東京で一番苦手な街、渋谷。
ということで駆け込みになってしまったのですが、昨日Bunkamura ザ・ミュージアムに行ってきました。
ブリューゲルの来日などもあったので、フランドル、ベルギー美術も少しずつ人気が出ているのか、閉幕間近だからなのか予想外ににぎわっていました。
15、6世紀を代表するボスやブリューゲルの流れをくむ作品から、象徴主義、シュルレアリスムの作家を経て、現代のヤン・ファーブルにいたるまで、約130点の作品を通して、500年にわたる「奇想」の系譜の存在を探ります。
というテーマの展覧会。
目玉はこの写真にもあるこれかな?
「トゥヌグダルスの幻視」ヒエロニムス・ボスの工房の作品。
1枚の絵の中に7つの大罪が描かれています。
左上に”傲慢”、
その下が”嫉妬”、
中央のたらいに浸かっている人々は貪欲、
サイコロに座っている中央下に”邪淫”、
右上に寝ている人物は”怠惰”、
その下、刀が刺さっている”激怒”と酒を飲まされている”大食”。
左下の天使に付き添われているのがトゥヌグダルスで、生死の狭間を彷徨った放蕩の騎士・トゥヌグダルスが見た幻想が描かれています。
ボスの作品か?と思わずにはいられないが…
それもそのはず、会場に展示されていたパネルによると(今回は図録を買わなかったもので…)
何でも最近の科学的な調査で、この絵の描かれている板の年代と材質がボスの作品で使われているものと同じ、ということでこの作品はボスが生きてい間に描かれている。
じゃあこれもボスの作品?
それはなくても
ボスの手も入っているんじゃない?という、希望的予測が立てられているようです。
現存する作品が40点と極端に少ないボスですから、これがボスの作品だったら嬉しいですけどね。
近くに寄った割にはわからなかったのですが、このたらいは貪欲を表していて、たらいの中身は硬貨。
実はこの作品を見ながら私が思い出していたのは
Castello della Mantaの”若返りの泉”
これについては過去に記事が有りました。(こちら)
その時も書いたけど、資料がなくてこの絵の深い意味は分からないのですが、こちらにも教訓のようなものは含まれているのは明らかでしょう。
こちらは1420年頃の作品、ボスの工房の作品は 1490―1500年頃のものと差は有りますけどね。
あと個人的に良かったのは日本に有るマグリットの作品が数多く見られたこと。
特に宇都宮美術館所蔵の
「大家族」という作品が良いですよね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます