今日は終戦記念日。
広島、長崎に原爆が落とされた日も終戦記念日も知らない小学生がいる、ということを取り上げていたが、2012年、ドイツの若者の5人に1人は、かつてアウシュビッツ(Auschwitz)がナチス・ドイツ(Nazi)の「死のキャンプ」だったことを知らないことが明らかになっている。(参考:https://www.afpbb.com)
やはり世界中で第2次世界大戦の記憶は薄れているのだろうか…
先週の日曜日の日本経済新聞の「うたごころは科学する」という記事にイタリア映画界の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ(Vittorio de Sica)のことが出ていた。
記事にもあるように、デ・シーカと言えば「自転車泥棒」や「ひまわり」が圧倒的に有名だ。
しかし「ひまわり」を失敗作と考え、真のデ・シーカ映画として作成された「悲しみの青春(Il giardino dei Finzi Contini)」はあまりにも知られていない。
ベルリン国際映画祭金熊賞、アカデミー外国語映画賞を獲得している映画なのに。
私も知らなかった。
写真:Amazon
”こちらは、北イタリアでのユダヤ人への迫害を背景とした青春ドラマだ。”(日経記事から引用)
ということで今日見てみた。
残念なことに、日本語(字幕も吹き替えも)はレンタルも配信もなかったので、イタリア語で見た。
派手な戦闘シーンや暴力的なシーンはないが、未来への不安や揺れ動く心の描写が絶妙で、さすがデ・シーカな映画だった。
映画の結末はいったいどうなったのだろうか。
映画の舞台になったFerrara(フェラーラ)の町は、イタリアで最初のユダヤ人コミュニティーが出来た街。
スペインを追放されたユダヤ人たちは、フェッラーラで受け入れられ、他のコミュニティーにいたユダヤ人たちもそこへ加わった。
第二次世界大戦前まで、スペイン式、ドイツ式、イタリア式と、祭式の異なるシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)が三つもあった。
原作者のジョルジョ・バッサーニ(Giorgio Bassani)はユダヤ人で幼少期、青年期をフェラーラで過ごしている。
反ファシズム活動により投獄され,さらにユダヤ人として迫害されたため,1943年にはローマへ逃れた。
二重の意味で弾圧されたファシズム期の暗い体験が彼の文学の基調を決定づけ,物語の核にはつねにフェラーラのユダヤ人共同体社会が埋め込まれている。(引用:世界大百科事典 第2版)
今一度戦争に向き合う、そんな一日だった。
私たちももっと知らなければいけない。考えなければいけない。
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もっともパリ講和会議では、戦勝国としては認められなかったようです。
コメントありがとうございます。
「日本に宣戦布告」ですか?初めて知りましたが、イタリア人らしいなぁ、と思ってしまいます。
イタリアの場合は”戦後”の内戦の方が”本線”より悲惨ですからねぇ…