イタリアに発つ前の10日間は本当にバタバタしていました。
というのも滞在中に終了してしまう展覧会の多いこと、多いこと。
だからちょっと遠いところは避けようかと思ったのですが、行かないで後悔するのは嫌だし、まぁこっちに来て疲れが出てダウンしても、数日は大丈夫だと思っていたので、気になるものは全部見てきました。
勿論「行かなきゃよかった」と思うものはなかったですけどね。
え~と、そうそう花祭りの4月8日、午前中は地元のお寺で甘茶なんか飲んでたんですけど、午後は横浜からだと結構行きにくい府中まで行きました。
立派な美術館ですね。
5月6日までこちらで開催中の「春の江戸絵画まつり リアル 最大の奇抜」という展覧会を見るためにやってきました。
西洋美術に比べたら、まだまだ興味も知識もないのですが、最近ちょっと円山応挙と司馬江漢が気になっていて、丁度この展覧会がこの2人にフォーカスしているということで、頑張って行きました。
当日は前半の展示の最終日で、今は後期の作品に何点か入れ替わっているそうです。
リアルに書くことが美術の基本と考えられたのは西洋の美術が入って来てからのこと。
日本古来の美術は、リアルであることよりも、作品が醸し出す空気などを大切にしてきた。
ところが、江戸時代に入り「リアル」を追求し始めたのが円山応挙。
応挙は「目に映るありさまを冷静に分析して画面に表してあらわしてみる、いわば既成の美の手段を破壊した創作者」(府中市美術館サイトより引用)だったらしい。
実は応挙、本人もあまり言いたがってはいなかったようですが、西洋絵画をかなり研究していたとか。
応挙のこと、本当は何も知らなかったんです。
それが3月に行ったある企業のプライベート美術館で、応挙が描いたとされるヴェネツィアの風景を見て、ちょっと興味がわいたんです。
特に応挙と眼鏡絵の関係が気になります。
眼鏡絵とは「江戸時代の浮世絵の一種。」
Wikipediaによると
「45度傾けた鏡に映した絵をレンズを通して覗いてみる風景画の一種で、それにより原画は絵や文字が左右反対に描かれている。
寛延3年(1750年)頃、中国から移入された極端な遠近がついた風景画は、日本でも宝暦9年(1759年)か宝暦10年頃から主に京都で制作された。
円山応挙がこれを得意とし、中国の風景や京都名所を描いた眼鏡絵が残っている。
応挙は修業時代に、尾張屋中島勘兵衛という玩具商に勤めていたことがあったが、オランダから移入されていた眼鏡絵を見て、自ら京都の風景を描いた眼鏡絵数点を描いた。
これらの作品は木版墨摺りで手で着色がしてあった。
それには画面に小さな穴を開けて、薄紙を貼って裏から光を当てるという工夫がみられ、遠近を深く感じることができた。
また応挙は肉筆画の眼鏡絵も作っている。」
眼鏡絵と装置が描かれた鈴木春信の作品。
この展覧会には確か眼鏡絵の出展はなかったけど…
ん?応挙じゃないけど極端な遠近法で描かれた絵が有ったなぁ。
カタログ購入したのですが、読む時間もなく、今はイタリアなので、これ以上のコメントができず申し訳ないです。
なかなか面白い展示内容だったので、是非府中まで足を運んでみてください。
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