。
イタリアでは、1978年5月13日に世界初の精神科病院廃絶法通称バザーリア法(Basaglia)が公布された。
後に同年12月23日成立の833号法に条文が移された。
通称名はイタリアで精神科病院(イタリアではマニコミオと呼ぶ)の廃絶を最初に唱えた精神科医フランコ・バザーリアにちなむ。
その経緯についてはこちらのブログが非常に詳しく、分かりやすい。
しかし、今晩ニュースを見ていてあることに気がついた。
精神病院は完全に廃止されたわけではない。
唯一精神病院として残されているところがある。
それは犯罪を犯し、それが精神障害によるものと認めらた人たちが収容されている、
Ospedale psichiatrico giudiziario、所謂医療刑務所である。
現在イタリアにはOspedali Psichiatrici Giudiziari (Opg)と呼ばれる医療刑務所が6箇所ある。
Caserta,Messina,Mantova,Firenze,Napoli,Reggio-Emiliaのそれである。
これらの医療刑務所は1930年の制定された通称Codice Roccoと呼ばれる刑法に基づいている。
しかしこれらの施設が衛生的にも精神的にも、現在劣悪な環境にあるy。
特にBarcellona Pozzo di Gottoと呼ばれるMessina(メッシーナ)の医療刑務所が最たるもので、先日もまた自殺者が出た。
外科医でもあり、上院議員でもあるIgnazio Marino氏は実際公共の電波を用いて、実際現状を撮影したビデオを流すことによって、劣悪な現状を世間に訴えることにした。
実際彼が訪れた場所では、裸の男性がベットに両手両足を縛り付けられ、ベットの中央には排泄物を下に垂れ流すような穴が開いていたりしたそうだ。
医療刑務所は、人権を慮り、けっして拷問をする場所ではない。
しかし、実際6箇所のうち5箇所で同じようなことが起こっていた。
彼らは、社会的にも危険ではない患者は地域の医療施設に移し、最低でも3箇所の施設を閉鎖したいと訴えている。
実際、どこかに閉じ込めておかなくてはならないような人が牢に入れられているという。
しかし、彼らは「pazzo」、頭がおかしいというレッテルを貼られたままの状態である。
問題は医療刑務所だけではない。
イタリアの刑務所は現在収容者が150%超、すでに溢れかえっている状態。
人権は尊重されず、家畜同様の扱いを受けている。
本来必要な罪を償う為の”教育”も出来ない状況である。
そして、今受刑者の自殺、看守による体罰での受刑者死亡が増加している。
そしてこの状況を政府は知っていて知らないふりをしている。
私たちが考えるような明るいイメージだけがこの国の全てではない。
どの国も私たちの国と同じように様々な問題を抱えているのである。
映画は映画、それがいくら事実に基づいているとしても・・・
今日の記事はこちらのサイトを参照にしました。
日本からビデオが見られるかは分かりませんが、衝撃的な映像、そしてこれが事実なのです。
この国を知る為には、食べて、飲んでだけでは駄目なんです・・・ってかなり思いテーマでしたね。
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