イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

耐震構造になっていましたーPalazzo Vecchioの秘密の抜け道ツアー その2

2014年12月19日 22時14分29秒 | フィレンツェのこと

地震で勉強道具が閉じ込められてしまい、時間が出来たのでこちらに色々載せる時間が出来た、と思ったのは一瞬でなぜか時間がなかった。
更に途中で部屋の電気がいきなり切れた・・・
「停電?」と一瞬思ったけど、別の電球をつけてみたらついたので、単に寿命。
ほっ、もうこれ以上何も起きないで・・・
普通だったら明日でもいいか、なんだけど
今日はこの先何があるとも限らないので、時間も有ったしすぐに電球を買いに行った。
電球買うだけでなく、ついでにクリスマスマーケットをぐるぐるしたりしたので、あっという間に時間がなくなったんですけどね。

地震・・・
でかいのが来る前触れじゃなければいいんだけど・・・
これが日本でのことならそれほど恐怖を感じたりしないけど、何せ耐震構造ではない、ちょっとことでパニックになるイタリア人と一緒というだけで結構厳しいです。
なんでこの人たちは揺れを感じると外に飛び出すんだろう?
飛び出したほうが上から何か落ちてきて危ないと思うんだけど・・・
さすがに震度3では建物は崩壊しないと思うんだけどな。

イタリアで地震というと必ず思い出すことがある。
昔Perugia大学に通っていたころ、1997年にUmbria,Marcheを襲った震度6の地震の時のこと、
「当時大学に通っていた地震のない国の生徒が驚いて、パニックになって、窓から飛び降りようとしたんだよねぇ。
それなのに日本人の学生だけは落ち着いていてね。すごいなぁ、日本人は」
とある教授が言っていた。
ちなみに彼の奥さんは日本人だが・・・
まぁ人生で初の地震が震度6ならパニックになるかもね。

「こちらの建物は耐震していないから心配」と日本の家族に言われましたが
15世紀とか16世紀とかとにかく古い建物に関してはしっかりしているので、倒壊の心配はあまりないんです。
2009年にL'Aquilaで起こった6弱の地震では数名の学生が亡くなったのですが、この建物は確か1930年代くらいの建物で、これくらいに建てられたものは一番弱いといわれているそうです。
(ちゃんと調べていないので間違っていたらごめんなさい。とにかく100年以内の建物の方が危険だって言うんです。)
ただ倒壊の心配はなくても、屋根が落ちてきたり、壁が崩れたりということはよくあります。(地震じゃなくても有るくらいだから)
2002年南で起きた地震では小学生27人と先生1名が亡くなっているし、数年前は地震でもないのに学校の天井が落ちてきて確か1人亡くなったか、障害を負ったかしています。
そう、この国も数年に一度かなり大きな地震がやってきます。
ここのところで大きかったのは2012年のEmilia地区。
この時もプレハブが倒壊して何人か亡くなったし、この時は1700年代半ばに建てられた鐘楼の一部が崩壊。
結局この鐘楼はすべて壊されてしまいました。
火山国ですからねぇ・・・そのわりに温泉が少ないのは残念ですが。

前書きが長くなりましたが、先ほど夜の地方ニュースでも一番のニュースは地震。
さっきSanta Croceに行ったらこのニュース番組のアナウンサーで、かっこいいなぁと思っている人がいたんです。
てっきり中継かと思ったのに、出ませんでしたね。
明日の朝用かな???
あ、明日は朝の地方ニュースないや。

で、そのニュースの中でUffizi(ウフィツィ美術館)の館長が自信いっぱいに
「ウフィツィ美術館はイタリア国内でも数少ない耐震構造です」と言ってたんです。
それを聞いて「うそ~」と思った瞬間思い出したんです。
10月の「Palazzo Vecchioの秘密の抜け道ツアー」でのこと。
そしてそのことをまだ書いてなかったことも・・・ 

ダン・ブラウンの「インフェルノ」を読んだとき(既に一年前か)一番気になったのがこれでした。
Palazzo Vecchioの屋根裏!?
そんなところ見られるの?と思っていたら、友人のガイドさんが「昔は特別な機会に公開していたのよ」と言っていた。
それからしばらくして、いつもの行きつけの美術書専門の本屋さんでいかにもアメリカ人向けと思われる「インフェルノツアー」の宣伝を見つけた。
しかしこのツアー高いんだよ!
でもこういうことに興味があるアメリカ人多いから払うんでしょうね。
ダン・ブラウンの「天使と悪魔」が出たとき、あの本を片手にローマをうろうろするアメリカ人がすごく多かったそうですから。
でもそこから日常にかまけてすっかり忘れていたのを思い出させてくれたのは友人でした。

このツアーの最後の山場、屋根裏へ上がる入り口は意外なところにありました。

このガラスの扉の向こう側。
この扉がどこにあるのかといいますと

500人広場を見渡せるこのバルコニーの入り口です。
ドアを開けると

狭い階段。
ここを上がって行くと

これが丁度真ん中の柱かな?

全体としてはこんな感じになっているんですが、驚いたのはここ耐震構造になっているらしい。
私建築が専攻ではないので、詳しいことは良くわからないし、10月の話なので詳細は既に忘れているのですがたしか
「Palazzo Vecchioは梁を固定していないんです。自信の揺れによって建物が動くような可動式の構造をしています」
と言っていた。
確か震災のときも高い建物ほど揺れる構造になっていると言っていた気がしますが、同じことですよね?
恐るべしVasari(ヴァザーリ)

というか16世紀、既に地震が多かったってことですよね?
じゃあどうしてそれを忘れてしまったんだろう・・・
そして日本と同じ火山国なのに何でこんなに温泉少ないのよ・・・

「インフェルノ」ではこの天井に当たる部分が「500人広間」の天井にキャンバスの裏になっているように書かれていますが、さすがにそんなわけはありません。
人がここから広間に落ちるなんてことにはなりませんよ。
それに

ちゃんと通路があるので、途中で梁の上を歩くなんてこともなさそう。
ただこの通路にはさすがに上がらせてもらえませんでしたが。
ツアーはここで終了ですが、後は自由に宮殿内を見て回れます。

ということで、タイムリーな地震の話題で、「16世紀に耐震構造の建物が出来ていた!」という大切なお話を忘れずに済んだよ~
ある意味地震に感謝だな。
あ~色々なこと闇に葬られちゃってますよ。
記憶のかなたに行ってしまったことのいかに多いことか・・・
それにしてもこの地震、何事もなく早く止んでくれるといいなぁ
明日も図書館開かなかったらショックだなぁ・・・いくら週末は勉強しないとは言え。

ちなみに今テレビを見ていたら10月に行ったLoretoの話が出てきたのですが、
この話もいつ紹介することが出来るんだろうかなl??? 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大丈夫ですか? (たま吉)
2014-12-20 11:09:56
Fontanaさん、イタリアで地震って怖さが日本より増しますね。慣れてなイタリア人のパニックぶりも…。自然の事なので気をつけようがないかもしれませんが、気をつけて下さいね。
返信する
今のところは・・・ (fontana)
2014-12-20 16:30:18
たま吉さん
ご心配ありがとうございます。今のところは大丈夫ですが、まだ続いているそうです。
地震国なのに全然なってないのが問題です。建物に関してはいろいろ難しいと思いますが、人間の方は改善できると思うんですけどね。在フィレンツェの日本人はみんな避難袋を用意しなきゃとか言ってますが、大体どこに避難するの?という根本的な問題に苦笑いです。今年は本当に自然被害が多く、今年も後数日ですが何も起こらないことを祈るばかりです。
返信する

コメントを投稿