おとといの朝日新聞夕刊に現在ローマで開催中のオペラ「イドメネオ」に難民のエキストラが参加しているという記事が出ていた。
朝日新聞:ローマのオペラに難民出演、舞台はギリシャ 反戦テーマ
このサイトには書かれていなかったが、歌劇場と長年交流があるカトリックの人権団体「Comunità di Sant'Egidio(サンテジディオ共同体)」の協力が有ったらしい。
この共同体は、貧困者や移民、難民などの保護活動を積極的に行っているかなり大きな組織で、その活動はイタリア国内だけに留まらず2011年の東日本大震災の折には、被災地を訪れていたそうだ。(知らなかった…)
サンテジディオというと、クリスマスにローマの貧しい人たちに昼食を振る舞う団体、というのが私が知る数少ない彼らの情報。
写真・参考:https://giornaledellospettacolo.globalist.it/
こういう社会的なメッセージを込めた演出をオペラに組み込むことは、決して稀ではないイタリアだが、こうして”本物の”難民をエキストラとして出演させたことはなかったのでは?
日本までは伝わってこないが、イタリアには毎日のように移民船が流れ着き、その対応に頭を抱えている。
また生きてイタリアにたどり付けない人々も大勢いいる。
そしてイタリアやその他の国に逃れて来た難民の一部が、事件を起こしたり、というのも事実で、難民に対して良いイメージを持っていないイタリア人も多い。
しかしサンテジディオは「『難民は怖い存在ではなく、同じ人間として友好を結ぼう』と社会に呼びかけたかった」ので、この企画に賛同したようだ。
オペラ監督は奇才の演出で知られるカナダ人ロバート・カーセン(Robert Carsen)
ということで、かなり過激な舞台になっているというのは想像できる。
マドリッド、コペンハーゲン、トロント(カナダ)でも見られる(た)らしい。
Idomeneo, re di Creta. Madrid 2019 (highlights)
イタリアのサイトを探してみたが、評判が載って記事は探せなかったし、実際の舞台を見に飛んでいけないのでこれ以上のことは何も言えない。
16日までローマ歌劇場で上演。
https://www.operaroma.it/spettacoli/idomeneo-re-di-creta/
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